24/08/31 05:02:42.79 0.net
マルクスの労働価値説において、抽象的人間労働(交換価値)と具体的有用労働(使用価値)の関係は、包含関係というよりは、むしろ相補的な関係と捉えるべきです。
なぜ包含関係ではないのか?
* 質的な差異: 抽象的人間労働は、労働の質を捨象した量的な側面を指し、具体的有用労働は、特定の商品を生産するための質的な側面を指します。両者は異なる質を持った概念であり、単純に一方に他方が包含されるという関係ではありません。
* 価値の源泉: マルクスによれば、商品の価値は抽象的人間労働の時間によって決まりますが、その商品が果たす有用な役割(使用価値)は、具体的な労働の種類によって決まります。つまり、価値と使用価値は、異なる側面から商品を捉える概念であり、一方なしに他方は成立しません。
相補的な関係とは
* 商品としての二重性: 一つの商品には、価値(交換価値)と使用価値という二つの側面が同時に存在します。
* 相互依存: 商品が交換の対象となるためには、価値(抽象的人間労働)と使用価値の両方が必要です。価値を持たない使用価値は、単なる自然物であり、交換の対象とはなりません。逆に、使用価値を持たない価値は、抽象的な概念に過ぎません。