【勝手に】感じで漢詩【解釈】3at KOBUN
【勝手に】感じで漢詩【解釈】3 - 暇つぶし2ch2:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/09/19 11:51:48 qlXYJv31.net
こんにちはですよ

前スレ【勝手に】感じで漢詩【解釈】2 が何処かへ旅に出たまま音沙汰もねーので、
継続スレ立ててしまいましたよ
あはははは♪

さてさて、お彼岸や仲秋の名月も近づきましたから、我々も秋を思って見ませうか
今日は許渾の『秋思』をどうぞ

3:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/09/19 11:58:11 qlXYJv31.net
  『秋思』  by許渾

*棋樹(きじゅ)の西風 *枕箪(ちんてん)の秋
楚雲 湘水 同遊を憶(おも)う
高歌 一曲 明鏡を掩(おお)う
昨日の少年 今は白頭。


*棋樹:棋は玉偏に其が正しい字です
*枕箪:箪は竹冠の下に西、早が正しい字です

4:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/09/19 11:59:08 qlXYJv31.net
厄してみましたw


木々を色付かせる西風が吹き始め
夏物の枕や竹茣蓙では もう 少し肌寒さを感じる秋
流れ行く楚の雲や湘湖の水に いつか遊んだ日のことを思い出す
つい懐かしくて 一曲高らかに歌ってしまったが
鏡に映った己の姿に気付き 思わずそれを覆った
盛りの季節が過ぎたように 私の盛りも過ぎていたのだ

5:名無氏物語
10/09/20 18:44:13 mu0uinH4.net
たとえ~kamomeが戻ってこなく~ても~
過去ログあるから 立てても~いいさぁ~ (以上「みちのくひとり旅」で)

ルビー・Dさん、おかえりなさいませ。
秋は詩の季節ですね。楽しみにしています。

6:名無氏物語
10/09/21 06:05:52 MChrR5ZV.net
ルビー・Dさん先週は心配しました良かった!

7:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/09/26 19:53:28 tqRAys/z.net
こんばんはですよ
いきなり寒く成りましたが、皆さん大丈夫ですか?
自分を守れるのは自分だけですし、自分に一番思いやりを持てるのは自分だけですよ
無理はしても無茶はいけません
余裕を無くすと遊べなくなるからつまんねーですよ、ホントに

>>5>>6
あああ、なんて優しい言葉なのでしょう。゚・(ノД`)人(´Д`)人(Д` )・゚。
また、まったり遊んでやって下さいね
宜しくお願い致しますよ>ALL


では、9月最後の日曜日は李賀の『李憑箜篌引』で参りましょうか

8:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/09/26 19:54:02 tqRAys/z.net
  『李憑箜篌引』  by李賀

呉糸(ごし) 蜀桐(しょくとう) 高秋に張れば
空は白く 雲を凝(こ)らし 頽(くず)れて流れず
江娥(こうが)は竹に啼き 素女は愁う
李憑(りひょう) 中国に箜篌(くご)を弾ず

崑山 玉(たま)砕けて 鳳凰叫び
芙蓉 露に泣いて 香蘭笑う
十二門前 冷光を融かし
二十三糸 紫皇(しこう)を動かす

*女渦(じょか) 石を煉(ね)って天を補う処
石破れて 天驚き 秋雨を逗(ひ)かん
夢に神山に入り *神媼(しんおう)に教うれば
老魚 波に跳(おど)り 痩蛟(そうこう) 舞わん
呉質(ごしつ)は眠らず 桂樹に倚り
露脚 斜めに飛ぶ 寒兎(かんと)を湿(うる)おさん


*女渦:渦の字が本当はさんずいではなく女偏です
*神媼:媼の字が本当は女偏に區です

9:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/09/26 19:54:48 tqRAys/z.net
やくモドキしてみましたよw


呉の糸と 蜀の桐 そこから生まれた音が 高く澄んだ秋の空に満てば
姿を変えながら流れていた雲は 貼り付けられたように止まり
その胸を打つ調べは 湘江の二女神に 竹に涙注がせ
音楽を知る伝説の素女に 感動の涙を流させる
ああ 今 李憑が都で箜篌を弾いているのだ

それは 崑崙の玉が砕け散る音 鳳凰の歌
蓮からこぼれる密かな涙 蘭の花の妖しい微笑み
都を守る厳めしい12の門さえ開かせる
その23弦の変幻自在の音色は 皇帝陛下のお心すら動かした

もし 女渦が石を煉り 共工が天に空けた大穴を直そうとしている時
この調べが流れて来たなら かの女神はうっとりと聞き惚れてしまい
再び石は破れて天を驚かせ そこから天の川が秋雨となって地に降り注いだろう
李憑が夢で仙界を訪れ 一弦琴の名手 太真王夫人に手ほどきをしたなら
大海に潜む*昆(こん)は波間を跳ね 深海に潜む蛟竜が天に昇って舞っただろう
月の大桂を切り倒せぬ呉質は 疲れ果てて眠るより 音に聞き惚れ桂に凭れ
休む間もなく仙薬を突く月兎さえ しばしの憩いを得たことだろう


*昆:本当は魚偏が要ります

10:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/10/03 13:47:52 ujMej+yx.net
こんにちはですよ
朝の龍井、午後の烏龍がめっきり美味しくなった今日この頃、皆さんはどんなお茶を
楽しんでおられますか?
一服というのは簡単ですけど、か~な~り大事なことなのですよ
ゆとりを取り戻すというのは、自分のテンポを取り戻すことですから
そうそう、ゆとりと言えば、今月は夜空を眺めてみては如何でしょうね
9日頃にジャコビニ流星群が北西の空で、22日頃にはオリオン座流星群が東の空で
ピークを迎える他、20日が十三夜だそうですから

まあ、今日はひとつ、そんな繋がりで月にちょっこし浪漫ちっくしてみましょうよ

11:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/10/03 13:48:11 ujMej+yx.net
  『関山月』  by戴叔倫  ????

月 出でて 関山を照らし
秋風 人 未だ還らず
清光(せいこう) 遠近無く
郷涙(きょうるい) 半書(はんしょ)の間


月が昇り 関所も故郷の山も 同じように照らされる
早くも 秋風が立つ頃となったのに 大切な人はまだ戻らない
月光は隔てなく降り注ぐのに 私達は遠く隔てられたまま
あなたからの手紙を 半分も読まないうちに 涙が溢れて読めなくなった

12:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/10/03 13:50:03 ujMej+yx.net
あ、そうそう
題名の後ろの ???? は、並んで月を眺めてる人の後ろ頭だと思って下さい

13:名無氏物語
10/10/03 18:40:55 WboT8t85.net
>>12
なにそれ

14:名無氏物語
10/10/04 18:39:39 dw1OG6+u.net
つまり、並んで月を眺めてるのは若い(尼)僧たちなのですね。
逆光の月あかりに照らされているのが、斜め後ろから見えます。

15:名無氏物語
10/10/05 13:45:41 dzHl5Mlb.net
>>14
見えねえよ馬鹿

16:名無氏物語
10/10/07 19:55:53 3H6U1NiS.net
このスレ楽しみにしてます

17:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/10/17 10:41:57 gPZNyUVV.net
こんにちはですよ
秋は静かな筈なのですがなぜかバタバタで、優雅に物思いに耽る間もありませんよ
まったくもう

やっと出来た余暇ですから、しみじみ李白ワールドに浸りますよ

18:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/10/17 10:42:14 gPZNyUVV.net
  『秋浦歌 其一』  by李白

秋浦 長(とこし)えに秋に似たり
蕭條(しょうじょう)として 人をして愁えしむ
客愁(かくしゅう) 渡(すく)う可(べ)からず
行きて 東大楼に上る
正西(せいせい)に 長安を望み
下に 江水(こうすい)の流るるを見る
言(げん)を寄せて 江水に向かう
汝の意 儂(われ)を憶うや不(いな)や
遙かに一掬(いっきく)の涙を伝えて
我が為に揚州に達せよ

19:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/10/17 10:43:15 gPZNyUVV.net
訳っぽいものw


秋浦はいつも秋景色
なんとなく淋しくて 切なくなる
沈む心をどうにも出来ず
町の東の大楼山に上ってみた
ここより真西にずっと行けば長安
眼下には長江が流れている
万感の想いを一言にして 川に託そう
あなたはまだ私を憶っていてくれますか
止め処なく流れる涙と共に 伝えてくれ
遙々と 私の為に揚州まで

20:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/10/17 10:48:26 gPZNyUVV.net
余談ですが、私、恥ずかしながら「一掬の涙」の意味を「ほんの少しの涙」だと思ってました
本当は「両手に掬うほど大量の涙」で、時には「少しの涙」の意味にも用いるのですね
(あああ、マジで阿保です私……orz)
わかっているつもりでも辞書を引く
基本的なことですが、実に大事だと思いましたよ

21:名無氏物語
10/10/17 18:35:21 kWD97wT0.net
「蕭條」は「うら寂しい」様子
漱石の漢詩にしょっちゅう使われている。

22:名無氏物語
10/10/18 01:10:12 HCDOVW5b.net
李白キタ━(゚∀゚)━!!

23:名無氏物語
10/10/19 22:34:46 gboQl5yx.net
うら‐さびし・い 【▽心寂しい/▽心×淋しい】
[形][文]うらさび・し[シク]なんとなく寂しい。もの寂しい。こころ寂しい。「―・い冬木立」

24:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/10/24 20:16:23 3LKbFw9L.net
こんばんはですよ
どうしてでしょうねえ、秋は何かいろいろ物思いに耽ってしまいますよ
  跡もなき 庭の浅茅に結ぼほれ 露の底なる松虫の声(式子内親王) とか
  あだに散る 露の枕にふし詫びて うづら鳴くなり 床の山風(藤原俊成娘) とか
ついつい我が身に準えてしまいますねえ

さて、露は冷たき世間から生まれるのでしょうか
それとも、自分の揺らぐ心から生まれるのでしょうか
しばし みんなで旅人になりましょうか

25:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/10/24 20:16:40 3LKbFw9L.net
  『西山』  by常建

一身 軽舟と為る
落日 西山の際
常に 去帆(きょはん)の影に随い
遠く 長天の勢いに接す
物象(ぶっしょう) 余清(よせい)に帰し
林巒(りんらん) 夕麗(せきれい)を分かつ
亭々として 碧流暗く
日 入りて 孤霞(こか)継ぐ
洲渚(しゅうしょ) 遠く陰映し
湖雲 尚お明霽(めいせい)なり
林 昏(くら)くして 楚色来たり
岸 遠くして 荊門(けいもん)閉ず
夜に至りて 転(うた)た清迥(せいけい)
蕭々として 北風 厲(はげ)し
沙辺(さへん) 雁鷺(がんろ)泊し
宿処 蒹葭(けんか)蔽(おお)う
円月 前浦に逗(とど)まり
孤琴(こきん) 又 揺曳(ようえい)す
冷然として 夜 遂に深く
白露 人の袂を沾(うる)おす

26:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/10/24 20:17:33 3LKbFw9L.net
はい、お訳束ですw


小舟のような旅暮らし
(今日も早や) 陽は西山に落ちかかる
いつも この舟を見守るかのように聳え
その姿は 天に届きそうだ
何もかもが 秋の清々しさに包まれる中
山麓は夕映えに染まる
長江は青く 暗く 遙か彼方へ流れ行き
日が落ちた後には 朱色を映した一片の雲
遠くの中洲や渚は 仄かに明るく
湖上の雲も まだくっきりと見えている
(やがて 残光は消え) 林は 闇と寂しさに包まれ
ずっと向こうの荊門も 閉ざされてしまった
夜になると いっそう気温が下がり
冷たい北風が 身に凍みる
岸の砂地の巣の中で 雁や鷺が眠っている
私は 葦の茂みの中に宿りしよう
まん丸な月が 目の前の入り江を静かに照らしている
そこへ 漣に煌めく月影に合わせるように
哀調を帯びた琴の音が響く
冷え冷えと更け行く夜
私の袖は 露でしとどに濡れていた

27:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/10/24 20:18:30 3LKbFw9L.net
ところで、この板の方々は奥床しい方ばかりとみえ、(素敵だなあ(≧∇≦)b )と憧れていた、
美しい言葉を語り継ぐ素晴らしい幾つかのスレは未だ復活していません
大変勿体なく、残念に思い、過去ログを持たぬ私は露ならぬ涙で袖を濡らしていますよ

28:名無氏物語
10/10/28 23:38:48 OuPwL6da.net
URLリンク(desktop2ch.net)に無い過去ログですか。
当時のスレのURLがあれば、DAT落ちスレミラー変換等で見られるかもしれませんが…
スレの復活は絶望的みたいです。
ルビーさんのように新たにスレを立てるしかないようです。
ルビーさん、いっそスレ立てて当時の住人さん達を召還しちゃえばいいのでわ。


29:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/10/31 11:02:59 oLPHOe8z.net
おはようございますよ
知り合いが「台風を蹴飛ばしたら消えた」と言ってましたが、なんのこっちゃ?

