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結論を言うと、現代資本主義は搾取をベースとしているためコネや世襲、
利権、特殊な才能がある者を除けば、寝そべることが一番、合理的な選択に
なるからである。つまり、やり甲斐搾取や大量の高齢者を支える使い捨ての
駒にならないためにも、なるべく頑張らないように努力する必要があるのである。
現代で過労で鬱になったり自殺するのは、たいてい必死に頑張ってしまう
ような真面目な人間である。現代の搾取資本主義社会で必要なスキルは、
なるべく努力をせず、何事においても頑張らないようにして、仕事量を抑え、
搾取や中抜きの対象にならぬよう常に用心することである。やる気や熱意を
見せないことこそが大事である。お金とモノの奴隷、電通の広告や自己啓発
サロン等に洗脳されないことも大切である。
また寝そべることはエコロジーの観点からも最適であり、アクティブな人間には
活動過多環境税でも徴税すると良いだろう。現代にフィットする生き方は、
なるべく環境を破壊する生産活動に従事せず、消費をせず、やたらあちこちを
動き回らず、寝そべることである。シオランは、こうした非活動性の利点を
以前から推奨していた。
つまり、何もしないことこそが現代資本主義に対する一種の革命となるのである。