意味の論理構造の哲学at PHILO
意味の論理構造の哲学 - 暇つぶし2ch426:考える名無しさん
22/04/26 10:22:34 0.net
訳書からあまりに多くを引用するのはよくないので、ペソアの訳文の引用は
これを最後にしよう。ペソアの散文には哲学的な考えが深く浸透している
いるが、それを読んで理解するのに、哲学(学)を知識として身に付けて
いなければならないというようなことはまったくない。古典の和歌を読んで、
そこに詠まれている感性が自らのものとして分かるなら、優れた訳文の日本語を
介して、ペソアの言語表現に働いている感性も容易に感じ取れるはずである。

>もっとも痛ましい感情、もっとも苦しい想いは、ばかげたものだ ―
まさしく不可能だからこそ不可能なものへの切望、一度も存在しなかった
ものに対する懐かしさ、ありえたかもしれないことに対する願望、
別人でない苦悩、世界の存在に対する不満だ。このような心のなかの
意識のハーフトーンはどれもこれもわれわれのなかに痛ましい光景、
われわれの存在の永遠の落日を描いてみせる。すると、自分自身に
関する感覚は、遠い両岸の間をくっきりと流れていゆく。船の姿も
ない暗い川のほとり、葦の茂みのうら悲しい暮れゆく人気のない野になる。<
『不安の書』(高橋郁彦訳)、p.157


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