16/01/16 23:21:30.17 CAP_USER.net
(>>1の続き)
・ゲノム編集「食品」がいずれ食卓に…?
ゲノム編集は、さまざまな分野で極めて有用な技術だ。
京都大iPS細胞研究所の堀田秋津助教のチームは、筋肉が衰弱していく難病、筋ジストロフィーの患者の皮膚から人工多能性
幹細胞(iPS細胞)を作製したうえで、ゲノム編集で遺伝子の変異を修復することに成功している。将来的には、これを筋肉の細胞に
分化させて患者に移植することで症状を改善できる可能性があるという。
日本でいち早くゲノム編集の技術を取り入れた堀田助教は「この技術によって、ヒトの細胞が持つ30億ものDNA配列から、たった1カ所を
狙って切り取ったり書き換えたりできる」と説明。「とりわけCRISPR/Cas9は比較的簡単に使えるので、これまでにない革新的な技術といえる」
と高く評価したうえで、「近い将来、発見者がノーベル賞に輝くのは間違いない」と話す。
ゲノム編集は、このほかに農業や畜産業にも応用できる。従来、膨大な時間と労力がかかっていた農作物や家畜の品種改良が狙い通りに
短時間で可能になるといい、すでに研究レベルではアレルギー物質を含まないイネや肉の量が多い家畜などを生み出すことに成功している。
遺伝子組み換え技術に比べてDNAの改変が精密なので安全性も高いとされており、堀田助教は「こうした食品が店頭に並ぶ日が遠からず
来るかもしれない」と話す。
ただ、たとえ病気の治療が目的であってもヒトの受精卵にゲノム編集を用いることには反対といい、「不妊症の原因解明などには役立つかも
しれない。社会的な議論とルール作りが必要だ」と強調した。
こうした状況を受けて、国内でも検討が進む。昨年12月15日には、政府の生命倫理専門調査会で「受精卵や精子、卵子に対する
臨床応用は、法律を作って原則禁止としたうえで、ごく限定的に行うべきだ」との方向性が提言された。
(おしまい)