15/04/16 04:28:58.69 DzoGxhRg.net
「その前にここに寄って行く」グレッグとロックの二人はハンビィーから降りた。安く貰い受けた軍用車両である。二人に合わせて軽く乗りやすく少しいじられている。
寂れた観のある建物である。伸びた雑草はそのままに、ここは研究をはじめとしたかつての特別手当の創域地区である。
「不在かな?博士・・」グレッグはサングラスを外した。車を降りた時からすでに気を張っている。しかしこれは辺りの空気を裂く威圧がある。
初めから分かっていたかもしれないが、注意を払うべき気配が近づいてくる。車の排気音でもなく、まして当然に雷の轟でもない。大げさではなく大きい。
大型のどこの肉食獣でも間に合わないかもしれない。並み喉の轟ではない。塀の向かいの伸びた草木を押し倒す大きな動きが近づいてきた。「ロック彼らと少し遊ぶか?」
鼻先から出てきたその顔は大きく、現れた全身は色を纏った姿である。ドーラタイガー。金色の鱗を持つと言う意味である。
建物の奥から現れたもう一体の姿は角のような突起を持つ個体である。「ゴーア種か。ゴーアタイガー」飼い主に付き添う生き物でありその場所の守衛である。