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香港の裁判所は19日、立法会(議会)選の候補者を調整する目的で2020年7月に実施された民主派の予備選に絡み、
香港国家安全維持法(国安法)の国家政権転覆共謀罪(最高刑・終身刑)で起訴され、
有罪判決を受けた民主派14人と罪を認めていた同31人の全員に、禁錮4年2月~10年の実刑を言い渡した。
中国の習近平政権が20年6月に導入した国安法の違反事件のうち最大規模の裁判で、香港内外の関心を集めていた。
・法廷で争った者に厳しい判決
予備選を企画・組織・運営し、検察当局に「首謀者」と糾弾されていた元香港大准教授の戴耀廷氏(60)には禁錮10年の重刑が
言い渡された。戴氏とともに予備選の組織・運営に当たった元立法会議員、区諾軒氏(37)は禁錮6年9月。
区氏は東京大の博士課程在学中に逮捕・起訴された。戴・区両氏は刑の減軽などのため罪を認め、起訴事実について争わなかった。
予備選に出馬した民主活動家のうち、14年の香港民主化運動「雨傘運動」のリーダー、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏(28)も
罪を認めたことで刑が減軽され、禁錮4年8月だった。
一方、罪を認めず法廷で争った民主活動家には厳しい判決が下された。
元女性記者で情状酌量を求めなかった何桂藍氏(34)に禁錮7年、元女性看護師の余慧明氏(37)には禁錮6年9月が言い渡された。
・国際人権団体から反発の声
香港当局は21年2月、立法会選で過半数の議席を獲得して予算案を否決し、政府トップの行政長官を辞職に追い込む政権転覆を共謀したと
して民主派47人を起訴。裁判所は今年5月、罪を認めなかった16人のうち14人に有罪、2人に無罪判決を下していた。
民主派の目標は、議会闘争を通じて普通選挙を実現させることだった。
民主派は立法会選の候補者を絞り込むため、20年7月に予備選を実施し、約61万人が投票した。
民主国家では正当な政治活動が有罪と認定されたことに対し、国際人権団体などから反発の声が上がっていた。
中国外務省の林剣報道官は19日の記者会見で、量刑言い渡しに関し、
「香港は法治社会であり、いかなる者も民主という看板を掲げて違法活動に従事し、法的制裁を免れようと企てることはできない」
と述べ、正当化した。(藤本欣也)
2024/11/19 21:24
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