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宝塚最新情報 part3330 - 暇つぶし2ch3:名無しさん@花束いっぱい。
22/11/15 16:39:28.58 hXtcAeKD.net
>>2
 舞台は、一路真輝の元陸軍少尉ティエリー・シンクレアが、ある作家のインタビューに答えて、自分の半生を振り返るところから始まる。後に星組のトップになる安蘭けいが作家を演じていた。
 シンクレアには、陸軍士官学校の同期卒業生、轟悠のクリフォード・テリジェンという親友がいた。すると『二人だけの戦場』という題名は、戦場における男同士の連帯を語っているかのようである。しかしインタビューは意外な方向へそれていく。
 「思えばすべては徒労だったような気がする。結局軍とは力であり……私の理想は幻だったのかもしれない。今でも思い出さない日はないよ。けれどもすべては遠い、遠い、空しい戦いだった」
 このせりふにかぶせるように裁判長の声が聞こえてきて、舞台はシンクレア少尉を裁く軍事法廷の場になる。起訴事実は上官殺害である。
 彼は士官学校を首席で卒業したため、「参謀本部でも国防省でも好きなところへ行けただろうに」といわれながら、人の行きたがらない辺境の自治州の基地を志願し、そこで上官殺害を犯した。そのいきさつが劇中劇の形で演じられる。
 ユーゴ紛争に当てはめると、シンクレアはセルビア人であろう。彼は初め旧ユーゴ連邦軍に属し、旧ユーゴ崩壊後に新ユーゴ連邦軍の法廷で罪を問われている。
 この作品は全体として三重構造を形作っている。インタビューの中に過去の法廷があり、法廷の中で、さらにそれ以前に起きた上官殺害の経緯が再現される。
 法廷に立って被告の罪を鋭く追及する風早優の検事に対し、弁護人を引き受けてくれたのは、ほかならぬ親友のテリジェンである。士官学校の同期卒業生のうち、彼だけがシンクレアと同じ基地に赴任して、一部始終を見ていた。
 上官殺害は本来銃殺刑に処せられるが、判決は死一等を減じて、終身刑を宣告した。親友テリジェンの真情あふれる弁護が大きく物を言ったが、そこには同時に、旧ユーゴから新ユーゴへという情勢の変化が投影されている。
 テリジェンの役割は主人公のよき理解者ということである。この役割は法廷でこそ遺憾なく発揮される。戦場で主人公が経験したのは、独自の内面的なドラマだった。


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