15/04/27 20:00:33.80 .net
(>>1の続き)
締切日の31日、安倍首相は財務省の山崎達雄財務官と浅川雅嗣国際局長、そして外務省の長嶺安政審議官を
官邸に呼びつけてこう叱責したという。
「どうなっているんだ。君らの情報は間違っていたじゃないか!」
出遅れた日本は、6月の日中財務対話の場で、追加の参加表明をする可能性が残されているが、そうなった場合は
完全に中国のペースだ。
「ここで日本が参加すればGDPの規模からして3%の1800億円は出さなくてはなりません。しかも、資本金は2倍の1000億ドルに
引き上げられますから3600億円の拠出を迫られることになる」(田村氏)
今からでも遅くないから多額の参加料を払ってAIIBに参加するべきなのだろうか。
■日米を取り込みたい
だが、押っ取り刀で参加するのは余計に危ないと指摘するのは先の田村氏だ。
「中国がAIIB設立を急ぐのは、国内がバブル崩壊寸前になっているからです。巨額の外貨準備を保有しているといいますが、
資本がどんどん逃げ出しており、昨年12月までの半年で外貨準備高が1500億ドルも減っている。これは大変なペースです。
そのため、中国は借り入れを増やし、世界最大の借金国に陥っている。そこで、アジアのインフラ建設をぶちあげ、資金集めに
乗り出したのがAIIBの正体です。そこに、国内に溢れる過剰設備、過剰人員をドーンとつぎ込みたいというわけです」
ジャーナリストの青木直人氏も、AIIBは環境破壊を輸出しかねないと警戒する。
「ADBは環境破壊につながる開発や独裁国家に対して融資を認めません。審査も厳格です。AIIBはそれを省いてしまおうと
狙っているのです。90年代にADBの主導で始めたメコン川の流域開発では中国も参加したのですが、上流の中国国内で
どんどんダムを作ったものだから環境破壊につながった苦い経験がある。それでなくとも中国のODAは数々の開発が問題に
なってきました。うっかり乱開発に巻き込まれたら日本まで批判の矢面に立たされる危険性があります」
意思決定はメールのやりとりだけとするなど、共産党の決定を追認するだけの銀行になるという懸念も払拭されていない。
それもあって日米が参加しなければトリプルAの格付けが取れないとも言われているのだ。
だから、と拓殖大学教授の富坂聰氏が言う。
「中国は債券の格付けを上げるために、今も日米を取り込みたいと考えています。これに対して、日本はAIIBが本当に
利益になるのか、時間をかけて見極めてからゲームに参加できるようにしておいたらいい」
切り札となるスペードのジャックは、まだこちらの手にあるのだ。
(おしまい)