13/10/13 23:14:49.27 +o2Ed1fK.net
「兄じゃ、もう待ち切れねぇよ。いいか?放しても」言いながら一人の構えれた弩の、その身の丈ほどもある矢じりを力強く掴んだ。「他の者たちはまだそのままだ。お前、いいから放せ」厚い矢じりを握りしめたままで大柄なその男が言う。
「いいからこの矢を撃ち放せ。弦を放せ」睨むような眼差しに手が勝手に引かれた弦を解いていた。その放たれた大きな矢じりを睨むように掴んだままである。しなりと反動でその奴が少しのけ反った。腕に伝わる弦のしなる音。そのまま奴に笑いかける。