15/03/30 13:16:00.72 .net
中国が主導して年内の創設を目指すアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加をめぐり、日本が対応に苦慮している。
中国は、運営の中心として関与できる「設立メンバー国」の参加期限を今月末としている。日本はこれには間に合わず、
当面、判断を先送りする見通しだ。
日本はAIIBに批判的な米国に同調して距離を置いてきたが、英国、ドイツ、フランス、イタリアの欧州主要国に続き、
韓国、ロシアも参加を表明した。
日本が繰り返し指摘してきた通り、AIIBは融資基準や組織運営の不透明さといった問題を抱えていることは否めない。
しかし、アジアの開発資金需要に応じる国際的金融機関として陣容を整えつつあるAIIBに対し、日本が部外者のままで
いいのだろうか。参加も含めて関与の仕方を真剣に模索するべきだ。
中国も数々の疑問点の解消に努めなければならない。
AIIBには既に、東南アジア諸国連合やインド、中東諸国など30カ国以上が参加を決めた。
アジアのインフラ整備には年間7700億ドル(約92兆円)が必要とも言われ、日米主導のアジア開発銀行(ADB)だけ
では資金需要に対応できない事情もある。
欧州4カ国や韓国が日米の制止を振り切って参加するのも、AIIBを巨大なアジア市場に食い込む商機とみているからだ。
一方、資本金の大半を出す中国の恣意(しい)的な運営を警戒する声は多い。理事会を常設しないとされ、審査体制の
不備、癒着や環境破壊につながる融資の横行といった懸念が消えない。
欧州各国は組織運営の透明性を向上させる方針を示している。先進国の加盟が新銀行の信用力を格段に高める以上、
中国もこうした要求を尊重せざるを得まい。
日本も欧州勢と協力して、内部から国際的な基準を浸透させることも選択肢の一つだろう。
中国がAIIB設立に動いた背景には、アジアでの影響力強化の意図に加え、国際金融秩序の中で経済規模に見合った
発言権が得られていないとの不満がある。
ADBの出資比率を上げる要望はかなえられず、国際通貨基金(IMF)の改革案も米議会の反対で実現していない。
現在の事態は日米が招いたとも言える。
もはや新銀行設立の流れは変えられない。国際ルールにAIIBを調和させるため、さまざまなルートで働きかける必要がある。
ソース:北海道新聞 03/30 08:50
URLリンク(dd.hokkaido-np.co.jp)