正字正假名遣で話すスレ 其の拾肆at KOBUN正字正假名遣で話すスレ 其の拾肆 - 暇つぶし2ch■コピペモード□スレを通常表示□オプションモード□このスレッドのURL■項目テキスト2:名無氏物語 18/06/30 14:37:17.25 Ul2UhJcR.net ★太平記、卷第十六、正成兄弟討死(の)事、七生報國 「―― 正成正季又取つて返して此の勢にかゝり、懸けては打違へて死(ころ)し、懸け入つては組んで落ち、 三時が閒に十六度迄鬪ひけるに、其の勢次第々々に滅びて、後は僅かに七十三騎にぞ成りにける。 此の勢にても打破つて落ちば落つべかりつるを、楠京を出でしより、世の中の事、今は是迄と思ふ所存有りければ、 一足も引かず戰つて、機已(すで)に疲れければ、湊河の北に當つて、在家の一村有りける中へ走り入つて、 腹を切らん爲に鎧を脱いで我が身を見るに、斬創(きりきず)十一箇所までぞ負ひたりける。 此の外七十二人の者共も皆五箇所、三箇所の創(きず)を被らぬ者は無かりけり。 楠が一族十三人、手の者六十餘人、六間の客殿に二行に竝居て、念佛十返(ぺん)計(ばか)り同音に唱へて、一度に腹をぞ切つたりける。 正成座上に居つゝ、舍弟の正季に向かつて、 「抑最期の一念に依つて、善惡の生を引くといへり。九界の閒に何か御邊の願(ひ)なる」 と問ひければ、正季から/\と打笑ひて、 「七生まで唯同じ人閒に生まれて、朝敵を滅ぼさばやとこそ存じ候へ」 と申しければ、正成よに嬉しげなる氣色にて、 「罪業深き惡念なれども、我も斯樣に思ふ也。いざさらば同じく生を替へて、此の本懷を達せん」 と契つて、兄弟共に刺違へて、同じ枕に伏しにけり。 次ページ最新レス表示レスジャンプ類似スレ一覧スレッドの検索話題のニュースおまかせリストオプションしおりを挟むスレッドに書込スレッドの一覧暇つぶし2ch