18/05/30 19:21:48.37 931FLonk.net
ちょっとだけ日本ミステリの変遷の続き。
新本格推理が台頭してきた当初は、まだまだ社会派推理小説が勢いを保っていた。というか社会派じゃないといけないというような空気まであったのだが。
ここで巻き起こったのが一読者からして見ればあまりにも馬鹿らしい、社会派信奉者による新本格への『叩き』だった。
いわく「人間が書けていない」だの「トリックを読みたいなら古典を読めばいいのだ」だの、俺からしてみればなんでそうなるのっていう叩き方。
しかも読者の声と言うよりもむしろ、評論家や専門家からそういう声が上がってくる。新本格だから叩くという意見があまりにも多かったように思える。
対して新本格の書き手はその叩きにどう対応したかというと、ほぼスルー。綾辻行人は短く「自分は自分が面白いと思ったものを書くしかない」と述べた。
この大人の態度、というよりはむしろ真摯な姿勢から新本格推理小説の作家は次々と作品を世に送りだし、それは推理小説界に定着していくことになる。