24/11/13 13:04:57.15 diVJbUb2.net
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ヘイトスピーチの被害を訴えている川崎市在住の在日コリアン3世、崔江以子さんをインターネット上の書き込みで侮辱したとして、
神奈川県警は9月17日、容疑者を書類送検した。崔さんの代理人弁護団によると容疑者は未成年という。
マイノリティに対するネットリンチが歯止めを欠いたまま、拡大を続けている。
差別を禁じ、オンラインを含むヘイトスピーチを規制する法整備を急ぎ、命を脅かすヘイトクライムを防がなければならない。
弁護団によると、2月21日、ネット掲示板に崔さんを名指しした「死ね」「下等種族」「社会の敵」といった206もの差別・侮蔑語の
羅列が投稿された。崔さんに対する無数のヘイトスピーチのうち、とりわけ悪辣なヘイトクライムだとして3月22日、氏名不詳のまま
刑事告訴していた。
書類送検を受け、弁護団が発表した崔さんの談話が切実に響く。
「更生に向けて、審判を通じて差別の被害についてしっかり学び考えることを望みます。また、このように青少年がインターネット上で
差別を動機とする犯罪、ヘイトクライムの加害者になる環境が改善されるためにも、インターネット上の差別を禁止する法整備を
心から願います」
崔さんはいつ誰に襲撃されるとも知れず、防刃ベストとアームカバーを装着しなければ外出もままならない日常を強いられている。
2016年3月、在日コリアンが集住する川崎区桜本を襲ったヘイトデモの被害を国会で証言したことがきっかけだった。
「差別をなくしてほしい」と口にしただけで「嫌なら出て行け」というヘイトスピーチがネット上にあふれかえった。
差別の告発者を目の敵にして、よってたかって黙らせようという底なしの卑劣さである。
訴えはヘイトスピーチ解消法の成立として実を結んだが、禁止罰則規定のない理念法では確信的な差別者たちの抑止にはなり得なかった。
・自治体による対応の限界
公の場でのヘイトスピーチに刑事罰を科す先進的な川崎市条例も、市外からも書き込めるネットヘイトは規制の対象外。
リンチ状態は8年半にわたり、ストレスから左耳の聴力を失い、不眠にも悩まされる。職場にゴキブリの死骸や爆破予告が届き、
21年3月には「コロナ入り」と記す菓子の空き袋と「死ね死ね死ね…殺ろ」と書き連ねた脅迫文が送りつけられた。
刑事告訴は四度目だった。匿名のブログ主を民事で訴え、23年10月に「『祖国に帰れ』は差別で違法」という判決も勝ち取った。
それでも被害を訴える姿が報道されるたびに「帰れ」という迫害が押し寄せた。
「死なないため、殺されないため、インターネットの環境が改善されるよう、被害を届ける役目をまた引き受けざるを得ない」。
崔さんは告訴を報告した3月の会見で、終わりの見えない苦しみをそう語った。
差別は人を殺す。朝鮮人だという理由だけで死ねと命じられ、生を否定される存在だとさらされる。それだけでも耐え難いが、
京都・ウトロの在日コリアン集住地区では21年8月、ネット上のヘイトスピーチに影響された当時22歳の男が放火事件まで起こしている。
この国のマジョリティはこのまま人命が失われるまで無策を決め込み、救いを求めるマイノリティを見殺しにするのだろうか。
書類送検を報じる記事が配信されるや、またぞろ「言われたくなければ国へ帰れ」という攻撃が始まった。
川崎市は「ヘイトスピーチの被害を受けた人にさらに攻撃を加えるのは弱い者いじめに他ならず、ネット上であっても決して許されない」
というガバメントスピーチで強いメッセージを発信したが、削除要請以上の手だてがない自治体の限界を映し出してもいる。
救済を求める被害者がさらに痛めつけられる倒錯を絶つためにも、包括的な差別禁止法とヘイト規制法の制定、裁判によらずに救済を
図る国内人権機関の設置は国の責務であり、差別をする側の問題としてマジョリティこそが求めていかねばならない。
石橋学・『神奈川新聞』記者
11/13(水) 9:10配信
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