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「最悪の選択」 コロナで夫亡くし、子2人と無理心中図った妻に判決
朝日新聞デジタル 2021年11月9日 19時07分
新型コロナウイルスの感染で夫(当時53)を失い、将来を悲観して10代の子2人と無理心中しようとしたとして、殺人未遂の罪に問われた東京都内の女(47)の裁判員裁判の判決公判が9日、東京地裁(神田大助裁判長)であった。判決は「最悪の選択だ」と批判しつつ、子らが「母と一緒に生活したい」と訴えたことをふまえ、懲役3年保護観察付き執行猶予5年(求刑・懲役5年)を言い渡した。
判決によると、夫が感染による肺炎で亡くなった約1週間後の今年4月、被告自身や長女の感染も判明。感染による倦怠(けんたい)感も相まって将来に不安を募らせた被告は無理心中を決意し、高校生の長女と大学生の長男の胸を包丁で刺した。長女は全治1カ月、長男は全治約10日間のけがをした。
判決は、被告の当時の心理を「相当に動揺し混乱した状態と想像できる」とした一方、背景事情をふまえても「犯行は正当化できない。現実から逃避した動機は身勝手だ」と指摘した。
ただ、子らが被告の追い詰められた状態を思いやり、「刑務所に入ることは希望していない」としたことなどから刑の執行を猶予した。
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