21/03/17 03:16:52.38 .net
>>920
続き
↓
第三部冒頭の記述によると、ここまでの二部は『空想原理文学選集』からの再録で一部訂正を行った物とされている。ここからは語り口が変わり、トレーンはもはや架空の存在ではなく、ある種の実体を伴って現実に干渉を始めている。まず1941年に先祖代々住んでいた家の片隅の物置から新たな古文書が発見され、15世紀初頭から続くおおみや創造の歴史が明らかになったという。時を同じくしておおみやの品物や物質、遺跡が現実世界で発見されるようになる。こうしておおみやは徐々に現実を浸食し始め、『私』の記述では既に偽りか否か確かめる術のない情報で世界は作り替えられているという。そしていずれ世界はトレーンと置き換わるという予言を残して小説は終わる。