16/10/10 01:39:50.71 CAP_USER.net
(>>1の続き)
《戦区内に所在する陸海空軍やロケット軍の各軍種、民兵や予備役などを、戦時でなくとも統合運用できることとなった》
狙いは最精強・瀋陽軍区の解体
軍種間の意思疎通&協力を阻害する縦割りや装備・業務の重複・無駄をなくし、「実戦的体制を構築し、現代戦に適合させる」という。が、透けて見えるのは軍閥に近かった軍区の、習主席らによる解体だ。
特に最精強を誇る《瀋陽軍区》は、習主席にとって目障りどころか、政治生命まで左右する「超危険な存在」であった。いや、依然、「超危険な存在」と言うべきだ。今なお、北部戦区は「瀋陽軍区」なのだ。
習主席は、北京より平壌と親しい「瀋陽軍区」によるクーデターを極度に恐れている。「瀋陽軍区」高官の一族らは、北朝鮮に埋蔵されるレアメタルの採掘権を相当数保有する。「瀋陽軍区」が密輸支援する武器+エネルギー+食糧+生活必需品武器や脱北者摘発の見返りだ。北朝鮮の軍事パレードで登場するミサイルや戦車の一部も「瀋陽軍区」が貸している、と分析する関係者の話も聞いた。
もっと恐ろしい「持ちつ持たれつ」関係は核・ミサイル製造だ。中国人民解放軍の核管理は《旧・成都軍区》が担い「瀋陽軍区」ではない。「瀋陽軍区」は核武装して、北京に対し権限強化を謀りたいが、北京が警戒し許さぬ。そこで核実験の原料や核製造技術を北朝鮮に流し、または北の各技術者を「瀋陽軍区」内で教育・訓練し、「自前」の核戦力を造ろうとしているとの観測が浮上してくる。しかも、その核戦力は日米ばかりか北京にも照準を合わせている可能性がある。
理由はこうだ。
(1)北京が北朝鮮崩壊を誘発させるレベルの対北完全経済制裁に踏み切れば、「瀋陽軍区」はクーデターを考える。
(2)他戦区の通常戦力では鎮圧できず、北京は旧成都軍区の核戦力で威嚇し恭順させる他ない。
(3)「瀋陽軍区」としては、北朝鮮との連携で核戦力さえ握れば、旧成都軍区の核戦力を封じ、「瀋陽軍区」の権限強化要求+クーデターの、2つの選択肢を保てる。
習主席が進める軍の大改編は、現代戦への適合も視野に入れるが、「瀋陽軍区」を解体しなければ北朝鮮に直接影響力を行使できぬだけでなく、「瀋陽軍区」に寝首をかかれるからでもある。
「親北」のDNA
「瀋陽軍区」が北朝鮮と、北京を半ば無視してよしみを通じる背景には出自がある。中国は朝鮮戦争勃発を受けて“義勇軍”を送ったが、実体は人民解放軍所属の第四野戦軍。当時、人民解放軍最強の第四野戦軍こそ瀋陽軍区の前身で、朝鮮族らが中心となって編成された「外人部隊」だった。瀋陽軍区の管轄域には延辺朝鮮族自治州も含まれ、軍区全体では最大180万人もの朝鮮族が居住する。いわば、「瀋陽軍区」と北朝鮮の朝鮮人民軍は「血の盟友」として今に至る。金正日総書記(1941~2011年)も2009年以降、11回も瀋陽軍区を訪れた。
実際、朝鮮半島有事になれば、北支援に向け「瀋陽軍区」の戦力が鴨緑江を渡河し半島になだれ込む。従って、各種演習も半島全域を想定する。とりわけ、第39集団軍は、人民解放軍最精強の「瀋陽軍区」でも最強とうたわれ、機械化に伴う展開速度は侮れない。38度線付近の非武装地帯で2015年、北朝鮮の朝鮮人民軍が仕掛けた地雷で韓国陸軍の下士官2人が大けがを負い、南北間に緊張が走るや、瀋陽軍区の戦車を主力とする部隊が中朝国境に急派されている。
7大軍区は5個の戦区に統廃合されたが、注目は北京の頭越しに「対北独自外交」を繰り広げる瀋陽軍区を北京軍区に吸収合併できるかだった。布石として、瀋陽軍区勤務が豊富で、軍区に強く影響を及ぼす軍区内外の反習近平系軍高官粛清を断行。全軍統率機関=中央軍事委員会副主席、徐才厚・上(大)将(1943~2015年)の汚職など規律違反での逮捕は、いかにも象徴的だ。半面、北京軍区司令官に習氏と近い上将を抜擢(ばってき)するなど着々と布石を打ってはいた。
クーデターは起きていた!
布石にもかかわらず、徐上将失脚で14年、徐の腹心の第39集団軍幹部はクーデターを起こした。
クーデターは小規模で鎮圧されたが、かくも抵抗勢力が跋扈する不穏な情勢では、瀋陽軍区を北京軍区に吸収合併する目論みが達成できる道理がない。むしろ、瀋陽軍区は北京軍区の一部を形成していた内モンゴル自治区を取り込み北部戦区へと膨張した。
(続く)