>>28
レスして頂いてありがとうございます
>いっそスレ立てて当時の住人さん達を召還しちゃえばいいのでわ。
そうですね
実はそれも考えましたが、私のような糞コテが他人様の大切なものに手出しするのは
烏滸がましいことです
でも、復活して欲しい気持ちも山のように有りますし
今しばらく悩み続けますよ

さあ、それでは今日の詩を

30:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/10/31 11:03:39 oLPHOe8z.net
  『夜食炒栗有感』  by陸游

歯根(しこん)浮動して 吾が衰えを嘆く
山栗炮(や)き燔(あぶ)りて 夜の飢えを療(い)やす
喚び起こす 少年 京輦(けいれん)の夢
和寧門(わねいもん)外 早朝し来たるを

31:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/10/31 11:04:54 oLPHOe8z.net
訳さなくても良いでしょうが、まあ「お決まり」と言うことでw


歯がぐらつくようになった
ああ 歳は取りたくないものだ
夜 小腹が空いたので 山栗を焙って食べたら
若かりし日のことを思い出した
宮中に出仕していた頃 早朝の時間待ちの間に
よくこうやって炒栗を食べていたなあ

32:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/10/31 11:05:56 oLPHOe8z.net
異国での焼き栗って、なんだかお洒落で美味しそうな感じがしませんか?
私も昔、某マンガで主人公が美味しそうに焼き栗を食べている所を見て、
ずっと憧れていたのですよ
ただ、疑問がひとつありました
その時の擬音が「ポリポリ」だったので
普通は「もぐもぐ」とか「ぱくぱく」みたいな感じでしょう?
でも、数年前の正月、イスタンブールで焼き栗を食べてわかりました
鉄板の上で焼かれている栗は、外側が焦げているわりにさほど熱くもなく、
甘みはほんの少しあるものの、どちらかと言えば青臭くて固い生焼け風で、
我々が思っている甘栗のような焼き栗とは全然別物だった訳ですよ
さて、陸翁が食べた炒栗はどんな味だったんでしょうね

33:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/11/07 07:30:06 oTrnk7qp.net
おはようございますよ
このところ、どこもかしこも雲行きが妖しいですねえ
節が曲がりすぎじゃないかと思える人も多いので、ちょっとこんな詩を選んでみましたよ


  『書端州郡斉壁』  by包拯

清心は 治の本(もと)為(た)り
直道は 是れ 身の謀(はかりごと)なり
秀木は 終(つ)いに棟と成り
精鋼は 鈎(かぎ)を作らず
倉 充(み)たば 鼠雀(そじゃく)喜び
草 尽きなば 兎狐(とこ)愁う
史冊(しさつ)に遺訓有り
来者に 羞(はじ)を貽(のこ)す毋(なか)れと

34:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/11/07 07:31:39 oTrnk7qp.net
もう、これはそのまんまですね
はいヽ(^^;)


清い心は理念の根本である
正義の道を歩むべく 常に思いを巡らせよ
真っ直ぐな木は やがて棟木となって建物を支えるし
立派な鋼で 曲がったカギを作りはしない
しかし 国庫が豊かになれば それを喰らおうと貪官が喜ぶし
暴き立てれば 小狡いだけの小物ばかりが悲しむことになる
歴史上にはそんな教訓がたくさん残されている
“後世に恥を残す勿れ”と

35:名無氏物語
10/11/11 02:02:35 bn2O2z07.net
しかし国庫~以前と以後のつながりがよくわからない
清心だけでもダメってことでしょうか?

36:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/11/14 09:21:46 stvak5ah.net
おはようございますよ
黄砂のお陰で、昨日はせっせと窓を洗いましたよ

>>35
為政者の腐敗・堕落に憤りを感じ、彼らを倒して新しく政治を司った人々も、最初は
クリーンな政治・民衆の為の政治を心がけたと思うのですよ
しかし、地位と名誉、それに伴う財産が出来てくると、彼らもまた前の人々同様
自分の欲望を満たす事に傾いて行き、やがて別な人々にとって替わられてしまう
……と言うことではないかと思うのですよ

37:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/11/14 09:22:41 stvak5ah.net
こんな詩もありますよ


  『閑居感懐』  by方孝孺

我は 今世の人に非ず
空しく懐(いだ)く 今世の憂
憂うる所は 諒(まこと)に他無く
慨想す 禹の九州
商君 以て秦に為し
周公 以て周に為す
哀しい哉 萬年の後
誰か 斯(こ)の民の為に謀らん

38:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/11/14 09:22:49 stvak5ah.net
私は 時代遅れな人間だ
だが どうにもならないとわかりつつ
今の世の中を憂えている
嘆かわしい
この国は伝説の禹が開いたと言うのに
商君は 秦の為に
周公は 周の為に政を司ったのに
しかし 悲しいことに それから万年の後の今
誰が国民の為に心を砕いていると言うのか

39:名無氏物語
10/11/16 00:36:05 ftr0/a+p.net
わざわざ似た詩までひいてくださるとは!ありがとうございます。


40:名無氏物語
10/11/17 12:43:12 rWIsMf1u.net
漢文に長じた方々の集まりとお見受けします。
ネットであちこち探しましたが(探し方が下手くそなんだろ...)
どーしても見つけられなんだ。
もし下記の七言律詩の書き下し文や現代語訳をご存知の
方がいましたら是非教えて下せ~


題東谿公幽居  李白 作と思います

杜陵賢人清且廉、東渓卜築歳時淹。
宅近靑山同謝眺、門垂碧柳似陶潜。
好鳥迎春歌後院、飛花迭酒舞前簷。
客到但知留一酔、盤中祗有水精鹽。

41:名無氏物語
10/11/20 13:33:28 HPhoWEIK.net
杜陵:今陝西省西安市東南
賢人:指東谿公
東渓:(今)塗県近くの川
卜築:隠居
歳時淹:長い時間がある
青山:(今)塗県近くの山
門垂碧柳:門の前に柳を植える
同、似:似せる
謝眺、陶潜:人名、有名な詩人
好鳥迎春歌後院:鳥が裏庭に歌う
飛花迭酒舞前簷:花びらと酒の香りが屋下に舞う
客到但知留一酔:客人が来れば酒で招待する
盤中祗有水精鹽:でも、おかずは塩だけ(清廉)

42:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/11/21 14:41:48 0CCBKDLC.net
こんにちはですよ
今日はいいお天気で、私、近くのお寺の縁日に出かけておりましたよ
ああいう所の出店というのは不思議なもので、新品からガラクタ、重宝な物から不要な物まで
すっげーいろんなものが売られています
見て歩くだけでも楽しいですが、お目当ての物に出会って値段が折り合った時は、ホントに
嬉しいことですよ

あー、さてさて
40さんのご依頼ですが、最初に言っておきますよ
私の場合はスレタイでおことわりしているように、【読み下しも適当で、訳もデタラメ】です
わはははは!

さあ、それではやってみましょうか
41さんの調べて下さった事と全然違う部分がいっぱいありますが、そこは笑って下さい
ヨロシクですよ

43:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/11/21 14:44:15 0CCBKDLC.net
  題東谿公幽居

杜陵の賢人 清にして廉
東渓に卜築(ぼくちく)し 歳 まさに淹(わた)る
宅 青山に近く *謝眺に同(ひと)し
碧柳 門に垂るるは 陶潛に似る
好鳥 迎春を後院に歌い
飛花 前檐(ぜんえん)に送酒を舞う
客 到らば ただ一酔を留むと知る
盤中 水精の塩あるのみ


*謝眺:眺は目偏になっていますが、正しくは月偏です

44:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/11/21 14:46:12 0CCBKDLC.net
こんな感じですかw


清らかで高潔な人だと皆が言う 杜陵の賢人は
東渓に良い土地を求めて住居し もう一年になろうとしている
その家から見える雄大な山の景色は まるで謝眺が詠んだ詩のようだ
門前の緑滴る柳の木は あの陶潜が書いた物語を思わせる
裏庭では 小鳥が好い声で 春の喜びを歌っている
花びらは 酒を勧める技女たちのように 艶やかに軒先を舞い飛んで行く
旅人が訪れたなら きっとほろ酔いで夢を見たのだと思うだろう
膳の上には 水晶の塊のように澄んだ酒が置かれているのみ

45:名無氏物語
10/11/21 20:35:09 38N2YrnR.net
>44さん:その感じですよ
えっと、僕>41です、日本人ではありませんけど、漢文と日本語が大好きです。
ここでみんな様と一緒に勉強したいです。よろしくお願い致します。

46:名無氏物語
10/11/22 15:24:09 RV0CnNRG.net
>>44
>>45
ありがとうござります~!!!

それで...
題名?らしき「題東谿公幽居」は何と読めばいいの?

47:名無氏物語
10/11/22 17:13:27 0a+IcWW/.net
>>45
よろしく!

>>46
『東谿公(とうけいこう)の幽居(ゆうきょ)に題(だい)す』でいいんじゃあるまいか

48:名無氏物語
10/11/26 12:40:05 oG7hquIh.net
>>44
でたらめでも全く知識がない者から見たら
これが正解になります~(^◇^;)
>>47
お二人方?
とても助かりました!
ありがとうございました。


49:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/11/27 11:13:26 FuXEWTYc.net
こんにちはですよ
(ああー、もうじき師走ですよ)なんて思っていたら、知人は昨日忘年会をやったとか
何でも、12月じゃあメンバーの都合の合う日がなかったんだそうです
なんとまあ…

>>45
こちらこそよろしくですよ
ネット上ではリアルのことは全然関係ねーですよ
同じことを一緒に楽しめるなら仲間です(* ^ー゚)

>>48
お礼なんてとんでもねーことですよ
私も知識がねーので、毎回辞書を引き引きやってますから
もし、他所でここの読み下しやら訳なんぞを披露したら、不名誉を被ること確実ですよ(汗


えー、今日の詩は前回「陶潜」が出て来たので、その繋がりで行きますよ

50:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/11/27 11:13:58 FuXEWTYc.net
  『於王撫軍坐送客』  by陶淵明

秋日 淒(せい)として且(か)つ厲(れい)なり
百卉(ひゃくき) 具(とも)に已(すで)に腓(や)む
爰(ここ)に霜を履(ふ)むの節(せつ)を以て
高きに登りて 将(まさ)に帰らんとするに餞(はなむけ)す
寒気 山澤(さんたく)を冒(おお)い
游雲(ゆううん) 倏(たちま)ち依る無し
洲渚(しゅうしょ) 四(よ)もに緬獏(めんばく)たり
風水 互いに乖違(かいい)す
夕べを瞻(み)て 良讌(りょうえん)を欣(よろこ)ぶも
離筵(りえん) 聿(ここ)に云(ここ)に悲し
晨鳥(しんちょう) 暮来(ぼらい)還り
懸車 餘暉(よき)を斂(おさ)む
逝くと止まると 殊路を判(わか)つ
駕を旋らせば 悵(ちょう)として遅々たり
目送す 回舟の遠きを
情は万化(ばんか)に隨いて遺(わす)る

51:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/11/27 11:14:28 FuXEWTYc.net
秋の日は冷やかに 速やかに過ぎて行く
様々な草木も 盛りの時を過ぎてしまった
そろそろ 朝夕に霜を踏むようになった頃
寒々しい気配が 山や沼に立ち込め
浮浪雲は 流れ流れて姿を変える
川の中州の波打ち際は どこもかしこもぼんやり霞み
風はこちらへ 川はあちらへ 離れ離れに
素晴らしい夕景色と 立派な宴席は喜ばしいが
これがあなたとの別れなのだと思えば 言葉に出来ぬ程悲しい
朝 巣を飛び立った鳥が 日暮れと共に戻り
空を染めた残照も 次第次第に翳り行く
再び戻ることのないあなた ここに留まる私 この先はもう離れ離れ
帰りの馬車を呼ぶが 後ろ髪を引かれる思いでなかなか乗り込めず
遠ざかるあなたの舟を いつまでも見送った
だが この悲しみもきっと 時の流れと共に心の奥に埋もれてしまうのだろう

52:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/11/27 11:17:41 FuXEWTYc.net
ちょっとおまけ

「離筵」が「離言(別れの言葉)」になっているものもあるそうです

53:Fucakinei
10/11/27 11:37:23 jIvGN6GP.net
はい、「離筵」ではなく、「離言」です。

秋日淒且厲,百卉具已腓。
爰以履霜節,登高餞將歸。
寒氣冒山澤,遊雲倏無依。
洲渚四緬邈,風水互乖違。
瞻夕欣良宴,離言聿雲悲。
晨鳥暮來還,懸車斂餘輝。
逝止判殊路,旋駕悵遲遲。
目送回舟遠,情隨萬化遺。

54:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/12/05 14:47:37 MuzWjFMN.net
こんにちはですよ
なんか一気に加速して冬ですよ
暖かい鍋物と酒がウマー!な季節ですよ
しかし、飲んでも良いですが、他人様に迷惑を掛けちゃいけねーですよ
お酒は楽しく飲まなくちゃあ、ね

そんな訳で、今日はちょいと楽しい酔っ払いの詩をどぞー♪

55:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/12/05 14:47:56 MuzWjFMN.net
  『遣興』  by辛棄疾

酔裡 且(しば)し歓笑(かんしょう)を貪(むさぼ)らんも
愁いを要す 那(なん)ぞ功夫(こうふ)を得んや
近来 始めて覚(さと)る 古人の書
著わせしを信ぜしも 是とする処(ところ)全く無し

昨夜 松の辺りに酔い倒れ
松に問う 我が酔い何如(いかん)
只だ疑う 松の動きて来たり扶(たす)けんとす
手を以って 松を推して曰く 去れと

56:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/12/05 14:48:38 MuzWjFMN.net
こんなもんでしょうか


酔っている間だけでいいから 楽しくやりたいと思うが
悲しいことに夢のまた夢 そんな暇があるものか
最近 昔の人の書いた事が やっと少しわかってきたのだが
なるほどなと思うところはあるが 現実には役に立たない

昨夜 松の木の側で酔って寝転んだ
で 松にちょっと聞いてみた 「どうだい 私の酔いっぷりは」と
すると 信じられないことに 松が動いて私を助け起こそうとしたので
慌てて手で松を押し返し あっち行けと言ったんだ

57:Fucakinei
10/12/05 19:16:11 lQjY7JFD.net
それは詩じゃなく、詞です。詞牌の名は「西江月」です。

58:名無氏物語
10/12/11 20:48:39 quXuDV12.net
「もし,GMにMSのような技術があれば,我が社の自動車の性能は次のようになるだろう。」
1.特に理由がなくても,2日に1回はクラッシュする。
2.ユーザーは,道路のラインが新しく引き直されるたびに新しい車を買わなくてはならない。
3.高速道路を走行中,ときどき動かなくなることもあるが,これは当然のことであり,
 淡々とこれをリスタート(再起動)し,運転を続けることになる。
4.何か運転操作(例えば左折)を行うと,これが原因でエンストし,再スタートすらできなくなり,
 結果としてエンジンを再インストールしなければならなくなることもある。
5.車に乗ることができるのは,Car95とかCarNTを買わない限り,1台に1人だけである。
 ただその場合でも,座席は人数分だけ新たに買う必要がある。
6.マッキントッシュがサンマイクロシステムズと提携すればもっと信頼性があって,
 5倍速くて,2倍運転しやすい自動車になるのだろうが,全道路のたった5%しか走れないのが問題である。
7.オイル,水温,発電機などの警告灯は「一般保護違反」という警告灯一つだけになる。
8.座席は,体の大小,足の長短等によって調整できない。
9.エアバッグが動作するときは「本当に動作して良いですか?」という確認がある。
10.車から離れると,理由もなくキーロックされてしまい,車の外に閉め出されることがある。ドアを開けるには,
 1ドアの取っ手を上にあげる,2キーをひねる,3ラジオアンテナをつかむ,という操作を同時に行う。
11.GMは,オプションとしてRandMcNally(GMの子会社)社製の豪華な道路地図の購入を強制する。
 もしこのオプションを拒否すると,車の性能は50%以上も悪化する。そして司法省に提訴される。
12.運転操作は,ニューモデルが出る毎に,はじめから覚え直す必要がある。
 なぜなら,それ以前の車とは運転操作の共通性がないからである。
13.エンジンを止めるときは「スタート」ボタンを押すことになる。

59:名無氏物語
10/12/11 22:32:32 N18+e0ae.net
書道の課題に出た詩の内容がが判らなくて悲しんでおります。
検索しても、現代語訳というか?解釈ですか?がヒットしません。
文法的に厳格な訳は必要ないのですが、おおよそどのような
ことを詠んでいるのか、お聞かせ願えませんでしょうか?
スレに集っていらしゃる方々のお知恵を、無学なわたくしに
どうか分け与えていださいませ。


朱處士希晦 朱希晦

寄周廷石(←という人?) 

門外曾無長者車,一身奔走豈安居。誰憐杜老常為客,我怪洪喬不寄書。
煙色春歸楊柳底,雨香紅入杏花初。溪山咫尺風塵隔,却憶情人會面疎。

60:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/12/12 15:05:22 C4lP4/PW.net
こんにちはですよ
昨日今日と家の大掃除をしたら、体中がギシッて痛ぇー!ですよ
元々、私は肉体労働には不向きなヒトなのです
これに懲りて、会社の大掃除はうまく口実を作ってフケる事に致しますよ

>>57
ナイス突っ込みありがとう!ですよ
いやいや、一人滑りだったらどうしようかとドキドキしてたので、すんげー嬉しいですよ

>>59
冗談とノリで良ければやってみましょうか
しかしですね、大切なことは遊び場で適当に聞いたりしねーで、師匠や先輩方にきちんと
教わるべきだと思いますよ

61:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/12/12 15:05:39 C4lP4/PW.net
門外 長者の車 かつて無し
一身に奔走す 豈(あに)安居せざるや
誰ぞ憐れむ 杜老の常に客と為り
我は怪しむ 洪喬の書を寄せざるを
春の色は 楊柳の底(うち)に帰して煙り
雨は 紅入り初(そ)めし杏花に香る
溪山 咫尺(しせき) 風塵を隔て
却って憶う 情人の会面疎し

62:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/12/12 15:09:01 C4lP4/PW.net
こんなん出ましたけどw



金持ちの門前に そこの車が止まっていたことは全くない
旦那自ら車に乗り込み 毎日東へ西へ走り回る なんでちっとも休まないんだろう
世間様は そんな金持ち旦那を 漂泊の詩人“杜甫”みたいだと憐れんでいるが
私は “洪喬”に手紙を託せば川に捨てられるから 自分で出掛けるんじゃないかと思ってる
あたりは春霞みに覆われ どこもかしこも 楊柳の早緑色でいっぱいになり
雨でさえ ようやく赤く咲き始めたアンズの花の香りを運んで来る
ほんの少し 山や谷川に分け入れば そこはまさに別天地
とても親しい人と会う事でさえ なんだか億劫に思えてしまう程だ

63:59
10/12/12 20:02:45 xGFtmzBa.net
>>60
送って頂いた手本で通信ぽくやってるのですが、先生にたずねて
良いものなのか、業界?のしきたりを知らないので尋ねることを
ためらっていて、こちらで教えを乞いました。
お手本を丁寧に臨書すれば見た目はそれらしき物は仕上がりますが、
やはり内容がわかると筆の運びも良くなる気がしてきます。
ご教示くださり本当にありがとうございました。

64:名無氏物語
10/12/23 20:05:57 pq7mS1cz.net
書初めのお題がさっぱり意味がわからないんです
どなたか教えていただけると幸いです

春草池塘詩夢裏 梨花庭院酒樽前(武衍)


ネットで調べてみると
こんなのがありましたが、裏と樽の字が違ってるのが気になる・・・

睡?
睡???忽惘然,起翻云母?炉烟。
半醒不醉宿酲思,欲雨又晴寒食天。
春草池塘?梦里,梨花庭院酒尊前。
?怜倦客?安市,?物?心?旧年。

65:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/12/23 20:54:52 hfsikIFr.net
こんばんはですよ

>>63
少しきつい言葉になってしまったようで、申し訳ねーですよ
ただ思うのですよ
知識なら、本を読んだり、目の前の箱やモシモシで検索すれば簡単に得ることが出来ます
が、それだけですよ
師匠や先輩方からものを教わる時には、必ず幾ばくかのプラスαが付いてきます
そのプラスαこそが知恵であり、人間性の幅を広げ深みを与えてくれるものなのですよ
だからこそ、『師匠や先輩方にきちんと教わるべき』だと私は思うのです

>>64
すみませんが、まずはお題を出した方に尋ねてみて下さい

66:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/12/23 21:12:15 hfsikIFr.net
さてさて、日曜日に“年末お買い物ツアー”なるものに参加して参りましたよ
日本海の幸を堪能し、楽しくどっさり買い物して家に戻り、マツバガニと日本酒で締め括って
さあ寝ようと思いましたら、とんでもないアクシデントですよ
なんと、長年愛用の羽布団が少し裂けて、部屋中に羽毛がふわ~!Σ(゚д゚lll)ガーン
真夜中なので掃除機をかけることも出来ず、とりあえず真新しい布団カバーで破れた布団を
くるみ、ホコリ取りと手で必死に羽毛を集めて捨てましたよ
いや~、禍福はあざなえる縄の如しと言いますが、本当ですねえ

こんなおバカな事をやってる内に、今夜は既に世間で言うイヴ・イヴですよ
大事な人に逢える人も逢えない人も、相手のことを思うのに良い日ではありませんか?
ロマンティックに流れ星を見たい方は、こぐま座流星群が活動中ですから、北極星の方を
見ると良いですよ

こちらは李商隠の詩をどうぞ

67:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/12/23 21:13:14 hfsikIFr.net
  『無題』  by李商隠

重幃(ちょうい) 深く下(おろ)す *莫愁(ばくしゅう)の堂
臥して後 清宵(せいしょう) 細々として長し
神女の生涯(しょうがい) 元(もと) 是れ夢
小姑(しょうこ)の居処 本(もと) 郎(ろう)無し
風波に 菱枝(りょうし)弱きを信(まか)せず
月露 桂葉の香を誰に教(つ)げしめん
直(たと)え 相思 了(つい)に益無しと道(い)うも
未だ妨げず 惆悵(ちゅうちょう)は是れ清狂(せいきょう)なるを

*莫愁:洛陽の美女の名前です

68:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/12/23 21:16:25 hfsikIFr.net
はいはい、適当ですよ


幾重もの帳(とばり)を深く下ろした 莫愁の部屋
彼女は独り横たわり 清らかな時間だけがゆっくり静かに流れて行く
巫山の神女の契りは 元々 夢の中の話だった
青渓の少女のところには 恋人など現われなかった
もしいたなら か弱い菱の枝を風波に翻弄させたりしないだろう
冷たく輝く月の光に 誰が桂の香り高さを思ってくれるだろう
恋愛など 無駄なことだと世間は言う
だが 恋狂いと呼ばれても 我が愛は止まず

