24/11/30 07:33:20.72 +15VEFQZ.net
ー前略ー
なぜ、このとんでもない誤報が起きたのか。JBpress編集部が入手した共同通信社が加盟各社宛に出した謝罪・経緯説明の文書を
見ていくと、穴だらけの取材過程が浮き彫りになった。
ー中略ー
誤報となった2022年8月15日の配信は、当時の閣僚らが靖国神社を参拝したことを伝える記事。配信を受けた加盟紙は翌16日の朝刊や
電子版で、それぞれ「2閣僚が靖国参拝 首相は私費で玉串料奉納 終戦の日」(東奥日報=青森県)、「高市氏と秋葉氏、靖国参拝
首相は私費で玉串料 中韓反発」(信濃毎日新聞=長野県)といった見出しをつけ、一斉に報道した。
生稲氏に関わる部分は記事の末尾にあり、次のように記されている。
〈(略)自民党では萩生田氏のほか、小泉進次郎元環境相、生稲晃子参院議員ら20人超が参拝。内閣府の和田義明副大臣、
鈴木英敬政務官らも個別に訪れた。超党派の「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」は新型コロナウイルス感染状況を踏まえ、
代表者が参拝する予定だったが、代表者自身が感染したため取りやめた。〉
共同通信のこの配信を掲載したのは30社前後だったとみられる。
・内部文書で説明された取材・編集の経緯とは
ー中略ー
共同通信社が記者1人を靖国神社に配置し、そのうえで普段から「首相動静」取材などで協力関係にある時事通信社、NHKとタッグを
組んだ。生稲議員が参拝したとされる午前10時~同10時半の時間帯は「到着殿」を時事通信社、「参集殿」を共同通信社、「拝殿」前を
NHKという配置になっていた。それぞれの記者は1人ずつ。合計3人ですべての入り口を観察し、重要人物が参拝したり、
突発的な出来事が起きたりしたら速報する体制を整えていた。
共同通信社の文書によると、現場にいた記者はLINEグループを作り、国会議員の出入りを確認するたび、LINEに入力する形だったと
いう。問題となった入力は時事通信社の記者によるものとされ、「1007 稲田朋美 生稲議員入りました」だった。
午前10時7分に稲田氏、生稲氏が到着殿から靖国神社に入ったという意味で、時事通信社の記者は目視だったとみられる。
このLINEの文字をもとにして、共同通信社の記者は「15日午前、靖国参拝を確認できたメンバー」として生稲氏ら参列者の名を
列挙するメモを作成し、政治部内で共有。そのメモをもとに18時48分に「自民・生稲氏ら20人超が靖国神社参拝」と題する「番外」を
配信した。番外とは、当初の出稿予定にはなかった飛び込みの重要ニュース。大きな事件事故の発生やスクープなどを速報する場合に
短い行数で配信する。
そして共同通信社は番外を出した後の20時15分、より詳しい記事を配信し、そのなかで「靖国神社に参拝した国会議員は、
自民党の生稲晃子参議院議員ら20人超だった。共同通信社が取材で確認した」と明記したのである。
おわかりの通り、生稲氏参拝の根拠とされたのは時事通信社記者によるLINEのメッセージ。現場から情報を受け取った政治部の
上席らも含め、誰も生稲氏本人や事務所に確認していなかったようだ。しかも、当時は生稲氏からの照会や抗議がなかったため、
今年11月にこの問題が浮上するまで、共同通信社内では誰もこの誤報に気づいていなかったという。
ー中略ー
高橋編集局長は文書の最後で関係者へのおわびを記し、「メディア不信を増幅させるような重大な事案だと深刻に受け止め」ている
と強調している。しかし、メディアの信頼はすでに低空飛行を続けているうえ、外交問題まで引き起こした以上、その回復は容易では
ない。
共同通信社はJBpressの取材に対し、「弊社ホームページで説明しております通りです」と回答した。
2024.11.29(金)
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