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(>>1の続き)
「毎日経済新聞」(6月2日付)は、「輸出ショック」という記事で、最近の輸出不振の原因を3つ挙げている。
1つは、中国依存度の高さだ。韓国の対中輸出依存度は25%で、輸出先の国・地域としては圧倒的な存在だ。中国経済への依存度を高めることで韓国は輸出を伸ばしてきたが、そのブーメラン効果が出ていると指摘している。
韓国の対中輸出は、5月で4カ月連続で前年同月比マイナスとなった。これが輸出全体の減少の大きな原因だ。
「毎日経済新聞」は、6月2日付の1面トップが「危機の輸出・・・6年ぶり2ケタ墜落」だった。中韓FTAよりも、目先の輸出減がより深刻なのだ。
2つ目が、価格で勝負してきた輸出戦略の問題だ。
価格競争力がない製品はすでに生産拠点が韓国外に移っている。では韓国は何を生産して輸出するのか。ここ数年のウォン安でこうした戦略を考えてこなかったツケが回ってきた。
日中に挟まれる「サンドイッチ現象」に円安が追い討ち
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アベノミクスが始まってからの急激な円安は韓国企業に大打撃を与えている〔AFPBB News〕
3つ目は2つ目の原因と密接に関係がある。主力輸出品目が10年前とまったく変わっていないことだ。
携帯電話機、自動車、造船、石油化学、半導体、ディスプレー、石油製品、鉄鋼―。この8品目は10年前も今も韓国の主力輸出製品だ。
これら8品目は、10年前は、日本製より安く、中国製より高品質だった。円安で日本製品の価格競争力が高まり、中国製品の品質が向上した。日中間に挟まれる「サンドイッチ現象」が出ているのだ。
さらに追い討ちをかけているのが円安だ。円安は単に日本向けの輸出に打撃を与えているだけではない。韓国企業の製品は、日本企業と競合する場合が多い。
自動車、機械、鉄鋼などの製品で、韓国製品が海外市場で競り負ける事態が続出しているのだ。
アベノミクス批判が一転、「日本の教訓に学べ」
「日本の教訓に学べ」。韓国メディアでは最近、こういう記事が多くなっている。日本製品の競争力が向上し、企業の業績が良くなっているのは、円安だけが理由なのか。
そうではなく、超円高の時に、コスト削減や製品開発、新市場開拓などの努力を続けた。円安になって、この間の対応が、大きな効果を挙げているという分析だ。
日本経済に対する見方は最近になってがらりと変わってきた。
2年6カ月ぶりに開催された日韓財務担当閣僚会議に出席するため5月23日に訪日した崔炅煥(チェ・ギョンファン=1955年生)副首相兼企画財政部長官は、東京で韓国メディアの在京特派員と昼食会を開き、次のように評価した。
「以前は、韓国は(強力なリーダシップがある)大統領制だからいろいろなことができると日本の方がうらやましがった。過去の日本は何も手が打てない構造だったが、安倍首相が対応手段を確保した。政治的な安定を背景に構造改革の成果が出ている」
2014年9月には「アベノミクスと言うがお金を印刷する以外に何があるのか」と批判していた人物の発言から見れば様変わりだ。
崔炅煥副首相はさらに「どんなに一生懸命に対策を考えてもうまくいかない。労働、教育、金融、公共部門の4大改革を通して構造改革を実現しなければならないのに、国会の協調が全然ない」と嘆いてみせた。
輸出不振で、2014年に3.3%だった韓国の成長率は、2015年に2%台に落ち込むという悲観論が強まってきた。
(おわり)