18/01/02 16:48:38.46 MLx5TuTQ.net
日本の良き旧習に関する基礎知識がないカキコが多いので、参考までに。
URLリンク(dic.pixiv.net)夜這い
夜這い よばい 夜間に男が女の寝所に忍んで行くこと。
「よばい」は上代から見られる語で、 本来、男性が女性の許に通い求婚の呼びか
けをすることを意味した。
元々は【呼ばう】が訛ったもので、平安時代の『妻訪い婚』において、夜中に相手
のもとを訪ねて求婚する段階を指した。今でいえば、「プロポーズ目的の深夜の
家デート」と言った感じか。もちろん、この段階まで来ると性交渉もあった。 つま
り最初は夜中に忍び込むのではなく、堂々とデートすることを指していた。
これが時代が下り、「呼ばう→夜這う」と書き換えられ、求婚目的のデートから
性交渉そのものを指すようになり、その形式も夜中に訪ねていくのではなく、完
全に忍んで相手の寝所に潜り込むことを指すようになった。
以後、集落などの共同体では徐々に常習化していき、一種の“性教育”や“成
人の儀式”として主に地方で広まっていくこととなった。この辺りに、西洋文化の
流入までにあった日本人の性に対する奔放な考え方が強く出ているといえる。
よく勘違いされるが、本来、夜這いは両者の合意の下でおこなわれるもので、
強姦は基本的に無効とする向きがある(無論、地方によりけりだが)。よって夜
這いの際には、男女間で夜這いの約束と、その可否の合図を取り決めておく
こともあったという。
嫁入り婚が支配的になるにつれて、よばいは不道徳なものと考えられるよう
になり、かなり早くから「夜」のイメージも定着していたため「夜這い」の字が当
てられた。 高度成長期直前まで風習として残っていた地域もあったが、それ
もなくなり、元来の意味は忘れられ、男が女の寝床に忍び込む意味として用
いられるようになった。
歌垣 うたがき 日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
記紀万葉の時代に、山、磯(いそ)、市(いち)などに男女が集まって、豊穣
(ほうじょう)を祈り、共感呪術(じゅじゅつ)である性の交わり(植物も繁殖に人
間と同行為をするという観念から、生産=生殖の信仰)を行った行事。
嬥歌(かがい) に同じ。飲食歌舞を伴うこともあり、求婚の場でもあった。
農耕予祝儀礼として民俗行事のなかに遊楽化され、今日に伝承されている。
(中略)
今日の民俗では、山遊び、野遊び、磯遊び、ハナミ、ヤマミ、ママゴトなどの呼
称をもって春に行われているものが多いが、露骨な性のそれは上代の伝承ほ
ど表には出ていない。未婚男女の婚姻の契機とする地方もある。今日の花見、
潮干狩も山磯遊びである春の歌垣的機会の変質してきたものである。
[渡邊昭五] 『渡邊昭五著『歌垣の研究』 (1981・三弥井書店)』