23/01/28 18:43:04.45 0.net
一人で生活を全部できる男が結婚の条件、というのをどこかで読んだが、じゃあ、「一人で生活を全部できない男」というのが世の中にはいるのか? と思うと、ちょっと想像がつかない。僕の周りにそんな人はいなかった。ずっと実家暮らしで、実家にいるまま恋愛して、結婚したら、実家で受けていたサービスを妻に移管する、みたいな男がいるということなのか? いやあ、想像できない……
これだけ定常的にツイッターが続いているのも、一人暮らしだからだろう。誰か見知った人がいるお茶の間の空間が、ヴァーチャルにすぐ手元にあるのは、心温まることである。しかし、20代の後半まで、SNSはなかったわけだ。
僕は昔からよく電話をする。長電話に付き合ってくれる友人や親戚がいるのはありがたいことで、やはりずっと一人で、誰ともしゃべらないのはつまらない。寂しいとか、しんどいとかよりも、つまらない。しゃべりたいのである。言葉を持て余してしまう。その一部はツイッターやnoteに書くが、オフレコの話がいろいろあるわけで、やはり誰かと話す必要がある。
ずっと昔は、ただそのまま暮らし、ただそのまま出かけて帰ってきた。その間に知覚し、思ったことは、自分の中に蓄えたのである。
外にいて、思ったことをすぐSNSに書き込むのは、一種の防衛である。生々しい刺激を、メタ意識によってカバーするわけだ。それがなかった。生々しい刺激を、全身でそのまま受け止めていたのだ。よく平気だったなと思うし、そして今、外気に対するその直接性を、全面的には無理だとしても、ある程度は取り戻したいという気持ちもある。
マスクを外すとか外さないとかが喧嘩の種になる。だがそれ以前に、インターネットがすべてを覆い尽くし、SNSがすべてを媒介する世界では、ずっと前から、知覚と思考にマスクを着けっぱなしで、とれなくなっている。