69:Fucakinei
10/12/23 22:11:27 fLERoWTM.net
>>64

「睡覺」

睡覺東風忽惘然,起翻雲母續爐煙。
半醒不醉宿酲思,欲雨又晴寒食天。
春草池塘詩夢裡,梨花庭院酒尊前。
誰憐倦客長安市,節物驚心憶舊年。

これですか?
私 日本語苦手ですから、ルビー・Dさんの解釈を待ちましょう。

70:名無氏物語
10/12/24 11:04:53 oHNy8n2c.net
chūn mián bù jué xiǎo  
春 眠 不 觉 晓 ,
chù chù wén tí niǎo  
处 处 闻 啼 鸟 。
yè lái fēng yǔ shēng  
夜 来 风 雨 声 ,
huā luò zhī duō shǎo  
花 落 知 多 少 。

71:名無氏物語
10/12/24 11:05:43 oHNy8n2c.net
七步诗

zhǔ dòu rán dòu qí  
煮 豆 燃 豆 萁 ,
lù chǐ yǐ wéi zhī  
漉 豉 以 为 汁 。
qí zài fǔ xià rán  
萁 在 釜 下 燃 ,
dòu zài fù zhōng qì  
豆 在 釜 中 泣 。
běn shì tóng gēn shēng  
本 是 同 根 生 ,
xiāng jiān hé tài jí  
相 煎 何 太 急 。

72:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/12/26 14:39:49 nJw8Qe9h.net
こんにちはですよ
早いもので、今日が本年最期の日曜日となりましたよ
みなさま、この1年間、こんなおバカなスレにお付き合い頂いて本当に有り難うございました
少々早いですが、一足先に仕舞わせて頂きますよ
どうか、誰方様もみな良いお年をお迎え下さい
また来年、お会い出来ることを楽しみにしております

それでは、本年最期の詩をどうぞ

73:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/12/26 14:40:10 nJw8Qe9h.net
  贈従弟司庫員外*球  by王維

少年 事を識ること浅し
強いて学んで 名利(めいり)を干(もと)む
徒(いたず)らに聞く 躍馬(やくば)の年
人に出(い)づるの智無きに苦しむ
事に即(つ)く 豈(あ)に徒言(とげん)ならんや
官を累(かさ)ぬ 試みざるに非ず
既に 性を遂(と)ぐるの歓び 寡(すく)なし
恐らくは 時に背くの累を招かん
清冬に遠山を見れば
積雪 蒼翠(そうすい)を凝らす
皓然として 東林より出で
我が遺世(いせい)の意を発す
恵連(けいれん) 清(せい)を素(もと)より賞す
夙(つと)に 塵外の事を語る
手を携うるの期を 緩(ゆる)うせんと欲す
流年 一に何ぞ駛(はや)き

*球:本当は糸偏に求と書きます

74:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
10/12/26 14:40:46 nJw8Qe9h.net
やく:


若い頃は 考えが浅く
ひたすら勉強して 名誉と利益を得ようとした
出世するには43年有ればいいと 話には聞くけれど
人に抜きん出た才覚もなく 悩むばかりの日々だった
ただ 働くのは一生懸命働いた 嘘ではない
次々官職に就いたのだから 怠けていた訳ではないのだ
しかし 自分の才能を活かせる歓びは ほとんどなく
それどころか 高潔の士気取りだと 陰口を叩かれる有様
清々しい冬のある日 遠くの山を眺めれば
降り積もった雪が 濃い緑の木々をすっかり覆い隠している
真っ白に輝いて 東の林の向こうから姿を現し
私に 俗世から去ろうとする気を起こさせる
君は謝恵連のように 普段から 清らかな暮らしを良しとし
昔から 煩わしい世間を離れた生活について語っていた
いつか一緒にそんな暮らしをと言いつつ なんとなく延び延びになっているが
流れる月日というのは 本当に恐ろしく速いのだよ

75:名無氏物語
10/12/28 01:06:11 fsnbftQd.net
井伏鱒二の訳なんか好きなんですが、
>>1さん影響とか受けてたりしますか?

76:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/01/03 11:17:57 069w3J5s.net
あけましておめでとうございますよ
本年も相変わらずよろしくお願い致しますよ

初詣にちょいと遠くへ出掛けて、帰って来たら日本列島が冷え冷えで参りましたよ
お酒が買ってあって良かったですよ
なけりゃ今頃凍えてますよ

>>75
返事が遅くなって済まねーですよ
うんにゃ、そんな大先生の影響なんぞ全然ねーですよ
思うのですが、文学などは百人百様の受け取り方や解釈の仕方があって良いのでは
ねーでしょうか
人はみんな資質も環境も違うのですから、感じ方が違ってもおかしくねーでしょう?
まあ、学校のテストの答えはひとつしかねーですがヽ(^^;)

あああ、酔っ払ってると文章がますます怪しいですよ
申し訳ねーですよ
そこで今日は、酔っ払ってもすげー才能を発揮した人々の事をうたった詩をお送りしますよ
どうぞ楽しんで下さいよ

77:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/01/03 11:18:21 069w3J5s.net
  『飲中八仙歌』  by杜甫

知章が馬に騎(の)るは 船に乗るに似たり
眼花(がんか) 井に落ちて水底に眠る
汝陽は三斗にして 始めて天に朝し
道に麹車(きくしゃ)に逢えば 口に涎を流す
恨むらくは 封を移して酒泉に向かわざりしを
左相の日興(にっきょう) 万銭を費やす
飲むこと 長鯨の百川を吸うが如し
杯を銜(ふく)み 聖を楽しみ 賢を避くと称す
宗之は*瀟洒たる美少年
觴(さかずき)を挙げ 白眼にして青天を望む
皎(きょう)として 玉樹の風前に臨むが如し
蘇晋は長斎す 繍仏(しゅうぶつ)の前
酔中 往々 逃禅を愛す
李白は一斗 詩百篇
長安市上 酒家に眠る
天子 呼び来たれども 船に上らず
自ら称す 臣は是れ酒中の仙と
張旭は三杯 草聖(そうせい)伝う
帽を脱ぎ 頂を露(あらわ)す 王公の前
毫を揮い 紙に落とせば 雲煙の如し
焦遂は五斗 方(まさ)に卓然
高談 雄弁 四筵(しえん)を驚かす

*瀟洒:洒の字が本当はさんずいに麗です

78:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/01/03 11:20:28 069w3J5s.net
いつもながら、適当にやりましたよw


知章が馬に乗っていると 船上にいるように揺れている
眼が眩んで井戸に落ちても 水底でそのまま眠っているだろう
汝陽王は 三斗の酒を飲んでから やっと朝廷に出向くが
道中 麹を積んだ車に出会えば 涎をたらたら
酒の湧く泉がある所へ 任官したいと願っている
左相である李適之は 毎日の楽しみに大金を費やす
巨大な鯨が百の川の水を一息に吸い込むような飲みっぷり
飲む度に 聖人の境地を楽しみ 賢人なんかになりたくないと言う
宗之は 上品な美少年
杯を挙げ 世俗を離れ 青い空を見上げる様は
まるで 神々しい宝玉の樹が 静かに風に吹かれているようだ
蘇晋は 長々 長々 刺繍の仏を拝んでいるが
酔うとすぐ 坐禅をサボろうとする
李白は 一斗飲むごとに 百篇の詩を作る
長安の居酒屋で酔いつぶれている所に
皇帝から呼び出しが来たが 迎えの舟に乗らなかった
そんな彼が自分で言う 私めは酒の世界の仙人なのです と
張旭は 三杯飲めば筆に神を宿し 人は彼を草聖と讃える
彼は 王公の前でも平気で被り物を取り 素頭を曝す
だが 紙上に筆を揮えば たちまち雲が湧くように 素晴らしい文字が踊る
焦遂は 五斗ほど飲めば それはもう気高さに溢れた人となる
そして 高尚な話を滔々と語り 満座の人々を感動させるのだ

79:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/01/08 23:56:51 gA3NdrNt.net
こんばんはですよ
年明けからこちら、思い切りガクブルですよ
風邪の人がいらしたら、本当に大変だと思います

この季節、滅多に雪が積もらない大阪でも雪が降ったりしますよ
すると、雪国に暮らす人々から見れば笑い話のような小さな事故があちこちで起こります
雪に慣れていない所為なのですが、そんな所だからこそ降雪の大変さを思うより、
雪景色に憧れを持ってしまうのですね

今日はそんな詩の中から、“豚の角煮”で有名な蘇東坡の詩をひとつお送りしますよ

80:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/01/09 00:00:47 gA3NdrNt.net
  『雪後書北台壁 其一』  by蘇東坡

黄昏 猶お雨の繊々たるを作す
夜 静かにして 風無く 勢い転(うた)た厳なり
但だ覚ゆ *衾綢(きんちゅう)の水を*溌(そそ)ぐが如し
知らず 庭院の已に塩を堆するを
五更の暁色 書幌(しょこう)に来たり
半月の寒声 画簷(がえん)に落つ
試みに 北台を掃(はら)いて馬耳を看れば
未だ埋没に随(あ)わずして 双尖(そうせん)有り

*衾綢:綢の字が糸偏ではなく衣偏です
*溌ぐ:本当はさんずいに發と書きます

81:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/01/09 00:02:12 gA3NdrNt.net
こんな感じですかw


夕方 細々と降っていた雨は
夜には止み 風もおさまったが 代わりに寒さがひどく厳しくなった
寒い寒い 布団や夜着は冷水を浴びせられたみたい
しかし まさか 中庭に塩の山が出来ていようとは
夜明けの光が 書斎のカーテンに届き
半月の 寒さと嬉しさが綯い交ぜになった歓声が
軒先の雪に乗って滑り降りる
使用人に 北台(庭の北の築山の建物)の雪掻きをさせ
馬耳という名の 近くの名山を看れば
まだ ピンと立った二つの峰が 雪に埋もれることなくそそり立っていた

82:名無氏物語
11/01/10 14:03:28 Kq7yPD8x.net
私にとって、詩の半分は音韻で、残りの半分は内容だ。
音とリズムに身をまかせる心地よさ。
その意味で、上の方で 音表記を載せられた方に敬意を表したい。
また、この点について学識高きルビーさんの見解を求めたい。

83:82
11/01/10 14:05:02 Kq7yPD8x.net
訂正:×音表記→○ピンイン表記

84:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/01/16 13:48:52 08iTD7FC.net
こんにちはですよ
今日は強烈に寒いですよ
さっきゴミ出しに行って帰って来たら、鼻の下に氷柱が下がってましたよ
ああ、他人様に目撃されねーで良かったですよ

>>82
>学識高きルビーさん
鼻から脳味噌吹いちゃいましたよ、まったくもう
私なんざ“春眠 暁を覚えず”と聞いて、珉珉(みんみん)の餃子食いてーと思うような、
学識どころか知識の欠片もねーアホですよ
なので難しいことは全然わかりませんよ
でも、楽しみや楽しみ方は人それぞれですよ
同じ「旅行」が好きな人でも、精力的に観光地を見て回りたい人もいれば、お気に入りの
場所でだらーんと過ごしてたいひともいるでしょう?
デミタスカップでエスプレッソ飲むのが好きな人も、マグカップでアメリカンを飲むのが
好きな人も、どっちも「コーヒーが好きな人」ですしね
好きなものを思うように楽しめばいいと思いますよ


さてさて、今日の詩はこんなんですよ

85:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/01/16 13:49:37 08iTD7FC.net
  『宿温城望軍営』  by駱賓王

