21/05/14 17:56:07.95 QfWrnt3k.net
シンガーソングライターという肩書きにはあまりハマっていないと最初から思っています。どちらかと言うとサウンドメイクのほうが得意なので。
確かにピアノ弾き語りのシンガーソングライターとしての活動もしてますけど、それはわずかな時間でしかなくて。
自分のライブでは映像を使ったり、ループサンプラーやディレイを使って音の表現をしたりしています。それでも意味のある音楽を世の中に出したい気持ちはあるんです。
なかなか曲も作れないし、時間もかかるんですけど、自分の名義で出す曲に関しては、やっぱり内容にもこだわっています。
CMや映画は普段の自分の引き出しにない音楽をやる機会もあるし、いろんなジャンルの曲を分析したりもするので、すごく楽しいし、勉強にもなります。
で、自分の曲のほうは、そういうことから影響を受けることもあるんですけど、ゼロから何かを作るときに「あれが格好いいから作ろう」みたいなことはないですね。
自分から本当に出るものなのか、よく吟味します。何かしらの衝動みたいなものが、それも勢いのある衝動というよりも、じわじわとした衝動が固まってきたときに動き始めるというか。
過去にはたとえば「旅」というテーマがありました。『Meet along the way』のときは、1ヶ月間、アイルランド、イギリスを放浪しながら、現地で出会った人たちに声をかけて、アルバムを作ったんです。
アイリッシュパブのような場所でセッションしてる人に声をかけて、「レコーディング機材があるから、明日のお昼くらいにユースホステルに来てくれない?」と言って。
ほぼ完成している曲を持っていって「ここにフィドル弾いてくれない?」とか「笛吹いてくれない?」みたいに声をかけて、アルバムを完成させたんです。
当時はメジャーにいたんですけれど、そのときも世の中に出すんだったら意味のあるテーマがあったほうがいいなと思っていました。
ただ、それは前のことで、今は「旅」をテーマにすることはないですけれども。