17/10/04 02:55:57.60 CAP_USER.net
(>>1の続き)
それにしても、韓国保守の再配備へのこだわりようは異様です。
鈴置:情緒的な理由も大きいと思います。理屈では米国のICBM(大陸間弾道弾)に守られている。しかし、目と鼻の先の北朝鮮が核兵器を持った以上、身近に核を置いた方がより安心できるのです。
隣の家に強盗が住んでいる。いざとなれば交番から警察官が駆けつけてくるはずだけど、自分の家にもピストルぐらいは置いておきたい、との心情です。核アレルギーの強い日本ではそこまで考えない人が多いのでしょうけれど。
68%が再配備に賛成
韓国の世論は?
鈴置:韓国社会世論研究所(KOSI)が戦術核の再配備に関し、国民に意見を聞いています。調査期間は2017年9月8―9日。それによると、68.2%が再配備に賛成、25.4%が反対でした。
核武装論、つまり自前の核を持とうとの主張も高まっているのですか。
鈴置:高いのですが、厳密に言うと「高止まり」です。韓国ギャラップの2017年9月第1週の調査によると「核保有に賛成」が60%、「反対」が35%でした。調査期間は9月5―7日です。しかし、いつもだいたいこんな数字なのです。
グラフ「韓国人の核保有に関する意識」をご覧下さい。いずれも北の核実験の直後に聞いていますが、大きな変化はありません。
URLリンク(business.nikkeibp.co.jp)
なお、こうした世論を背景に韓国軍はいつでも核武装できるよう、着々と準備を進めてきました。
今回の核実験で核武装論者が急に増えたわけでもないのですね。
鈴置:その通りです。逆に言えば、北が核実験を何度しようが、30%前後の人が核武装に反対し続けているのです。これの方がニュースかもしれません。
強盗ではなく親戚
どういう人たちでしょうか。
鈴置:北朝鮮は韓国を攻撃するつもりはないし、核も使わないと信じる人たちです。核を使えば同じ民族を殺し、自らの国土を荒らすことになる。同胞がそんなことをするはずがない―との思いです。
先ほどの例えで言えば……。
鈴置:隣に住むのは強盗ではなく親戚、と考える人々です。韓国ギャラップは2017年9月第1週の調査で「北朝鮮は戦争を仕掛けてくるか」も聞いています。
「可能性がある」が37%。一方「可能性がない」が58%にのぼります。25年前の1992年6月には69%が「可能性がある」と答え、「可能性がない」とした24%を大きく上回っていました。
南北関係の変化に応じ、微妙に上がったり下がったりしますが、長期的には「北は攻めてこない」と考える人が増えてきました。朝鮮戦争(1950―1953年)の記憶が薄れたことに加え、2000年と2007年に南北首脳会談を実施したことが影響していると思います。
朝鮮の核武装は人類史の功績
北朝鮮も韓国人の安心感を増す努力を重ねています。保守に言わせれば「油断させるための努力」ですが。
「北朝鮮は日米分断に全力をあげる」で紹介した、朝鮮中央通信の「朝鮮アジア太平洋平和委員会 敵対勢力の新たな制裁圧迫を非難」(9月7日)。この記事は米国に対しては自分を核保有国として認めるよう要求し、日本には「米国に追従するな」と核で脅しました。ところが韓国にはやけに「優しい」のです。
韓国を揶揄する表現で満ちていますが「核攻撃するぞ」と脅す文言は一切ありません。それどころか、北の核武装により朝鮮半島が平和になるぞ、との懐柔用のくだりまであるのです。その部分を翻訳します。
・朝鮮の水爆実験成功により、朝鮮半島をはじめとする極東地域とアジア太平洋地域での米国による核戦争の危険性が大きく抑制され、世界平和と安定を保障し得る信頼への担保が備わったことは、世界の人が激賞すべき人類史的な功績である。
「人類史的な功績」ですか……。
鈴置:他の人類にとっては「厄災」です。が、「核さえ持てば米国に攻撃されない」と信じている、北朝鮮やその支持者にとっては「功績」です。
戦争狂の米国の方が危険
でも現実には、核武装したからこそ攻撃されそうになっている。
(続く)