虜地 寒膠(かんこう)折れ
辺城 夜柝(やたく)聞こゆ
兵符(へいふ) 帝闕(ていけつ)に関し
天策 将軍を動かせり
塞 静かにして 胡笳(こか)撤(とお)り
沙 明らかにして 楚練(それん)分かる
風旗 翼影を翻し
霜剣 竜紋を転ず
白羽 揺らいで月の如く
青山 断って雲の若(ごと)し
煙は疎にして 幔を巻くかと疑い
塵は滅して *雰(ふん)を消すに似たり
筆を投じては 班業(はんぎょう)を懐(おも)い
戎(いくさ)に臨んでは 顧勲(こくん)を想う
還(ま)た 応(まさ)に漢の恥を雪(すす)ぎ
此を持して 明君に報ずべし

*雰(ふん)を消す:雰はきがまえの中に分、消すは金偏+(小の下に月)が正しい字です

86:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/01/16 13:51:17 08iTD7FC.net
(訳しながら、アンタ現場へ行ってねーでしょう?と突っ込んでしまいましたよw)


蛮族の住むこの辺りは 凍ったニカワが折れる程
そんな辺境の城に 夜回りの兵士が打つ拍子木の音が響く
朝議で討伐軍の出陣が決まり
それを預かる将と軍が遣わされた
静かな城の中を 寂しげな蛮族の笛の音が通り過ぎる
白く輝く砂と 兵たちの練り絹の軍服
風をはらんだ戦旗は 羽根飾りと共に大きく翻り
霜のように冷たく光る剣は 刀身の竜の姿を煌めかせる
兵を指揮する白羽扇が 月のように高く掲げられて揺れると
周囲の山並は 野を断ち切り 地平に湧く雲かと見紛うし
薄い霧は 陣営の幕を上げたかと思わせ
いつもの砂塵と同時に 不穏な気配すら消え去ってしまったかのようだ
私も筆を投げ捨て あの班超のように 異郷で功績を立てたく
また 戦陣に臨んで 顧栄のように武勲を打ち立てたいと思う
さあ 今こそ蛮族を倒して 我等の名誉と領土を奪い返し
英明なる皇帝陛下のご恩に報いようではないか

87:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/01/22 20:54:05 RYabeLxh.net
こんばんはですよ
冬の夜空は美しいですが、夜明け前もなかなか美しいですよ
殊にこの数日は西の空の有明の月が見事でした
が、夜明け前と言えばやはり金星は外せませんね
まだ空が白みかける前の東の空に、くっきりはっきり輝いて
それはそれは美しいものですよ

今日は、そんな夜明けの空の描写から始まる詩をお届けしますよ

88:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/01/22 20:54:39 RYabeLxh.net
  『早朝』  by王維

皎潔として 明星高く
蒼茫として 遠天 曙なり
槐霧(かいむ) 暗くして開かず
城鴉 鳴きて稍(ようや)く去る
始めて聞く 高閣の声
更衣の処を弁ずる莫し
銀燭 已に行を成し
金門 *趨馭(すうぎょ)儼(げん)たり

*趨馭の趨は走にょうではなく、馬偏が正しいです

89:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/01/22 20:56:49 RYabeLxh.net
これは朝廷へ出勤する官僚の姿をうたった詩だそうですよ


天高く 明けの明星が清らかに輝く頃
暗い夜空の彼方で 夜明けが始まる
槐の木を覆う霧は まだ深く立ち込めているが
城のカラス共は 朝の一啼きをして だんだん飛び立って行く
やっと 建物の辺りで人のざわめきが聞こえ始めたが
まごついて 休憩所が何処なのやら 聞くことすら出来ない
もうとっくに 銀の燭台を持ち 列をなしている人々すらいるのに
金馬門の周辺は 御供の騎士を従えた厳めしい馬車ばかり

90:名無氏物語
11/01/24 21:10:01 nfoHsdKQ.net
>>89
すみませんが、まずはお題を出した方にいつ出勤されるのか尋ねてみて下さい

91:名無氏物語
11/01/25 12:49:16 5KMj8HZQ.net
>>90
>お題を出した方
誰それ?

92:名無氏物語
11/01/27 05:52:22 pFcL/5mp.net
元は是れかな

 早朝
皎潔明星高
蒼茫遠天曙
槐霧暗不開
城鴉鳴稍去
始聞高閣声
莫弁更衣処
銀燭已成行
金門儼〓馭

で去声五御韻か
原文書いてくれると有難い

93:名無氏物語
11/01/27 12:44:34 puqMgqCq.net
>>92

94:名無氏物語
11/01/27 12:51:13 puqMgqCq.net
>>92
>原文書いてくれると有難い
それはしないと前スレでルビーさんが言ってたYo

95:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/01/30 18:44:00 ewLqRbKL.net
こんばんはですよ
日本列島冷え冷え!ですが、立春まではもう少し
来週には春節祭ですよ
爆竹鳴らして、獅子舞が来て、熱々の水餃子を頂くですよ
傍らのお酒は関帝などが宜しいですw

あ、さてさて
>>90
宿題やってる訳ではねーので、“お題を出した方”というのはいねーですよ
中国・朝廷等のキーワードでググってみては如何でしょう?

>>92
申し訳ねーですが、ここでは原文はスルーしてるですよ


さあ、それじゃ今日の詩行ってみましょうか

96:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/01/30 18:44:32 ewLqRbKL.net
  『幽州新歳作』  by張説

去歳(きょさい)荊南(けいなん) 梅 雪に似たり
今年(こんねん)荊北(けいほく) 雪 梅の如し
共に知る 人事は何ぞ嘗(かつ)て定まらん
且(しばら)く喜ぶ 年華(ねんか)の去って復(ま)た来たるを
辺鎮(へんちん)の戍歌(じゅか) 夜を連(つら)ねて動き
京城(けいじょう)の燎火(りょうか) 明に徹して開く
遙々(ようよう)として 西のかた 長安の日に向かい
願わくは上(たてまつ)らん 南山の寿 一杯

97:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/01/30 18:46:54 ewLqRbKL.net
適当に、まあ


去年 荊南にいた頃は 舞い散る梅が雪に見えた
今年 荊北にいると 雪が梅のように降りしきる
人生 何が起きるかわからない とは誰でも知っているが
とりあえず 新玉の春の再訪を祝おう
この辺境の町では 夜通し 守備兵達の歌が聞こえるが
都では 宮廷の篝火が一晩中焚かれていることだろう
我が君が南山の如く長寿を保たれるよう 乾杯

98:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/02/06 17:38:47 MX1Y+0Rt.net
こんばんはですよ
いやいや、立春に入った途端に3月なみのポカポカ陽気とは恐れ入りました
でもだがしかーし、油断は禁物ですよ皆様
これからは三寒四温、四日は暖かですが三日は寒いというアメムチ状態に突入!です
ちょうどそんなアメムチ状態の詩を見付けましたのでお届けしますよ

では、どうぞw

99:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/02/06 17:39:04 MX1Y+0Rt.net
  『立春』  by杜甫

春日 春盤(しゅんばん) 生菜(せいさい)細やかなり
忽(たちま)ち憶う 両京(りょうけい) 全盛の時
盤(ばん) 高門より出でて 白玉(はくぎょく)を行(めぐ)り
菜 纎手より伝わりて 青糸を送る
巫峡(ふきょう)の寒江  那(なん)ぞ眼に対せんや
杜陵(とりょう)の遠客(えんかく) 悲しみに勝(た)えず
此の身  未だ知らず 定処(ていしょ)に帰するを
児を呼び 紙を覓(もと)めて 一詩を題す

100:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/02/06 17:41:21 MX1Y+0Rt.net
立春の日 細かに切られた五色の野菜が 大皿に盛られている
それを見て 昔 洛陽や長安にいた頃の 華やかな日々を思い出した
祝いの皿は 富貴な家から あちこちの知り合いの元へ届けられ
菜はたちまち女性達の手で 青い糸のように 細く美しく刻まれていた
今は巫峡にいて 目に映る景色は 寒々とした川の流れだけ
都から 遠く杜陵に配されたことが 哀しくてたまらない
いつになれば私は都へ帰れるのか まったくわからない
やるせなく 童を呼んで紙を運ばせ 詩を書き留めた

101:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/02/06 17:44:55 MX1Y+0Rt.net
「ゴースト・プリンセス」ではありませんが、『生きてりゃいいことあるって』
と言ってあげたくなりますよ

あ、いいことと言えば来週は旅など行って来ようと思いますよ
いいお風呂に入りてーですよ、はい

102:名無氏物語
11/02/12 19:23:43 Xe4bOXSA.net
このスレは勉強になるなあ

103:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/02/20 19:57:50.74 ByGnBAxo.net
こんばんはですよ
もう雨水だと言うのにまだまだ寒いですよ
早く春一番が吹かねーかと思いますねえ

>>102
勉強だなんてとんでもねーです
楽しんで頂けたなら嬉しいですよ

あ、さてさて
先週お休みを頂いて我愛羅の所でお泊まりして来ました
いやいや、話には聞いていましたが本当に雪が深いのですね、越後湯沢のあの辺は
大雪で難儀して居られる方々もお有りだとは知っていますが、滅多に雪が降らない
所で暮らしている者にとっては、身の丈よりも深く積もった雪や軒から下がる氷柱など、
それはもう夢の世界なのですよ
殊に我々日本酒好きにはとても嬉しい事があります
それは、ロックグラスにキュッと握り固めた雪の玉を入れ、そこに酒を注ぐ雪割り酒や
その変形で、まぁるく固めた雪に10センチばかり折り取った氷柱を数本指したものに
酒を注ぐ「鬼ころし」が楽しめること
これは本物のフワフワ雪で無ければ全然美味くねーのです
あああ、自分が酒飲みで良かったー、としみじみ思いましたよ

自分の楽しみだけでなく、酒は友達の憂さを晴らす手伝いもしてくれますしね
そんな詩を今日はお届けしますよ

104:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/02/20 19:59:36.34 ByGnBAxo.net
  『酌酒與裴迪』  by王維

酒を酌(く)んで君に與(あた)う 君 自ら寛(ゆる)うせよ
人情の翻覆(はんぷく) 波瀾(はらん)に似たり
白首の相知(そうち) 猶(なお)剣を按じ
朱門の先達 弾冠(だんかん)を笑う
草色 全く細雨を経て湿(うる)おい
花枝 動かんと欲して春風寒し
世事(せじ)浮雲(ふうん) 何ぞ問うに足らん
如かず 高臥し且つ餐(さん)を加えんには

105:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/02/20 20:00:14.60 ByGnBAxo.net
こんな感じでどうでしょう


さあ 一杯やろう 気楽にくつろいでくれ
他人の気持ちがころころ変わるのは 寄せては返す波のようなもの
古馴染みの友同士さえ 裏切りの刀を何時抜こうかと謀っているし
先んじて出世した者達は 胸算用して冠の埃を払う連中を嗤ってる
雑草は ほんの僅かな雨さえ養分にしているのに
枝いっぱいの花のつぼみは 冷たい春風に縮こまったまま
でもね 世の中のことは浮き雲みたいに移り変わる
悩むことなんて要らない
そう 何にも気にせず 飯食ってりゃいい

106:名無氏物語
11/02/26 13:01:29.49 DbPck0az.net
去年今日此門中
人面桃花相映紅
人面不知何處去
桃花依舊笑春風

107:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/02/27 11:06:17.04 luhjkuoI.net
こんにちはですよ
春の行事は目白押しですが、気温がどうも乱高下なものでワタワタしていますよ

>>106
いらっしゃいませ、その詩なら
 【勝手に】感じで漢詩【解釈】
  スレリンク(kobun板)
こちらの75で『人面桃花』として取り上げてますのでヨロシク


春も待ち遠しいけど、お迎えもまた待ち遠しいものですよ
てな訳で、今日は李商隠の詩をどうぞ

108:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/02/27 11:07:03.27 luhjkuoI.net
  『重過聖女祠』  by李商隠

白石の巌扉(がんぴ) 碧蘚(へきせん) 滋(しげ)し
上清(じょうせい)より淪謫(りんたく)せられ 帰りを得ること遅し
一春 夢雨(むう) 常に瓦に飄(ひるがえ)り
尽日 霊風 旗に満ちず
萼緑華(がくりょくか) 来たるは 定むる所無く
杜蘭香(とらんこう) 去るは 未だ時を移さず
玉郎 会(かなら)ず此に仙籍を通ぜん
憶う 天階に向(お)いて紫芝(しし)を問いしことを

