16/09/04 23:42:19.03 S+KyOG/r.net
私は、吉野川について、今月の保評には同意だ。
玉さんの芝居の良い意味でのわかりやすさ、キッチーのセリフの深さと美しさ。
子供を死なすのは、天皇のへの忠義ではあるが、
芝居の本質としては、権力への抵抗、人間としての自由を守るためであり
現代的だというのは、すごく感じた。
「せめて一人は生かしたさ」が重要なのも感じたが、それが
玉三郎が発見した定高の性根として画期的だったという事は知らなかった。
玉ヲタとしては、恋人同士なので全く違うのだが
図書之助を助けたいという富姫のセリフがなんだか思い出された。
吉野川は前回の幸四郎藤十郎が初めてで、2度目なので以前より理解しやすいことも
自分としてはあるのかもしれないが、
今回現代人としてもわかりやすい芝居だと思ったのはやはり演じ方の違いなのだろう。
去年の先代萩の時も今月スレに感想を書いたが、あの先代萩も
良い意味で現代性があった。
重厚な義太夫狂言に本質的な現代性も加わるなんて素晴らしいことで
古典が生きた芝居として命が伸びるね。
昨日は3階席で見て、川面が良く見えて綺麗だった。
両岸の芝居も同時に視野に収まるし、3度目で慣れたせいか
距離があって客観視できるせいか、あまり辛くなくて
美術ヲタとして超楽しかった。
今回は、幸運にもセンター、花横、3階と最善の位置で見ることができて幸せであった。
やはり1階前方で見ると芝居の世界に入り込んで感情移入しやすいので
よけい辛くなるのだろう。
義太夫の語りも素晴らしかった。