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ITTFアジア卓球選手権に続き、WTTチャンピオンズ・モンペリエでも中国勢が「惨敗」したことについて、中国で危機感が漂っている。
今月初めに行われたアジア選手権で中国は男子団体と混合ダブルスこそ金メダルを獲得したものの、女子団体は決勝で日本に敗れて銀メダル、男子シングルスも張本智和に敗れた林詩棟(リン・シードン)が銀メダルに終わった。女子ダブルスは銅メダル、男子ダブルスに至ってはメダルすら逃した。
22日から始まったWTTチャンピオンズ・モンペリエでも中国の「惨敗」が顕著だった。女子シングルスは世界ランクトップ3の孫穎莎(スン・インシャー)、王曼昱(ワン・マンユー)、陳夢(チェン・モン)が負傷などでそろって欠場したものの、同4位の王芸迪(ワン・イーディー)、同6位の陳幸同(チェン・シントン)らそれに次ぐ実力を持つ選手ら4人が出場した。しかし、ベスト8に残ったのは同22位の銭天一(チエン・ティエンイー)一人。その銭天一も準決勝で張本美和に敗れた。決勝は大藤沙月と張本の日本人対決の末、大藤が優勝した。
男子シングルスは世界ランク1位の王楚欽(ワン・チューチン)、同3位の樊振東(ファン・ジェンドン)が欠場。同2位の林詩棟(リン・シードン)は準決勝でフランスのフェリックス・ルブランに敗れた。同4位の梁靖崑(リアン・ジンクン)は準々決勝でドイツのベネディクト・ドゥダにストレート負け、同9位の林高遠(リン・ガオユエン)はまさかの初戦敗退だった。
この結果を受け、中国のポータルサイト・騰訊網には「2大会連続の惨敗」の背景について分析する記事が掲載された。同記事は、女子の大藤と張本、男子のルブランについて「彼らが4年後のロサンゼルス五輪で戦う中国チームの相手はモンペリエで戦った選手らではない」と中国主力選手の欠場に言及しつつ、「海外の若い選手たちが絶えず成長している一方で、中国の主力選手らは絶えず高齢化が進んでいる。主力の固定化と、流動性および戦略性の不足こそが問題の根源だ」と指摘した。
そして、中国の中堅選手として、男子の梁靖崑と林高遠、女子の陳幸同、王芸迪の名を挙げ、「彼らはパリ五輪の準備の中で(実力的に)重用できないことが何度も証明されてきたが、それでも今の国際大会において中国代表の中心メンバーであり続けている。中国のトップ選手らが欠場したモンペリエでの成績こそが、彼らの真の実力を示している」と言及。常にトップであり続けるには新世代の台頭が不可欠であるものの、中国は絶対的な主力を重用し続け、新人の台頭が抑制されてきたとした。
その例として、「2008年の北京五輪では引退間近の王楠(ワン・ナン)を強引にチームにとどめた。16年のリオデジャネイロ五輪では李暁霞(リー・シアオシア)を丁寧(ディン・ニン)のサポートとして出場させたことで劉詩雯(リウ・シーウェン)はピーク時に五輪シングルスに出場できなくなった。丁寧や劉詩雯も五輪後に長く現役を続けたが、(男子の)馬龍(マー・ロン)もベテランになっても引退していない」と説明した。
同記事は、「起業(事業を起こすこと)と守業(事業を守ること)は常に矛盾する」とし、「陳夢や馬龍らが戦い続けることは彼ら個人のキャリアにとって栄誉となることは間違いない。しかし、中国卓球界全体というマクロの視点から見れば、五輪サイクル(4年)ごとに絶えず新しい力を生み出し、表彰台の一番高いところに立つことこそが最大の成功だ。そうでなければ、中心選手は年老いて動けなくなり、中堅選手たちは使えず、若手選手は芽が出ないということになりかねない」と指摘。「今回の五輪サイクルはかろうじて輝きを放てるとしても、次の五輪サイクルはさらに厳しい日々になるだろう」と論じた。(翻訳・編集/北田)
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