24/11/29 08:47:13.27 ++tEoAkk.net
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↑『ロッテケミカル』が特約違反を発生させてしまった―と公表した前営業日から株価は急落を始めました(チャートは『Investing.com』より引用:以下同)。
何が起こったのか―をご紹介します。
2024年11月11日、韓国『ロッテグループ』傘下の『ロッテケミカル』が以下のプレスリリースを出しました。
面倒くさい人は飛ばしていただいても大丈夫です。次の小見出しまで移動してください。
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(略)
何かやばそうなことが起こったんだな―という感じはこの同社のプレスリリースからも伝わるでしょう。
(略)
簡単にいうと、社債発行で得た資金の利払いを確実に行えるよう、『ロッテケミカル』は利払い費用の5倍の利益(利払い前・税引き前・減価償却前利益)を出す―と約束したのです。
社債を購入する投資家も「まあ、それなら……」と購入するわけです。
面倒くさい言葉を使うと「Interest Coverage Ratio:インスタントカバレッジ率:利息負担倍率」を条件に発行され、引き受けられた社債だったのです。
(略)
ところが、この約束を―『ロッテケミカル』が守れませんでした。
これを面倒くさい言葉で「財務特約違反(Covenant Breach:コベナント・ブリーチ)」と言います。
―で、どうなるかというと―自身のプレスリリースに書いてあるとおり、「期限利益喪失(デフォルト)を引き起こす可能性がある」―というわけです。
これまた面倒くさく、分かりにくい言葉で―、
「期限利益(期限の利益)」というのは、契約で決められたとおりに一定期間後に返済を行える権利のことです。
一般に借金をすると、「返済するのは義務」だとばかり考えがちですが、それだけではありません。例えば「1年後に返済する」という契約でお金を借りたとすると、1年間は返済しなくていい―つまりは「1年後に返済を行える権利」を有したことでもあります。
借りたお金を投資するなどして「1年後返済するまでに」増やす可能性をゲットしたわけで、これまた立派な権利になるわけです。
例えば、社債であれば「満期まで分割返済せず、最後に一括返済する」という権利が期限利益です。
今回コベナント・ブリーチが発生したことで、この(『ロッテケミカル』にとっての)期限利益が喪失するかもしれない―と述べています。
つまり何が起こるかというと、社債を購入した投資家が、償還の満期を待たず大挙「さあ元金を返せ、今すぐ払え!」と押し寄せてくるかもしれない―ことを意味します。
「特約違反しちゃった、テヘペロ」では済まないことがご理解いただけるでしょう。
そのため、上掲の『ロッテケミカル』のプレスリリースには、10月時点で活用可能な保有預金2兆ウォンがあり、これを含む合計4兆ウォン相当の資産があるので流動性は十分だ―などと述べているのです。
要は「投資家が金返せと押し寄せようとも、飛んだりしません」と言っています。
加えて―。
「ロッテタワーを担保に入れてやらぁ」という話
2022年11月27日、傘下の『ロッテケミカル』の特約違反に関して、『ロッテグループ』は金融機関に対し「ロッテタワー」を担保として提供し、信用補強する―旨を公表しました。
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「ロッテタワー」(Lotte World Tower)は同グループを象徴する建物であるばかりか、韓国を代表するランドマーク。ソウル特別市松坡区に位置し、高さ555メートル、地上123階建ての韓国で最も高い超高層ビルです。
韓国メディアでは「『ロッテグループ』がロッテワールドタワーを担保に銀行圏の保証を受け―、
『ロッテケミカル』の信用と安定性を強化することにした。代わりに社債の債権者らと社債管理契約条項内の財務特約をなくす方案を協議、推進することにした」
―と報じています。
グループ全体で保証しようというわけですが、すでにこの情報は公表されたもので、『ロッテケミカル』の信用は毀損されています。
どの程度かは市場が判断しますが、1976年に設立された『ロッテケミカル』は韓国を代表する化学会社。今回の特約違反は、あまり体裁のいいものでないことは確かです。
(吉田ハンチング@dcp)
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