18/06/13 21:26:31.45 0.net
“そもそも大地の吐き出す息を、名付けて風という。
風は吹かなければ何ということもないが、ひとたび吹き起こるや、ありとあらゆる穴が激しく鳴りたてる。
おまえもあの遠くふきよせるヒューヒューという音を聞いたことがあるだろう。
ざわめき揺れる山林で、百抱えもある大木の穴という穴
―鼻のようなもの、臼のようなもの、窪地のようなもの、水たまりのようなもの―
そこから水のいわばしるような音、矢が飛ぶような音、どなりつけるような音、息を吸うような音、
叫ぶような音、泣きわめくような音、くぐもったような音、悲鳴を上げるような音などが噴出して、
前の音がフウッとなれば、後の音はゴオッと応ずる。”
“…そんな音を出させるのはいったい何者なんだろう。 ”
― 荘子 「斉物論篇第二、天の籟(ふえ)」