18/09/27 18:50:55.10 tA1MLDVx.net
回答者 評論家・岡田斗司夫
相談文の「40代のひきこもり」問題は、特殊な悩みではありません。
内閣府の平成22年調査では、15~39歳人口の1・79%、約70万人が広義の「ひきこもり」。40代まで含めると、70万世帯以上の家庭がこの悩みを抱える、いまや「ありがちな話」なんです。
なので、よくある精神論や「家から追い出せ」「親が甘いから」という指摘は無意味です。
相談者はもうすでにこういう指摘や議論に疲れ果てて、いまの状態にいます。誰かが原因ではないし、誰も悪いわけじゃない。
あなたが困っているのは「日曜ごとの息子の叫び声」です。ここだけに焦点を当てます。
以前は共働きだったんですよね? つまりあなたも夫も「平日昼間は家にいなかった」。ということは、かつて息子は「平日の昼間だけは家で羽を伸ばせた」わけです。
ところが彼のひきこもり生活も20年を超えて、ついに両親がリタイアしてずっと家にいるようになってしまいました。世間体を気にする彼は「平日は仕事があるフリ」をして自宅から逃れます。
しかし休日は家にいるしかない。
以前は「一人きりになれる個室」だった我が家は、あなたや夫がいる「社会」になってしまった。それでも彼は「俺を一人にしてくれよ!」と無茶(むちゃ)な要求をするほど愚かではない。
なので掃除機の騒音にまぎれて怒鳴る、というストレス解消をしているんです。
根本的な解決策としては「彼が一人暮らしをはじめる」のが最上です。可能なら、息子に資金援助してアパートで一人暮らしさせて、生活費を出すのがベストとは言えないけどベターな方法でしょう。
ただし、お金の問題もあるし、息子が納得するとは限りません。なのでもっと簡単な方法を考えてみました。
毎週日曜、あなたと夫が家を空ければいいんです。理由は何でもよし。旅行でも習い事でも映画でも散歩でもかまいません。できるだけ毎週同じ時間、できれば6時間ほど家を息子だけにしましょう。これだけで息子の叫び声はなくなると思います。
相談文の行間から「もう今のままでいい」「せめてあの怒鳴り声をなんとかしたい」という気持ちが伝わりました。たぶん息子も同じ気持ちだと思います。
現状を変える必要はありません。お互い、逃げてよいと思いますよ。