*萼緑華・杜蘭香:仙女の名
*玉郎:天界で仙人の名簿を管理する役職の仙人
*紫芝:仙人が服用する薬(仙)草

109:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/02/27 11:08:26.56 luhjkuoI.net
こんな感じでどうでしょう


白い岩の扉は すっかり緑の苔に覆われている
天界から流されて来た仙女がそこに ずっと帰れずにいるのだ
春中 幻のような霧雨が瓦を濡らしているが
終日吹く不思議な風は 旗を翻すには及ばない
萼緑華は何処からともなく現われ
杜蘭香は来てすぐ人界から去って行った
いつかきっと 玉郎が私の名を仙籍簿に記してくれる
ああ 天界の階で紫芝について問うた あの頃が懐かしい

110:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/03/06 11:36:23.01 wbK3jNdS.net
こんにちはですよ
今日は啓蟄だというのに、まだまだ寒いですよ
それでも、この間の雛祭りの日よりはマシですが
あの日はあんまり寒くて、ちらし寿司を京都のように蒸し寿司に、桜鯛の焼き物は
ホイル鼓焼きに、ハマグリのお吸い物はあんかけにしましたですよ
それでも、折々の祝い事というのは楽しく、その際の人寄りも良いものですねえ
今日はその辺りの繋がりで、こんな詩をお届けしますよ

111:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/03/06 11:38:04.55 wbK3jNdS.net
  『三日尋李九荘』  常建

雨は歇(や)む 楊林 東渡の頭(ほとり)
永和三日 軽舟を盪(うご)かす
故人 家は桃花の岸に在り
直ちに到らん 門前 渓水の流れ


訳も一緒にやっちゃいましょうw


雨上がり 楊柳の林の外れ 東の渡し場から
昔のあの日とまるで同じ 穏やかな三月三日 小舟を出す
行き先は 桃の花の咲き誇る 川のほとりの友の家
門前にはあっと言う間に着くだろう 谷川の軽やかな流れに乗って

112:名無氏物語
11/03/07 21:41:34.58 VA/bvR2Q.net
門外漢ですがさっそくURLリンク(www.google.co.jp)
でみると最後の行など微妙に違うもんですね。

113:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/03/12 15:29:05.28 35U7iJZz.net
こんにちはですよ

昨日から日本中が、殊に東北・関東方面が酷いことになっています
被災された方々が一刻も早く安全を確保されることを願います
また、不幸にして命を落とされた方々のご冥福をお祈り致します

申し訳ねーですが、諸般の事情により今週は詩をお届けすることが出来ません
どうか悪しからずご了承下さい

114:名無氏物語
11/03/12 23:59:56.88 D0KM4iL4.net
ルビーさんこんばんは。東京は今も時々少し揺れます。
微弱地震が多すぎて、連日船酔いのようなアタマグラグラの状態で過ごしています。
次回のうpを楽しみにしています。

115:名無氏物語
11/03/13 23:17:44.50 8xQ0VCYa.net
被災者を励ますような、ゴリッとした漢詩は無いものでしょうかね。。。

116:因果
11/03/14 15:00:32.28 DuWR4ryE.net
扶桑東望水天哀,
暗日寒雲動遠懷。
何堪眾生多浩難,
白蒼一夢斷仙台。
辛卯二月初十于哈爾濱

117:因果
11/03/14 15:20:02.04 DuWR4ryE.net
《行路难》
作者:李白
金樽清酒斗十千,玉盘珍馐直万钱。
停杯投箸不能食,拔剑四顾心茫然。
欲渡黄河冰塞川,将登太行雪暗天。
闲来垂钓坐溪上,忽复乘舟梦日边。
行路难,行路难,多歧路,今安在。
长风破浪会有时,直挂云帆济沧海。

118:因果
11/03/14 15:29:46.12 DuWR4ryE.net
昨日所有之榮譽,今天遙遠之回憶。
to115
辛苦已度過半生,今夜重走入風雨。
我不能隨波浮沉,為了摯愛之親人。
再苦難也要堅強,只爲期待之眼神。
良知若在夢就在,天地之間有真愛。
看成敗人生豪邁,只不過從頭再來。

119:名無氏物語
11/03/15 12:59:00.68 CxsHys1b.net
>>116>>118 誰か日本語にして下さいm(__)m

120:fucakine
11/03/15 23:40:20.97 PE2R3RDO.net
日本のみなさん、頑張って!
日本の平安を祈ります。

121:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/03/21 13:46:11.54 LLZPLUas.net
こんにちはですよ
>>114さん、>>115さん、因果さん、>>119さん、fucakineさん、その他の皆さん
こんなスレを気にかけて下さってありがとうございますよ
深くお礼を申し上げます

静かなお彼岸です
連絡の取れない親類や知り合いは、ただ通信手段が途切れているからだと信じてーですよ
きっと多くの方が私と同じ気持ちでいらっしゃるかと思います

私は、被災地の皆さんに「頑張って下さい」とはとても言えねーです
何故って、皆さんは既に十分頑張っておられるから
だから、せめて復興のお手伝いをさせて下さい
ささやかな物資を送ることしか出来ませんが、どうか宜しくお願いします

122:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/03/21 13:51:03.70 LLZPLUas.net
まず今日は、因果さんのレスを勝手に解釈させて頂きますよ
私、はっきり言って ア ホ なので、読みも訳もスーパー誤解ですw
どうぞガンガン突っ込んでやって下さいよ

では>>116から参りましょう

扶桑の東を望まば 水天哀し
日は暗く寒し 雲は遠くを懐(つつ)みて動く
何ぞ堪えん 衆生 多いに浩難するを
白蒼 一夢 仙台を断つ


東日本を見れば 天地が一繋がりになっている 何と哀しいことだろう
暗い寒空の下 失われた故郷を覆うように 雲が遠く動いている
どうして黙っていることが出来ようか
こんなにたくさんの人々が水難に苦しめられている事を
轟々たる水煙を上げ 押し寄せる青波が 一瞬にして仙台を滅ぼしてしまったことを
(辛卯の年 二月十日 哈爾濱において)

123:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/03/21 13:52:05.05 LLZPLUas.net
続いては>>117

  『行路難』  by李白

金樽の清酒 斗(と) 十千(じゅっせん)
玉盤の珍羞(ちんしゅう) 直(あたい) 万銭
盃を停(とど)め 箸(はし)を投じて 食らう能(あた)わず
剣を抜き 四顧(しこ)して 心 茫然
黄河を渡らんと欲すれども 冰(こおり) 川を塞(ふさ)ぎ
将(まさ)に太行(たいこう)に登らんとすれども 雪 天を暗くす
閑来(かんらい) 釣を垂れ 渓上に坐し
忽(たちま)ち復(ま)た舟に乗り 日辺(にっぺん)を夢む
行路 難(かた)し 行路 難し
岐路多し 今 安(いずく)にか在る
長風(ちょうふう) 波を破る 会(かなら)ず時有り
直(ただ)ちに雲帆(うんぱん)を挂(か)け 滄海(そうかい)を済(わた)らん

124:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/03/21 13:53:54.06 LLZPLUas.net
訳:こんなん出ました~


黄金の樽の中の酒は 一斗で一万銭
豪華な大皿に盛られた珍味も それに見合う高価なもの
だが 私は酒を飲む気にも 箸を取る気にもなれず 何も食べる気がしない
意気に燃え 剣を振り上げたが 四方を見渡して茫然とした
黄河を渡ろうと思っても 氷が川を塞いでしまい
さあ太行山に登ろうと思っても たちまち雪が空を暗く覆ってしまう
心静かに釣り糸を垂れようと 谷川の辺に座れば
たちまち また舟に乗って 都を目指す自分の姿を夢想してしまうのだ
ああ 人生はなんと ままならないものなのだろう
分かれ道がいっぱいあって 今の自分の居場所さえわからなくなる
けれど 大風が波を左右に吹き分けるような時が いつか必ずやってくる
その時こそ 直ちに舟に帆を掛けて 大海原を渡ってやろう

125:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/03/21 13:55:27.16 LLZPLUas.net
さて>>118と行きますよ

昨日所有の栄誉 今天遙かに 回憶遠し
辛苦 已に半生度過し 今夜 重(ま)た風雨に走入す
我は波の隨(まま)に浮沈するも能わず
親人の愛を摯(つか)まんと為(す)るのみ
再びの苦難 堅強を要し 只 期待の眼を神に為す
良く知らるるところ 若し夢に在り 就(すなわ)ち在るならば
天地の間に真の愛有りと
看よ 人生の豪邁は成敗にして 只 従頭の再来に過ぎず


昨日までの幸せは 今日はもう遠い昔の思い出話
辛いことばかり 今夜また嵐の中を駆けてくように
逆巻く波に翻弄される私
愛する人よ あなたの心を私に下さい
繰り返す苦しみに心が折れてしまいそう
神様 どうかお願い
もし 夢で会えたら その通りにいられたら
世界でたった1つの真実の愛
人生はメリーゴーランド 何度だって最初からやり直せるわ

126:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/03/21 14:10:32.57 LLZPLUas.net
人様の落として下さったものばかりでは何なので、何か選ぼうとしたのですが、
ごめんなさい
選ぶことが出来ませんでした

その代わりに、以前やりました『與蘇武詩 其一』を再度お届けしようと思います
被災された方々が一刻も早く平常の生活に戻られるますように

127:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/03/21 14:11:06.70 LLZPLUas.net
   『與蘇武詩 其一』  by李陵

良時 再びは至らず,
離別 須臾(しゅゆ)に在り
衢路(くろ)の側に屏営(へいえい)し
手を執(と)りて 野に踟躊(ちちゅう)す
雲の馳するを仰ぎ視るに
奄忽(えんこつ)として 互いに相い踰(こ)
風波に一たび所を失えば
各々 天の一隅に在り
長く 当(まさ)に此れ従り別るるべくも
且(しば)し 復(ま)た立ちて斯須(ししゅ)す
晨風の發するに因って
子を送るに 賤躯を以てせんと欲す

128:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/03/21 14:11:52.62 LLZPLUas.net
(訳)

夢のような一時を 再び過ごす事は無いだろう
間もなく 別れの時が来る
人生の岐路に立つ今 心は大きく揺れ動く
君の手を取り 町外れまで見送りながら
心を横切るいろんな事を 思い悩んで 歩がはかどらない
当て所なくこの世を流離う人々は
浮雲が 互いに追い越し合うのにも似て
定めのまま 共に居場所を失った我々であったが
今や 別々の片隅へ別れようとしている
この後は 相まみえる事も無いだろう
そんな事を思うから 知らぬ間に足を止めてしまっている
朝風の勢いを借り 歩を早めるとしよう
こんな 敵の中で生きているような賎しい私だが
心を込めて 君を見送りたいと思う

129:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/03/27 17:16:03.18 uufgghli.net
こんばんはですよ、と言っても未だ明るいですがw

お陰様で、生死を含め、少しづつ親類や知人の消息がわかり始めました
ありがとうございます
ご尽力下さっている方々に深く御礼申し上げます


今は通信がダメな所の皆様にも、それが復旧次第また笑って頂けるよう、今週も
おバカな変訳をお届けしますよ
さあ、参りましょうw

130:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/03/27 17:16:41.96 uufgghli.net
  『小寒食舟中作』  by杜甫

佳辰(かしん)に 強いて飯すれば 食は猶お寒く
几に隠(よ)り 蕭条(しょうじょう)として*曷冠(かつかん)を帯ぶ
春水の船は 天上に坐するが如く
老年の 花は霧中に看るに似たり
娟々たる戯蝶(ぎちょう)は 閑幔(かんまん)を過ぎ
片々たる軽鴎(けいおう)は 急湍(きゅうたん)を下る
雲白く 山青きこと 万余里
愁え看る 直北は是れ長安

*曷:本当の字は曷+鳥です

131:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/03/27 17:18:15.48 uufgghli.net
変訳ですよ、エッヘン!


