22/05/12 09:49:27.75 0.net
「『まけ(任)のまにまに』/『"o privilégio de deveres cedidos"に応じて』」
というのは、それが個々の歌に明示的に詠まれているか否かにかかわらず、
万葉集の集められた歌を編纂する行為そのものの大枠としての意として働いて
いる。だからこそ、万葉集に歌において特徴的に強く表れるのは、主従関係
を確立する「を」の呼応関係に素直に従うことと、「しか(然)」して、その
ことによって「な(汝/己)」が互いに片糸として分かれることになり、
「いと(絲)を(惜)しさ」(ただし、「いとをし」という表現そのものは、
万葉集で用いられてはいない)がなげ(嘆)かれることの対比であり、
それでも「を・を」の呼応関係は、「汝(な)・己(な)」の「いと(絲)を(惜)しさ」
よりもつねに優位に立つのである。
ここで、「を」の呼応関係を成立させることによって確立される主従関係に
おける「主」を、国をを(治/食)す「大君」に限定することなく、そこに、
統治制度の違いにかかわらず、統治主権を代入するなら、"hero/heroine"
の表象のされ方は、時代と地域を超えて互いによく類似していると言うことが
できるだろう。