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>そして、疑いなく青は、その光と闇とがぎりぎりでせめぎあうその境界
の色なのです。それは「生の彼方」を指示する。しかし、同時に、
「生への回帰」をも指示する。極限の空間において、青は人間の徴なのです。<
これを書いたとき、著者は40代の終わりだったという。これが書かれたとき
からもう30年は過ぎただろう。今、著者が「青(あを)」を再訪するとしたら、
同じような思ひを抱くだろうか。ピカソの青のように「境界の色」に自らが
染まっているような感覚であれ、それが「色(いろ)」として具現化するので
あれば、確かに、それは自らが生の「彼方(あなた)」ではなく
「此方(こなた)」にいることの「徴(しるし)」だろう。
しかし、「青は人間の徴なのです」という表現には、私はニーチェが批判する
意味での「ニヒリズム」を感じざるを得ない。