24/11/06 13:38:12.36 HvnGjyYA.net
・ハロウィン「仮装禁止令」の衝撃
中国で内需の不振が色濃くなっている。これを象徴するのは金消費の低迷だ。
中国黄金協会は10月28日「1~9月の金消費量は前年比11.2%減の約741トンだった」と発表した。金価格が高騰しているせいもあるが、
不動産不況で懐事情が悪化している要因の方が大きいだろう。
中国では金は「いざというときの備え」として重宝されてきたが、「ない袖は振れない」ということなのだろう。
さらに、不穏な中国の情勢を映し出したのは、ハロウィンの「仮装禁止」の措置だった。
10月31日、世界各地がハロウィンのイベントに沸いたが、中国では全国に「仮装禁止令」が施行され、若者たちに衝撃が走った。
日本では東京・渋谷区などで厳戒態勢が敷かれたが、中国は政府批判の仮装を警戒したと見られている。
とりわけ、2022年11月の「白紙革命(ゼロコロナ政策を批判する一連の抗議活動)」の再来を回避することが目的だったと言われている。
ただでさえ不満が溜まりやすくなっている状況下で、楽しみを奪われ若者たちは気の毒だ。
中国・習近平国家主席は、国内経済のきびしい状況とそれに伴い鬱積する不満をしり目に、
効果的な経済対策を避けているようにしか見えない。
・宇宙開発の影で「国内経済」は悪化の一途
中国政府は10月30日、「有人宇宙船『神舟19号』の打ち上げに成功した」と発表した。
搭乗する3人の飛行士を独自に建設した宇宙ステーション「天宮」に送り込み、さまざまな科学的実験を行う予定だ。
中国は2030年までに月面着陸を実現し、2035年までに月面基地を完成するという野心的な計画を掲げている。
中国政府は相変わらず科学技術の進歩をテコに国威発揚を図る戦略をとっている感が強いが、肝心の経済は悪化の一途を辿っている。
中国政府が10月27日に発表した9月の工業部門企業利益は前年比27.1%減と8月(17.8%減)からマイナス幅が拡大した。
月間ベースで今年最大の落ち込みだ。1~9月ベースも前年比3.5%減となっている。
需要不足によるデフレ圧力が企業経営を圧迫する構図が浮き彫りとなっている。
特に深刻なのは鉄鋼業界だ。
中国鉄鋼工業協会によれば、1~9月の利益総額は前年比56.4%減だった。
不動産市場が低迷する中、値引きなどの競争が広がったことが災いしている。
「2020年に約10.5億トンだった鉄鋼需要は今年9億トンを下回る」との予測が出ている。
「頼みの綱」の自動車産業も息切れし始めている。
自動車汽車工業協会によれば、1~9月の国内自動車販売台数は前年比2.4%減の約1726万台だった。
電気自動車(EV)などの新エネルギー車は前年比35.6%増の約739万台と好調だったが、「新エネルギー車は買うは易し、直すは難し」
との悪評が広まりつつある(10月30日付RecordChina)。街中にある一般的な修理工場のほとんどが新エネルギー車に対応できないため、
修理に時間がかかり、コストもガソリン車よりも大幅に高くなっているからだ。
スタートアップ企業が激減…!
そこに、金消費の低迷のように内需の停滞が色濃く影響し始めている。
英金融大手バークレーズは「不動産バブル崩壊後、中国で約18兆ドル(約2700兆円)の資産で消失した」と分析している。
10月31日に中国富豪ランキングが発表されたが、ビリオネア(億万長者)の数は3年前に比べて3分の2に減少している。
この状況とともに、エリートの間でも閉塞感が広がっている。なんとスタートアップ企業が6年前の50分の1の水準まで減っているのだ。
ー後略ー
藤 和彦(経済産業研究所コンサルティングフェロー)
11/6(水) 7:04配信
URLリンク(news.yahoo.co.jp)
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