24/11/06 08:24:41.53 jLCuZnoF.net
中国の大学が学生の就職率を水増しして公表するケースが後を絶たない。景気低迷で未曽有の就職難が長引く中、大学の志願者や予算を安定的に確保するための苦肉の策だ。政府はデータの信頼性が損なわれることを危惧、虚偽報告は「容赦しない」と警告するなど対応に追われている。
「2023年の就職率は公称100%。だが実際は26%だった」。浙江省の大学教員が明かした。卒業生の半数が今も就職しておらず「露骨な改竄(かいざん)だ」と眉をひそめる。他の大学が公表する就職率も80~90%台が大半。中国では進学も「就職率」に含む場合もあるが、数字上は就職難が存在しないかのようだ。
今年の大学などの卒業者数は1170万人を超えたが、雇用の受け皿は乏しい。中国の就職情報サイトがアンケートで新卒者の動向を調べたところ、企業などに就職した人は55%程度だった。
政府は就職率が2年連続で60%を下回った学部は学生募集停止も視野に入れるよう求めている。中国メディアは、こうした規定が就職率水増しの背景になっていると指摘。また大学教員は「大学幹部は業績や昇進に響かないよう正確なデータを出さない」と証言した。
中国教育省は昨年、全国の大学などに向け、学生に虚偽の雇用契約書を作らせたり、実習の書類を雇用証明書として扱ったりすることを禁じる通知を公表。「就業データの正確さを厳守する」と強調し、不正行為を取り締まる姿勢を示した。
ただ就職難の深刻化は習近平指導部の経済運営も影響している。中国では不動産、IT、教育の三大業界が雇用の牽引(けんいん)役となってきたが、政府は近年、競争の過熱を抑えるとして、これらの分野で規制を強化。関連企業の倒産が相次ぎ、一定数の若者が行き場を失ったとみられる。
中国経済の専門家は、産業構造の性急な転換により「国や企業が求める人材と若者が望む職業のミスマッチ」が深まり、就職問題が複雑化していると指摘した。 (共同)
◆中国の若者の失業 中国の都市部の16~24歳の失業率は2023年6月に21・3%を記録。政府は求職中の学生を失業から除外する算出方法に変更し、同12月は14・9%となった。今年7月に17・1%、8月は18・8%まで悪化。農村に帰郷した未就職の新卒者も一定数存在するとみられるが、農村部の失業率のデータは公表されていない。
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