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「EAST ASIA」
撮影なんかで外国に行った時、向こうの人から「あなたどこの人?」「中国人?」と尋ねられた時、
「いえ、日本です」と言うと「ああ、日本。どこにあるの?」とフランスの地図を見せられた時、
「あれっ?」ってなったの。日本で習う世界地図は、真ん中に日本があるでしょ。
ところがフランスに行って地図を広げると、日本はないのね。後ろの方にゴミのようにちょこっと
しか描かれてなくて、そんなもんかなぁ…(笑)と思ったわけ。フランスの人から見れば、こっちの事を
EASTだって言うわけでしょ、でも、日本の地図をガバッって開けば、EASTはアメリカ(笑)。
で、アメリカの地図を広げると、今度はアメリカがど真ん中で、EASTの国はどこって言ったら、
フランスになっちゃうわけでしょ。いい加減なもんよね(笑)。じゃあ、回っている地球でEASTって
どこって言えるっていうような感じがするのね」
「どこの国の世界地図だって、自分の国を中心に描いてあるさ。そんなの当然だろと思ってしまうと、
それで終わってしまう。何でもそうだけど、そういう何気ない疑問を持つことも大切だね。何事も…
確かに日本に住んで、世界地図の真ん中に日本がある地図を見慣れて育った立場で世界へ行くと国に
よって地図の描かれ方が異なることに強い違和感を感じるのは当然と言えば当然だ。ワハハハ」
休日ということで、僕たちは久しぶりのデートで横浜中華街に来ていた。
「はい、お待ちどうさま」「こちらも、お待たせ。熱いから気を付けてね」
「ありがとう」「わあ、美味しそう」僕たちが頼んだメニューが運ばれてきた。
「女の視点で考えた時、女ってどこの国に行っても結構生きていくでしょ。海外勤務で外国に行って、
日本食じゃなきゃ嫌だって言って、ノイローゼになるのは男が多いんですって(笑)。ところが女は、
地元の何だかわからんものでも「あら、結構いけるわよ」って食べちゃう(笑)。そんなとこあるわけ」
「確かに、女の方が順応性は高いね。男の方がなんにでもこだわりが高いからね。何週間も日本食を
食べていないと、そうなっちゃうかもしれない(笑) 男の縦社会、理念で生きているから、男はなんにでも
ルールやこだわりを持って生きる。女は、「踏んじゃったぁー」と笑って男が引いた線を越えてしまう
ところがある(笑)。そんな何にもこだわりなく生きることが出来る女は、何が強いってそんな心を自由に
して生きる適応能力の高さ、女の生命力(笑)かな。ワハハ。それから先ほどの話だけど、どこが中心かなんで、
地球からすればどうでもいいことだしね。これから大切なことは、どこで暮らすようになっても、どこでも
誰とでも合わせて生きていける生命力なのかな。どんなに高い壁があっても柔らかな風のように笑って
超えてゆく心があれば、どこでも生きて行けるね」