16/08/31 20:55:59.15 CAP_USER.net
【モスクワ=黒川信雄】ロシアがクリール諸島(千島列島と北方領土)周辺の軍事力整備を急ピッチで進めている。露国防省はこのほど、千島列島の2つの島で新たに軍の配備を検討していると表明。
ベーリング海峡沿岸にも新師団を置くと明らかにした。北極海での権益維持や米国を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。2日に日露首脳会談が行われるが、ロシアの実効支配強化は、日本の北方領土返還交渉をさらに難航させる要因にもなりかねない。
露国防省は8月23日、千島列島での新たな海軍基地建設に向けて4~6月に実施された現地調査で、すでに報じられた中部マトゥワ島に加え、北部パラムシル島でも調査が行われ、両島への軍配備が検討されていることを明らかにした。
また2018年までに東シベリア・チュクチ半島で、湾岸防衛のため新師団が編成される計画も表明した。
国防省は昨年7月、露極東の沿海地方から北極圏までをつなぐ沿岸防衛システムを構築する方針を決定。ベーリング海峡や露太平洋艦隊の航路防衛、海洋戦略核戦力の安定性向上などが狙いとされている。
千島列島への軍配備なども、その方針を受けたものだ。
ロシアが同海域の軍事力を強化するのは、北極海やオホーツク海の海洋・地下資源、将来的な通商路として期待する北極海航路の維持・防衛が目的だ。
ロシアは15年末に改訂された国家安全保障戦略で、極東、北極圏の開発や、北極海航路の発展を重視する方針を表明。
ロシアは北極海沿岸諸国で最大の排他的経済水域(EEZ)を有するなど、資源開発で優位な立場にあり、利用が伸び悩む北極海航路についても、将来の需要増を見込み、開発の手を緩めない姿勢だ。
またクリール諸島周辺の軍備強化には対米牽制の狙いもある。
ロシアの専門家は米国が近年、米西部沿岸部へのミサイル防衛(MD)システム配備や米艦船によるロシア沿岸への接近など「ロシアの軍事力弱体化を狙った政策」を強めているとし、これに対抗するためロシア側が極東の軍事力整備を進めていると指摘している。
ロシアは北方領土の択捉、国後両島でも新駐屯地の建設を進めている。露メディアでは、クリール諸島の軍事化が完全に実施されれば、日本側が領土返還要求を行う余地はなくなるとの強硬な見方も浮上している。
URLリンク(www.sankei.com)
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