24/11/11 07:48:15.01 oBGDmbCS.net
スポーツで「クラッチ(clutch)」とは、勝敗を左右する重要な瞬間を意味する。
バスケットボールの試合終了とともに放たれる逆転のブザービーター、アイスホッケーのサドンデスでのゴールデンゴール、サッカーの後半ロスタイムに決まる決勝ゴール、野球のサヨナラヒットなどがクラッチに該当する。
「クラッチ状況で特に強いクラッチヒッターは本当に存在するのか」という疑問は、野球で長年の議論の種となってきた。統計野球の父とされるビル・ジェームズはクラッチヒッターの存在を否定したが、デビッド・オルティス(ボストン)が登場すると「もしかするといるかもしれない」と自身の主張を曲げた。
このようにジェームズの信念を揺るがせたオルティスは、4年の間に15本のサヨナラヒットを放った。しかし、引退時のクラッチ成績は全体の成績と差がなかった。クラッチ成績は一時的に急上昇することがあるが、結局は全体の成績に収束するというジェームズの主張が正しかったのだ。
■小さく希少なパーツ
クラッチヒッターは存在しないかもしれない。しかし、重要な場面でより良い活躍をする選手はたしかに存在する。
野球統計サイトの「ファングラフス」は、より重要な状況でチームの勝率をどれだけ高めたかを示す「クラッチ」という指標を作ったが、2019年以降、この指標で1位を記録しているのは、メジャーリーグのスター競争でトップを争う大谷翔平でもアーロン・ジャッジでもなく、韓国系の選手であるトミー・ヒョンス・エドマンである。
2023年のWBCを通じて韓国国内でも名が広まったエドマンは、韓国で生まれて5歳でアメリカへ移住した母親クァク・ギョンア氏と、大学で野球をしていた父親ジョン・エドマンの間に、1995年に生まれた。医師の家系で育ち、医師を目指していた母クァク氏は、大学2部リーグの選手であった父と出会い、恋に落ちた。大学で数理経済学を専攻した父は高校の数学教師であり野球コーチにもなり、2人の息子に野球を教えた。
特に優秀だったエドマンはスタンフォード大学に進学し、その名を聞くだけでも頭が痛くなるような数理計算科学(Mathematical Computational Science)を専攻。メジャーリーグに進む前に取得した成績は、スタンフォード出身のスポーツ選手の中で最高だった。
エドマンは小柄(178cm、87kg)でパワーが足りないため、レギュラーになるのは難しいという周囲の評価を覆し、セントルイス・カージナルスのレギュラー二塁手になった。派手なオールスター選手ではなかったが、チームのどんな要望にも応えられる頼もしい選手だった。内野手であるエドマンが外野の守備も軽々とこなすと、オリバー・マーモル監督は彼に「万能ナイフ(Swiss Army Knife)」というニックネームをつけた。
今シーズンはエドマンにとってデビュー以降、最大の危機だった。2023年10月に手術した右手首の回復が遅れ、3月の開幕に間に合わず、前半戦を逃した。カージナルスはエドマンをトレード市場に出したが、エドマンはリハビリの試合で足首の怪我まで負った。
それでもエドマンの人気は衰えなかった。ワールドシリーズ制覇を狙うチームには、高価なパーツよりも小さく希少なパーツが必要なことが多く、エドマンがそのような存在だったからだ。
ニューヨーク・ヤンキースはエドマンの獲得に最も積極的なチームの一つだった。それでもエドマンを獲得したのは、ヤンキースではなくロサンゼルス・ドジャースだった。今年のワールドシリーズでエドマンを獲得したドジャースが、エドマンを逃したヤンキースを破り優勝を果たしたのは運命的だった。
ヤンキースがエドマンと交換しようとしたネスター・コルテスは、ワールドシリーズ第1戦でフレディ・フリーマンにシリーズ史上初のサヨナラ満塁ホームランを浴びた。
■シリーズMVPに輝く
(略)
エドマンは来季終了後にFAとなる。ドジャースはショートの補強だけでなく、新しいユーティリティプレーヤーも必要とされる。エドマンが来季もその実力を発揮するならば、母方の家族がいるロサンゼルスで熱い支持を受けて活躍することができるだろう。そしてドジャース王朝は、小さくも堅固なエドマンという礎の上に築かれることになるだろう。
さらに16カ月後の2026年3月にはエドマンが再び韓国代表としてWBCに出場し、キム・ハソンとともに世界最高のキーストーンコンビプレーを披露する姿を期待できるようになった。
サーチコリア 2024年11月11日
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