めでたい日だからと 頑張って箸を付けてみたものの あまり食べる気にはなれず
隠者の冠を被ったまま 何やら寂しい気持ちで脇息にもたれていた
春の水に浮かぶ舟は さながら雲の上に座っているようで
年寄りの目には とりどりの花も 霧の中にあるようにぼんやり霞んで見える
艶やかな蝶がひらひら舞いながら 時の止まったようなこの舟を通り過ぎ
身軽なカモメは 勢いよく早瀬の上を飛んで行く
白い雲と青い山並が 何処までも果てしなく続いている
泣きそうな思いで遙かに望む真北 そここそが我が懐かしき故郷 長安なのだ

132:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/03/27 17:23:07.56 uufgghli.net
ちょいと豆知識♪

中国では冬至後の105日目とその前後の合わせて3日間、竈に火を炊くことを憚り、
冷たいものを食べたところから、その時期を寒食と言いました
小寒食とはその最期の1日で、更に翌日、つまり冬至後の107日目が清明節に当たります

133:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/04/03 08:35:15.54 PmrnFZfE.net
おはようございますよ
ここ数日で急に桜の開花が始まりましたよ@大阪
花見など、と自粛される向きもおありでしょうが、桜はその年の天気と豊作を占う花です
特別にお目こぼし願いたいですよ

一日も早くいつもの日々が戻ることを願います

今日の詩はこれを

134:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/04/03 08:35:46.08 PmrnFZfE.net
  『韋員外家花樹歌』  by岑参

今年(こんねん)の花は 去年に似て好し
去年の人は 今年(こんねん)に到りて老ゆ
始めて知る 人は老いて花に如かざるを
惜しむ可し 落花 君掃(はら)うこと莫(な)かれ
君が家の兄弟(けいてい) 当る可からず
列卿(れっけい) 御史(ぎょし) 尚書郎(しょうしょろう)
朝(ちょう)より回(かえ)れば 花底(かてい)に恒(つね)に客を会す
花は玉缸(ぎょくこう)を撲(う)って 春酒 香(かん)ばし

135:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/04/03 08:36:33.44 PmrnFZfE.net
こんな風になりましたよ


今年の花は 去年と同じように美しい
けれど 去年ここで花を見た人は 今年はひとつ年寄りになっている
ああ そうか
年々老いて行く人は 繰り返し美しく咲く花には叶わないのだ
(ひとつの命が咲いて終わって と思えば)
落ちた花さえ愛おしい
だからもうしばらく そのままおいてやってはもらえまいか
まあそんな世間と 君のご兄弟は全く無縁だね
なにしろ列卿・御史・尚書郎と言った人々が揃っておられるのだから
皆さんが朝廷から戻られたら いつも優雅に花の下で お客を招いて宴を催される
舞い散る花が玉の酒甕に入り 春の酒がいっそう香り立っているそうじゃないか

136:motomasa
11/04/05 20:46:08.44 v6Dmkm/t.net
「千葉揚州種 春深霸秀芳」王十朋の芍薬を題にした漢詩で北斎の浮世絵に書かれました。
現代語訳宜しくお願いします。

137:名無氏物語
11/04/06 12:40:35.22 uKMgDMy3.net
>>136
小町で答もらってるじゃんw

138:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/04/09 21:53:37.47 VVC1DDKH.net
こんばんはですよ
急な気温上昇につれ、こちらは一気に桜が咲いてしまいましたよ
春ですねえ、まさしく
こんな時は宴会が宜しいですよ
思い切り酒を飲み、楽しく過ごす
最高に良いですよ

さあ、それでは今日の詩を

139:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/04/09 21:54:07.40 VVC1DDKH.net
  『将進酒』  by李賀

瑠璃(るり)の鍾(さかづき)
琥珀(こはく) 濃し
小槽 酒 漓(したた)って 真珠の紅なり
竜を烹(に) 鳳を炮(あぶ)れば 玉脂(ぎょくし)泣き
羅屏(らへい) 繍幕(しゅうばく) 香風を囲む
竜笛(りゅううてき)を吹き
*鼇鼓(だこ)を撃つ
皓歯(こうし) 歌い
細腰(さいよう) 舞う
況んや是れ青春 日は将に暮んとす
桃花 乱れ落ちて 紅雨の如し
君に勧む 終日 酩酊して酔え
酒は到らず 劉伶が墳上の土


*鼇:本当は大海亀を表わすこの字ではなく、敖の部分が口口の下に田と書き、ワニを表わす字です。

140:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/04/09 21:54:51.37 VVC1DDKH.net
や~くデスw


透き通るガラスの盃
その中にはたっぷりと 琥珀色の酒
小さな酒船から滴る酒は 紅い真珠
竜を煮 鳳凰を焙れば ジュウジュウ音を立てる脂
薄絹の屏風と 刺繍された幕屋の内に 香ばしい匂いが立ち込める
伶人は 澄んだ音色の笛を高らかに吹き ワニ皮の太鼓を勇ましく打つ
麗人は 美しい歯を見せて歌い 艶めかしい細腰で優雅に舞う
それだけでも素晴らしいのに 時は春 これ真っ盛り
日はまさに暮れかかろうとするところ
果てもなく降りしきる桃の花は まるで紅の雨
君に勧める
一日中気分良く 飲んで飲んで飲みまくり そして酔え
あの劉伶でも 墓の下どころか その上の土にさえ酒はやって来ないのだから


劉伶:竹林七賢の一人で、大酒飲みとして有名。

141:名無氏物語
11/04/11 23:06:47.10 LKYE/QLe.net
原発易老御難成
一寸光陰不可軽
未覚炉心臨界夢
改善誤用未修正

142:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/04/17 12:36:59.18 eWfd/xBv.net
こんにちはですよ
もうお昼間は“暖かい”を通り越して“暑い”ですよ?
いったいコレは何やねん!?と聞きたくなってしまいますが、お陰でいろんな花が盛りを迎えて
眼を楽しませてくれますよ
ここ大阪では、枝垂れ桜に里桜、射干(シャガ)が真っ盛りで、牡丹がもうそろそろという感じ

それに合わせて、今日は久し振りに牡丹の詩を李白でお届けしましょう
ヨロシクですよ

143:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/04/17 12:37:38.59 eWfd/xBv.net
  『清平調詞 (三首)』  by李白

雲に衣裳を想い 花に容(かたち)を想う
春風 檻を拂(はろ)うて 露華(ろか) 濃(こま)やかなり
若(も)し 羣玉(ぐんぎょく)山頭に見るに非ずんば
会(かなら)ず 瑤台の月下に向(お)いて逢わん

一枝の紅艷(こうえん) 露 香りを凝らす
雲雨 巫山 枉(むな)しく断腸
借問す 漢宮 誰か似たるを得ん
可憐の飛燕 新粧に倚(よ)る

名花 傾国 両(ふた)つながら相い歓(よろこ)ぶ
長(とこし)えに 君王の笑いを帯びて看るを得たり
解釈す 春風 無限の恨み
沈香亭北 欄干に倚る


羣玉山:西王母の住むと云う仙山
瑤台:神仙の住まう土地
沈香亭:沈香(じんこう)という香木で作られた建物

144:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/04/17 12:38:48.93 eWfd/xBv.net
やく~♪


綾なす雲は あの美しい人の衣裳のよう
盛りの花は まるであの美しい人のよう
上せる私を冷やかすように 春風が欄干を吹き渡り
濃(こま)かな夜露がきらきら輝いている
あんなに美しい人には 羣玉山の辺りか
瑤台の月光の下でしか巡り会えないことだろう

枝先で鮮やかに咲く 紅牡丹
その高い香りが凍って露になり 花の上で煌いている
雲となり雨となる 巫山の神女の契りは 目覚めれば哀しい夢
だが ひとつ尋ねてみよう
この宮中に あの牡丹に似た美しい人は居ますか
愛らしい趙飛燕が 装い新たに舞い降りたような人は

百花の王と 傾国の美女と どちらもが艶やかに咲き誇る
いつまでも喜んでそれを見詰める天子
止むことなく生まれ出ずる 心悩ます思いを解きほぐし
どこか遠くへやってしまうかのように
美しい人は 沈香亭の北 欄干に倚りかかり 牡丹の花を愛でている

145:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/04/24 00:13:38.10 1PoZSz2T.net
こんばんはですよ
暑いと思っていたらまた寒くなったりして、衣替えするのも躊躇ってしまう此の頃ですが、
花は次々咲いて、小鳥のヒナの姿なども見られますよ
そうそう、小鳥のヒナと言えばこんな話もありましたっけ
 『昔、楊宝という子供が巣から落ちた黄雀のヒナを拾い、黄花を食べさせて養った。
  そして大きく育った子雀が飛び立った夜、楊宝の夢に黄色い服の童子が現われ、
  自分は西王母の使いで、君(楊宝)への恩返しに子孫を出世させてあげると言った。
  やがて、その言葉の通りに楊宝の子孫は代々公卿となったという』

黄雀と言うのがどんな小鳥かわかりませんが、今日の詩はこの話に引っ掛けた詩ですよ

146:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/04/24 00:14:44.11 1PoZSz2T.net
  『孟門行』  by崔顥

黄雀 黄花を銜(ふく)み
翩翩(へんぺん)として 檐隙(えんげき)に傍(そ)う
本(もと) 君恩に報いんと擬(ぎ)す
如何(いか)んぞ 反って弾射す
金罍(きんらい)の美酒 満座の春
平原 才を愛して 衆賓(しゅうひん)多し
満堂 尽(ことごと)く 是れ忠義の士
何んぞ意(おも)わん 讒諛(ざんゆ)の人有るを得んとは
諛言(ゆげん)の反覆す 那(な)んぞ道(い)う可(べ)き
能(よ)く君が心をして 自ら保たざらしむ
北園 新たに栽(う)える 桃李の枝
根株(こんしゅ) 未だ固(かた)からざるに 何んぞ転移す
陰を成し 実を結ばば 君 自ら取れ
若(も)し 旁人(ぼうじん)に問うも 那んぞ知るを得ん

147:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/04/24 00:15:51.64 1PoZSz2T.net
おおよそこんな感じでどうでしょうw


黄雀が 黄いろい花を銜(くわ)えながら ひらりひらり 軒端を掠めて飛んでいる
あれは あなたの恩に報いようとしているのに
どうして それを撃つような真似をするのか
黄金の酒甕にはなみなみと美酒 何処も彼処も一面の春
平原君は 有能の士を愛して 多くの賓客を集め
其処に居並ぶ人々は 全て彼に忠誠を誓った人々だった
考えもしなかった そんな中に 嘘吐きやおべっか使いが混じっているなんて
そいつらの囁きが 繰り返し 主の耳に入るなら もはや弁解も無駄だろう
しかも それがあなたの心を惑わせているとあれば なおさら
日当たりの悪い北の庭に 新しく植えられた桃や李(すもも)
その根がしっかり育つ前に どうしてそれを植え替えようと思われるのか
木陰が出来る程にそれらが育ち 実を結んだなら あなたはご自分で収穫されるがよい
傍らにいる人に 実の不出来な訳を尋ねても その答えは決して得られまいが

148:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/04/30 22:46:45.26 EC4w01ax.net
こんばんはですよ
今日は天気が良いと、何日も前から天気予報で言い続けていたので、そうなのかと
思って安心して出掛けたら何のこたぁない、しっかり曇りな1日でしたよ
私の友人なら、きっと言葉の最期に「ボケが」と付けたに違いねーですよ
まあ、晩春から初夏にかけては雨が多いに決まっているのですが

今日の詩は雨上がりの朝を詠んだ詩をお送りしますよ
さあ、どうぞ

149:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/04/30 22:46:59.03 EC4w01ax.net
  『春日』  by秦観

一夕(いっせき)の軽雷(けいらい) 万糸(ばんし)落つ
霽光(せいこう) 瓦に浮かび 碧(みどり)参差(しんし)たり
情有る芍薬(しゃくやく)は 春涙(しゅんるい)を含み
力無き薔薇(そうび)は 曉(あかつき)の枝に臥す


