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梁恵王章句上より
梁の恵王は曰(い)った。「寡人(わたくし)*1の国でのありさまは、心を尽くすばかりである。
河内が凶であれば*2、民を河東に移し、粟(ぞく)を河内を移す。河東が凶であってもまたそのようにする*3。
隣国の政を察(み)ると、寡人の心を用いているような者はいない。隣国の民が少なくならず*4、寡人の民が多くならない*4のは、なぜか」と。
孟子は対(こた)えて曰(い)った。「王は戦いをお好みになりますから、戦いで喩(たと)えましょう。
填然として鼓(つづみ)をうち、兵刃が*5接しました。甲(よろい)を棄て兵を曳いて走りました。
或(あるひと)*6は百歩いって後に止まり、或(あるひと)とは五十歩いって後に止まりました。五十歩で百歩を笑えば、いかがでございましょうか。」
曰(い)った。「可(よろし)くない。直(ただ)百歩ゆかなかっただけで、是(そのもの)もまた走ったのだ。」と。
曰(い)った。「王、もしこのことをご存じであれば*7、民が隣国より多いことをお望みになってはなりません*8。」と。