14/07/28 10:28:04.55 .net
(>>1の続き)
≪東、南シナ海の垣根消えた≫
ASEANは、5月にミャンマー・ネピドーで開催された首脳会議の際、その外相会合「共同宣言」において、南シナ海での中国の動きに
「深刻な懸念」を表明し、その「深刻な懸念」は、会議全体を総括する「議長声明」でも再び表明されている。
「東シナ海での対中自制要求」声明が実際に採択されるかどうかはともかくとして、現下のASEANの動きをみると、その対中認識に
おいて南シナ海と東シナ海の「垣根」は消えようとしている事情がうかがえる。
日本とASEANは、安全保障上、同じ「船」に乗る方向に、徐々にであっても確実に進みつつある。これもまた、安倍首相が就任以来、
ASEAN10カ国をすべて訪問した事実に象徴的に示されるように、ASEAN諸国との誼(よしみ)を徹底的に深めようとした日本の姿勢
が評価された帰結であろう。集団的自衛権論議の落着は、その誼を深める努力の担保になるであろう。
「外交感覚のない国民は必ず凋落(ちょうらく)する」とは、吉田茂が肝に銘じていたものとして有名な言葉である。
集団的自衛権に絡む永き議論は、外交・安全保障案件を論ずる際に「内輪の議論」に走る向きが残っている寒々とした事実を
曝(さら)け出した。こうした「外交感覚」の貧しい議論は、早々に退場させなければなるまい。それが永き議論の一つの「教訓」である。
(終わり)