24/05/28 12:24:55.48 VF2ENHj3.net
ー前略ー
今回この件を取り上げたのは、二つのことを言いたかったからだ。
一つは、日本のマスコミが、世界では強い関心を集めているサウジの人権問題に全く関心を持たない、というより、
問題に気づくことさえできず、従って報道もしないということだ。
5月14日配信の本コラム(日本が今でも「報道の自由度」70位に低迷する理由 安倍政治で“変えられてしまった”記者たちの末路)
で指摘した日本の記者の質の劣化・変質をものの見事に示したと言っても良いだろう。
もう一つは、サウジと中国の比較だ。
日本人の多くは、中国では、人権侵害がひどく、報道の自由もないと思っている。
一方、サウジについては、砂漠の大産油国ということ以外あまり知らないだろう。
報道の自由や人権の状況がどんなものかということは、日本政府がスルーし、マスコミも報じないので、知る術がないのだ。
■報道の自由度が低いサウジと中国
そこで、二つの代表的な指標を使って、サウジの状況を中国と比較してみよう。
まず、前述の本コラムでも紹介した国境なき記者団による報道の自由度ランキング(24年)だが、中国は172位だ。
日本が70位だから相当低いと言って良いだろう。
では、サウジはどうかといえば、166位で中国とほぼ並んでいる。
中国に報道の自由がないと言うのであれば、サウジにもないと言うべきだろう。
ー中略ー
そこで疑問が湧いてくる。
中国に対しては、米国は深刻な人権問題があるとか報道の弾圧があるなどと酷評し、制裁まで加えている。
それとともに、中国は危ない国だという風評を世界に広げ、世界の国々に中国と付き合わないようにと促しているのだ。
一方、人権重視の外交を展開し、中国を激しく批判する米国は、国家情報長官室がサウジの皇太子が殺人を承認したと
断定しているにもかかわらず、また、EU諸国や世界の人権団体が強く問題を指摘しているにもかかわらず、サウジとの間で、
積極的に貿易や経済協力を展開している。いかにも矛盾した態度ではないか。
そして、日本政府は米国隷従なので、中国は非民主的で価値観が違うとことさらに宣伝してほとんど対話のチャネルを閉じたまま、
その一方で、サウジに一言の苦言を呈することもなくニコニコと笑顔を振りまきながら、関係を強化しようとしている。
■中国への異常なまでの嫌悪感
サウジだけではない。例えば、ミャンマーは、前述の自由度ランキングでサウジと同じ183位、
報道の自由度ランキングでも171位で中国とほぼ同じ。このミャンマーに対しては、米国やEUも制裁を課しているが、
日本政府は何もしていない。
私は、中国を擁護したいのではない。
もし、中国を批判し、中国との貿易関係などに制限を加えるなら、
サウジやミャンマーにも同じような対応を行うべきではないのかということを言いたいのだ。
ー中略ー
■マスコミと政府の洗脳工作
だから、筆者は、大使の発言に違和感を持たなかったのである。
一部の発言だけを切り取り、いかにも中国が日本に対して攻撃的な姿勢で脅迫しているかのような報道を行い、
それを利用して国民の嫌中感情を煽る。
マスコミと政府が一体となった洗脳工作と言っても良いくらいだ。
なんと愚かなことか。
そして、なんと危険なことか。
私たち国民は、どんなに煽られても、冷静さを保たなければならない。
さもなくば、本当に無用な戦争に巻き込まれることになってしまうだろう。
そのことを肝に銘じておきたい。
古賀茂明
全文はソースから
5/28(火) 6:32配信
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