15/12/06 22:10:29.73 CAP_USER.net
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1988年冬、韓国の女子高生たちを日本の風俗店のホステスとして売り渡し、逮捕された
人身売買組織の、ターゲットを物色する方法は奇抜なものだった。犯人らが利用したのは、
ソウル市や京畿道の女子高校7校の卒業アルバムだった。「写真面接」を通じて、顔がかわ
いらしい450人ほどの女子高生を選んだ後「アルバイトしながら日本に留学できる」とい
う手紙を送り、これを餌に女子高生たちを「釣った」のだ(本紙88年12月17日付)。
学校時代の思い出を残すために作られた卒業アルバムを、多くの部外者たちがこのよう
なとんでもない目的で利用した。アルバムに掲載された卒業生の連絡先を、電話によるマ
ーケティングに利用しようとした人たちは、卒業式の会場や印刷所にまで人を派遣し、卒
業アルバムを購入した。
1960年代、女子高校の典型的な卒業アルバムの写真では、当時流行していた、全員が体
をやや横にひねった姿勢でポーズを取っていた。
とりわけ多くの視線にさらされたのは女子大学の卒業アルバムだった。1970年代、一部
の企業の経営者たちが、新採用の女性秘書の母校の卒業アルバムを探し求め見て、自分の
息子の結婚相手を物色したという話が新聞にも掲載されている。90年代には、いわゆる「マ
ダムトゥ(富裕層や特権階級を相手に、職業として仲人を務めた女性)」たちが、男性たち
に紹介する女性を探すため、女子大の卒業アルバムを探し求めて見ているといううわさが
広まった。実際、多くの女子大生は、そのような話を意識して、卒業アルバムの写真写り
を良くするため、並々ならぬ努力をした。4月から5月にかけ、卒業アルバムの写真撮影が
始まる前にダイエットをしたり、鼻を高くして、顎を削ったりする学生もいた。撮影シー
ズンに入った学生街の美容室には「卒業写真1枚があなたの将来を決める」という広告が
掲げられた。
97年、ある女子大生は、ヘアスタイルのセットや化粧、衣装のレンタルなどを含め、卒
業アルバムの写真撮影に150万ウォン(現在のレートで約16万円)を費やしたという。現
在の物価に換算すると300万ウォン(約32万円)に相当し、結婚式前の写真撮影を上回る
豪華版といえるものだった(京郷新聞97年2月24日付)。91年11月、米国の時事週刊誌
「ニューズウィーク」は、韓国の過剰消費の風潮を取り上げた記事で、高級なスーツ姿で
大学に来る女子学生たちの写真を載せて「カネの奴隷」という説明を付し、その学生から
提訴された。その女子大生たちは、卒業アルバムの写真撮影のために着飾ってきたのだっ
た。「ニューズウィーク」は、特別な日のために着用した衣服を、普段着と誤認したのだ。
「卒業アルバムが見合い写真になるかもしれない」という一部の女子大生たちが精魂込
めて撮影に臨む状況は、2000年代まで続いた。だが、最近の学生街では、卒業アルバムは
さまざまな事情により姿を消している。母校に対する連帯感自体がなくなりつつあるとい
うのが根本的な理由だ。今年4月、ある大学の卒業アルバムの写真撮影の際には、一つの
学科で80人いる学生のうち、5人だけが撮影に臨んだこともある。個人情報を必要とする
人たちは今や、卒業アルバムではなく、インターネットで数百万人分の情報を一度に手に
入れる。卒業アルバムに掲載される数百人の連絡先を入手しようと、販促電話をかけてい
た業者たちはむしろ、純朴だったといえる。
キム・ミョンファン史料研究室長
ソース:朝鮮日報/朝鮮日報日本語版<韓国の女子大生、卒業アルバムを卒業>
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