15/10/12 18:30:40.68 7fVrb8jG.net
>>429 11行目 →・・ 而留弥は皆より二歩ほど前に歩み出た。
>>438 10行目 →・・ゴーア種。ゴーアライオンである。 一度してみたいあの日の妄想・・
すたすたと小次郎は歩を進めた。手に持つ棒は右の肩に乗せ、趺踞(ふきょ)の姿勢となる。おもむろにしゃがみ腰に腰を下ろした。
斬り合えば互いに届く間合いである。彼は体の重心を両方の踵に乗せた。
相手は正眼の構え。その切先から闘気が小次郎へ向かう。下肢は少し広げ腰を下げた。
余裕のある中に隙はなくも、目じりに侮り伺う気持ちがある。
辺りの様子はすでに変哲もなく、離れて見ている彼らにもやや力の抜けた気分があった。
そのむしろ遮断された場の感覚に間隙の瞬間が走り抜けた。
誰かの呼気がその場を掠めたと思う瞬間に、
その浪人は表情を崩さずに真顔のまま、彼は対峙する姿勢を崩し上体が横に傾いていた。小次郎は一刀目で相手の刀身を真横に弾いていたのである。
地面を鞭打つ音は鋭く跳ね、煙る埃が左右に割れた。眼(まなこ)の瞬くより前に、小次郎の諸手突きが相手浪人の首元に向かった。