24/11/17 09:39:37.72 MrO1QfWp.net
日本と外国の双方にルーツを持つ人たちが、日々の暮らしの中で「悪意のない差別」に苦しめられている。
立命館大の下地ローレンス吉孝客員研究員らのチームによるアンケート調査から浮かび上がった。回答した448人のうち98%が「マイクロアグレッション」を経験していた。
人種、ジェンダー、性的指向などについて向けられる否定的な言動を指す。あからさまな差別でなくても、相手の尊厳を傷つけることがある。
父か母が外国籍の子どもは日本に約84万人いるとの推計がある。ただ、親が日本国籍を取得した場合などは含まれていないため、外国にもルーツを持つ人の実数はさらに多いとみられる。
調査では、マイクロアグレッションとして、電車などで隣に座るのを避けられたり、レストランなどで店員に横柄な態度を取られたりした事例が報告された。銀行などで、日本国籍だと説明しても、繰り返し在留カードの提示を求められた人もいた。
「採用面接に行ったら『外人は雇わないから、帰れ』と言われた」「賃貸住宅の契約を外国名というだけで断られた」など明白な差別を受けたケースもあった。
当事者の心の傷は深い。過去1カ月以内に重い精神的不調を感じたことのある人の割合は47・18%で、厚生労働省の全国調査の5倍超だった。自傷行為や自殺未遂に及んだ人も多かったという。
こうしたマイクロアグレッションの根底には、外見で人を判断するルッキズムと、外国人への根強い差別意識がある。偏見に気付かないまま、誰かを傷つけてしまうことも多い。
防ぐために何ができるのか。専門家によると、その場に居合わせてマイクロアグレッションに気付いた第三者が指摘することが大切だという。自分が指摘を受けた時には、心ない言動を謝罪し、相手の気持ちに配慮することを心がけたい。
誰にも何らかの思い込みや偏見があると認識することが重要だ。苦しむ人たちの声に耳を傾け、自らの振る舞いを省みる。それが、多様性を尊重する社会を実現する一歩になるはずだ。
URLリンク(mainichi.jp)