22/04/15 14:04:46.54 0.net
ところで、ここでひとつとても奇妙なことに気づく。
それは、上に引用した万葉集 第10巻 1987番において「いとを」に
対応する原文の表記である。私は万葉集ナビの表記をそのまま
貼り付けただけだが「いとを」の原文は「絲S」と表記されている。
無論、「S」というアルファベットは意味をなさない。このサイトの
どこかに注記があるのかもしれないが、なぜ「S」と表記されているのか、
その説明はすぐには見当たらない。そこで、万葉仮名でこの歌の
「絲(いと)S(を)」に対応するものとしてどのような漢字が用いられて
いたのか検索してみると、「絲叨」という表記がヒットする。
つまり、「を」を表すものとして「叨」が使われていたものとされて
いる。ところが、私が便利によく利用されてもらっている万葉仮名一覧
のサイトで「を」の表記を調べても、そのリストに「叨」という漢字は
含まれていない。その一方で、万葉ナビのサイトで「S」をキーワード
にして検索すると、いくつかの歌で「を」に対応する原文箇所が「S」
と表記されているので、確認してはいないが、この「S」は、「叨」
に対応するように当てられているのではないかと推察される。
しかし、本当に不思議に思われるのは、ここからだ。