21/07/21 17:43:29.63 hU4lLERK.net
「僕とこいつはクラスは違ったんですけど、小学校五年ぐらいの時に、
クラブが一緒になったんですよ。土曜日に二時間ぐらい。
選択でいろんなクラブ選べるとかいうので、
僕、"太鼓クラブ"とかに入って(笑)、
かなり人気のないクラブだったんですよ。
ウチの学校って、音楽の時間に民族舞踊みたいなやつとか、
『サンサ踊り』とか、何かそういう凄い難しい踊りを取り入れてて。
僕、踊り踊るのヤだったの、すごく。
それで踊らなくていいようにするには、太鼓叩くしかなかったの。
クラスで三人とか四人ぐらいしか太鼓叩く奴はいなくて、
後は全員、踊らなきゃいけないってやつで。
僕は『踊るのはキツイなー』って思って、『じゃ、太鼓の方がいいや』って。
結構、太鼓が好きだったんですよ、僕。
それで太鼓クラブに入ったんですけど、するとなぜか沢田が太鼓クラブにいたんですよ(笑)。
本格的な付き合いはそれからなんですけど、
太鼓クラブって、もう人数が五人ぐらいしかいないんですよ、学年で。
野球部とかサッカー部とかがやっぱ人気で、
そういうのは先生がついて指導とかするんだけど、太鼓クラブって五人しかいないから、
先生とか手が回らないからさ、『五人で勝手にやってくれ』っていう感じになっちゃって。
それで音楽室の横にある狭い教室に追いやられて、
そこで二時間、五人で過ごさなきゃならなかった。
五人でいても、太鼓なんか叩きゃしなくって、
ただずっと遊んでるだけなんだけど。
そういう時に五人の中に一人沢田っていうのがいると、
やっぱりかなり実験の対象になっちゃうんですよね」