17/10/20 07:36:12.00 CAP_USER.net
(>>1の続き)
日本の人口減は年間30万人。昨年の移民数は15万人
日本全体に目を転じれば、先行きの明るくない日本経済、閉鎖的な日本社会では、海外から優秀な移民に来てもらおうにも来ないんじゃないか、労働搾取と悪名高き外国人技能実習制度を人手不足に悩むコンビニ業界にも使えるようにしようとか、
地方経済の担い手はその地域の最低水準の時給で雇う外国人に依存して久しいとか、世界に比べて豊かであった日本が徐々に海外各国の発展とともに追いつかれ、追い越されて悲惨な話ばかりが喧伝されるようになりました。
しかしながら、実際に日本の移民にかかわる状況を見返してみると、いま日本に住んでいる外国人の数は実に230万人に上り、2016年は新たに15万人が日本にやってきています。いまの日本の人口は毎年自然減が30万人であって、その半分は移民によって埋まっているというのが現実です。
もはや、我が国は日本人という謎の単一民族による純血国家だという妄想が成立せず、本来の中国・韓国からの渡来人や台湾やロシア方面からの流入によって四万年前から民族ごたまぜの日本なのだ、日本の土壌からにょきにょき純血日本人が生えてきたわけではないのだというところから考え直さなければならないと言えます。
それは、日本人が日本語を話し、日本の法律を守って生きていくところに外国人がやってきて秩序が乱れて困ったね、といういまのフェーズから、いろんな国からやってきたいろんな文化や背景を持った人たちが暮らしていけるような決め事をどう用意していくのか、考えなければならなくなったということです。
一口にパラダイムシフトが起きたからみんな準備しろという話ではなく、移民が大量に住み着いている地域はまず外国人の失業を食い止める地域政策を打たなければなりませんし、移民とは言え日本で暮らすからには将来日本人になることを前提に生涯教育ができるような仕組みも構築していかなければなりません。
外国人にも行政に関与してもらう制度設計に
なし崩し的に労働力が足りないから、人口が大幅に減少しているから移民を入れましょうという話ではなく、日本社会に混乱なく受け入れられる移民の数は年間どのくらいで、そのうち何割が日本に帰化して永住してくれて、今後何世代にも渡ってこの国でやっていけるようになるのかを考えなければならなくなったということです。
いままでは、外国人が来て地域で問題を起こしたからトラブルを解決しろという流れだったのが、もっと外国人にも日本の行政に関与してもらったり、解決の道筋への努力を彼らにも負担してもらえるような制度設計にしなければならなくなったのです。
ただでさえ、日本は外国人参政権をどうするのかですったもんだしている状態です。いろんな意見はあるでしょう。
でも、例えば犯罪捜査ひとつとっても、外国人が起こした犯罪に対していちいち日本人が一からその国の言語や文化、風習を勉強して理解した警官を捜査の前線に投入しようというよりは、その国の人たちを警察官として雇い、彼らの常識も日本の立場も理解できるような人材を育成したほうが合理的です。
とかく日本では「高度人材『のみ』受け入れる」というような議論になりがちですが、実際には夫婦が来る、子供の教育がある、家族がやって来る、みな違う個性で異なる背景の持ち主がついてやってきます。
高度人材が単身手ぶらで大学教授に収まるなんてことはあり得ない以上、そういう高度人材が「日本で暮らしたい」「我が子を日本で教育したい」と思えるような環境にしないと無理であろうと思うのです。
「忘れられた公共」を見つめ直すことを余儀なくされる
逆に、弱い立場におかれた外国人は容易に失業するし、外国人同士、肩を寄せ合って暮らしていくのが自衛の手段だと考えるでしょう。そうなると、先にも述べたとおり、そういう外国人に日本国内での生活の糧がないならば犯罪も増えるかもしれませんし、失業保険や生活保護も多発することになります。
いまの日本は、そういう問題を見ないふりすることで、誰かがそれを受け入れ、しわ寄せを押し付けて、問題がなかったことにしているようにも見受けられます。
(続く)