14/10/26 18:26:27.49 r9l4ypTm.net
「どのように逃げ回る?何を持ってゆく?」世界を跨ぐに値する物を。何かを選ぶ者がいる。
「着の身着のまま、ということか・・」「つまり、事実上の踏破隊の第一号だ。後でそのように呼ばれるようになったらしい」
「どのようなルートで?」言葉が去来する。コーンウェイは貸し金庫の引き出しを開けて、取り出した箱の中身を確認した。
「これで確認が二件目・・」
「一件目で印字を拾い、確認を」リムジンから降りて来た男は、ビルの谷間の路地を歩きながら懐から封筒を取り出してコーンウェイに渡した。
「その眼鏡は君の虹彩がプログラムされている。君の虹彩でしか読めない印字だ」コーンウェイは眼鏡を頭上にかざしてみた。「何も変わりはしない」男は言った。
「本物だよ。安心してほしい。滞りなく済ませよう」
「塔や建物であっても、騒々しいことに変わりはない」疑似環境の施設で、大規模なものとなっている。大気圏外との繋がりに認識の問題があった。
「頭巾で頭を覆う男が外套から小瓶を取り出して、小さじのスプーンで内容物を掬いとり、地面に振りかけたらしい」
コードを待つ認識を関係者だけが持っている。虫食い状の物々しさと緊張感がある。「天地創造かな?地がうねり、脈打つ。詩ではなく、教条らしいが、そうでもなくなった・・」
「分かるわけがないことを、どう表現するか・・。そもそも、取り扱い方自体が違うとも言えそうだが・・」「聞くことがあるな・・」