(訳w?)
一晩中 遠くで雷が鳴り 細かな雨が降っていたけれど
今朝は快晴
甍は輝き 緑は濃く浅く日に照り映える そんな朝
恋する芍薬は 愛しいひとを想って密かに涙し
愛を受けた薔薇は 朝 しどけなく枝先で眠っている

150:名無氏物語
11/05/02 21:22:49.28 Tb4VvQsL.net
>>149
俳句

151:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/08 06:08:08.94 jZnP3pxU.net
おはようございますよ
今年は桜以外の花が何となく遅れている感がありますねえ
ずれた花見と洒落込むのも一興かと思いますよ

今日の詩は陳師道の『春懐示隣里』をどうぞ

152:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/08 06:09:20.40 jZnP3pxU.net
  『春懐示隣里』  by陳師道

断牆(だんしょう) 雨に着(ぬ)れ 蝸(かたつむり) 字を成し
老屋 僧無く 燕 家と作(な)す
剰(すこぶ)る門を出でて 語笑(ごしょう)を追わんと欲するも
却って 帰鬢(きびん)に塵沙(じんさ)を逐(お)わんことを嫌う
風 手網(しゅもう)を翻して 三面を開き
雷 *蜂窩(ほうか)を動かして 両衙(りょうが)を趁(お)う
しばしば南隣の春事の約を失(たが)えしが
只今 容(ある)いは未だ開かざる花有らん

*蜂窩:窩の字が違っています、正しくは穴の下に果と書きます

153:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/08 06:10:09.70 jZnP3pxU.net
適当にこんなところでw


破れた土塀が雨に打たれ 蝸牛の這った跡が文字のように見える
このボロ家には 托鉢の僧すら訪れず ツバメが喜んで巣をかけている
表で皆と一緒に楽しくやりたい気持ちは十分あったのだが
その前に 埃まみれの髪を整えたりするのが煩わしく つい行きそびれてしまった
風に煽られ 網の三方を破られた蜘蛛共も
雷に巣を揺すられた蜂共も 朝夕出仕する役人のように 忙しなく働いている
何度もご近所から花見に誘われながら ちっとも顔を出せないでいるが
今ならば もしかしたら未だ咲いていない花があるかもしれないと思う

154:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/15 10:20:48.94 VxKH2pF9.net
おはようございますよ
ずいぶんと日も長くなり、私のように旅好きなものにはありがたい季節になりましたよ
花に若葉、きらきら光る水辺、程々の日差しと心地よい風……
思うだけで顔がホニャけそうですよw
しかし、昔の人にとって旅は決して楽しいだけのものではなく、時に辛く哀しいものでも
あったようですねえ
今日ご紹介する詩も、そんな詩のひとつです

では、どうぞ

155:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/15 10:21:07.92 VxKH2pF9.net
  『洪州客舎寄柳博士芳』  by薛業

去年 燕は巣くう 主人の屋
今年 花は発(ひら)く 路傍の枝
年々 客(かく)と為(な)りて 舎(いえ)に到らず
旧国の存亡 那(いか)んぞ知るを得ん
胡塵(こじん) 一(ひと)たび起こりて 天下を乱せしより
何処の春風か 別離無からん

156:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/15 10:21:45.81 VxKH2pF9.net
それなりに


去年の今頃は 宿の母屋にツバメが巣をかけていた
今年は 路傍の枝に咲き誇る花を見ている
来る年も 来る年も ずっと旅
家路は 遠く 遙かな向こう
故郷や みんながどうなったかは わからない
攻め寄せる夷狄に いつもの暮らしが奪われてしまった今
別れの悲しみを追い払う春風は 何処にも吹かない

157:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/21 21:28:54.39 MuvxEZW5.net
こんばんはですよ

あちらこちらで早くも夏の行事が始まっていますが、所によってはまだ春もたけなわ
国は小さいけれど、我らの日本国は季節が重なり合いながら移ろって行く、とても美しい国です
特に里の美しさは、世界の観光地にも引けを取りませんよ

今日はそんな里の遅い春の様子を謳った詩をお送りします
さあ、どうぞですよ

158:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/21 21:29:51.53 MuvxEZW5.net
  『水檻遣心』  by杜甫

郭(かく)を去って 軒楹(けんえい)敞(ひろ)く
村 無くして 眺望はるかなり
澄江(ちょうこう) 平らかにして岸少なく
幽樹(ゆうじゅ) 晩(おそ)くして 花多し
細雨 魚児(ぎょじ) 出で
微風 燕子(えんし) 斜めなり
城中 十万戸
此の地 両三家

159:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/21 21:31:58.72 MuvxEZW5.net
焼く~♪じゃなくて訳~♪


我が家は 城壁に囲まれた町から離れ 軒も柱もゆったりした造りで
おまけに 村中でもないから 遠くまで存分に景色を楽しむ事が出来る
澄んだ水の流れる川は 溢れんばかりに豊かで 川岸は猫の額ほど
うっそうと繁る木々には 季節遅れの花がたくさん咲いている
細かな雨がそぼ降る頃 水辺には稚魚の群れが姿を見せ
優しいそよ風が吹く頃には ツバメの子が空を斜めに横切って行く
町には 十万からの家がひしめき合っているが
こちらでは 両隣を合わせ ようやく僅かに三戸あるだけ

160:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/28 10:20:15.03 VqBBQzwx.net
おはようございますよ

いきなり梅雨入りしたと思ったら、もう台風が来てますよ
忙しないにも程がありますですよ、まったくもう
雨の時は、いつもよりゆったりと物思いとか愁いに浸り、“成りきり世界”を楽しむ
絶好のチャンスですのに……
今日はそんなことも言ってられねーので、小雨の間に非常食だけ買い出しに行くですよ

その前に、今日の詩を置いてゆくですよ
私が李白と並んで大好きな李清照のこの詩をどうぞ

161:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/28 10:20:43.28 VqBBQzwx.net
  『添字采桑子』  by李清照

窓前 誰が種(う)えし 芭蕉の樹
陰は満つ 中庭
陰は満つ 中庭
葉々 心々
舒(のば)し 巻きて 余情有り

傷心の枕上 三更の雨
点滴(てんてき) 霖霪(りんいん)
点滴 霖霪
愁損せる 北人は
慣れず 起き来たりて聴く

162:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/28 10:21:55.00 VqBBQzwx.net
これはねえ、もう素直にやるですよ
  ↓


窓の外
あの芭蕉は いったい誰が植えたのだろう
中庭一面の 影
中庭一面の 芭蕉の影
たくさんの葉と芽
あるものは広がり あるものは巻いて まだまだ成長するのだろう

悲しみにくれて横たわる 真夜中

しとしと しとしと 降り止まぬ
しとしと しとしと 芭蕉が雨を受けている
心を凍てつかせた北からの旅人は
眠れぬままに起き上がり 雨音を聴いている

163:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/05 09:51:25.22 obTDRozp.net
こんにちはですよ

身内のドタバタ遊びはTVで垂れ流されるだけで十分なのに、ついに政治業者の皆さんまで
やってくれちゃいましたよ
しかも表舞台で
昏宰相もそいつを世に残した輩も全てくたばれ!ですよ

でも、ただ怒っていても悲しんでいてもダメですよ
バカは放っといて
今日を生きて明日へ踏み出しますよ

164:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/05 09:51:42.95 obTDRozp.net
  『和蔡準郎中見邀遊西湖三首 其三』  by蘇東坡

田間の決水(けっすい) 鳴りて幽々たり
秧(なえ)を挿(さしはさ)みて 未だ遍(あまね)からず 麦 已(すで)に秋なり
相携えて筍を焼く 苦竹(くちく)の寺
却(かえ)り下りて藕(ぐう)を踏む 荷花(かか)の洲
船頭(せんとう)に鮮(せん)を斫(き)る 細かにして縷々(るる)たり
船尾に玉を炊(かし)ぐ 香(かん)ばしく浮々(ふふ)たり
風に臨んで 飽食し 甘寝(かんしん)するを得たり
肯(あえ)て 細故(さいこ)をして胸中に留めせしめんや
君 見ずや 壮士の憔悴せる時
飢えては食を謀(はか)り 渇きては飲を謀るを
功名は時有り 罷休(ひきゅう)すること無かれ

165:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/05 09:53:48.22 obTDRozp.net
(腹が減っては戦が出来ぬ、そのようなものかとw)


田圃のあいだを 用水路から引かれた水が 軽やかな音を立てながら流れて行く
田植えは未だ終わっていないけれど 麦はもう収穫を待つばかり
友達と誘い合い 真竹に囲まれた寺を訪れ 焼きタケノコを味わい
その帰りに レンコンを踏みながら 蓮の花咲く中洲に遊ぶ
船の舳先で作るなますは 糸のように細く細く
艫で炊いている上等の飯からは いい香りが辺り一面に漂う
風に吹かれながら 存分に飲み食いしたあとは ちょっとお昼寝
下らないことを胸に溜めて どうするんだい
君も知っているだろう どんな英雄豪傑であっても 落ち目の時は
飢えれば腹を満たすこと 渇けば喉を潤すこと そのすべを一生懸命考える
功名を得るには時期がある 諦めず 時を待ちたまえ

166:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/11 10:39:34.28 lkS6nLwO.net
こんにちはですよ
今週も台風が来るのかと思っていたら、中国・華南の方へ上陸しちゃいましたねえ
あんまり被害が出ないことを祈りますよ

今日は久し振りに詩経から引っ張って来ましたよ
軽~く脱力、ですよw

167:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/11 10:40:14.01 lkS6nLwO.net
  『東門之楊』  by詩経

東門の楊(やなぎ)
其の葉 *壮々たり
昏(くれ)以て期と為すも
明星 煌々たり

東門の楊(やなぎ)
其の葉 肺々たり
昏(くれ)以て期と為すも
明星 煌々たり

*壮々:本当の字は爿+羊です

168:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/11 10:44:27.40 lkS6nLwO.net
そのまんまですが
     ↓


東門の柳
その葉っぱが青々と繁る頃
日暮れに逢おうと約束したのに
もう明星が輝いている

東門の柳
その葉っぱは仲良く並んで生えている
日暮れに逢おうと約束したのに
もう明星が輝いている

169:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/19 09:28:15.26 yHSfSvnJ.net
おはようございますよ
16日の月食が雲の所為で見られなくて、ちょっとしょぼ~ん……な私ですよ
でも、今年の12月10日の深夜にまた起こるそうですから、その時を楽しみに待ちますよ
それまでには流星群も幾つかやって来ますしね

夜空も良いですが、景色もまた良いですよ
今の季節なら、晴れも良いですが小雨もまた風情がありますしね
鬱陶しくないと言えばウソですが、気持ちの持ちようで幾らかはマシだと思いますよ

それでは今日の詩、行ってみましょうか

170:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/19 09:32:10.52 yHSfSvnJ.net
  『夏五月武昌舟中觸目』  by*掲溪斯

両髯(りょうぜん) 背立して 双櫓を鳴らし
短蓑(たんさ) 開合(かいごう)す 滄江(そうこう)の雨
青山は竜の如く 雲に入って去り
白髪 何人ぞ 砂に並んで語る
船頭に放歌すれば 船尾に和し
篷上(ほうじょう)に 雨 鳴って 篷下に坐す
篷を推(お)すも 省(し)らず 是れ何(いず)れの郷(きょう)なるかを
但(た)だ見る 双々 白鴎の過(よ)ぎるを


*掲溪斯:当て字が2箇所あります
       掲の字のヒの部分が∟in人であることと、溪の字はサンズイでなく人偏です

171:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/19 09:33:39.32 yHSfSvnJ.net
見たまんまでw


ヒゲ男の船頭が二人 背中合わせに立って 櫓を漕いでいる
ぱらつく雨に 短い蓑を開けたり閉じたりしながらの 滄江の船下り
山々が竜のように 大地から雲へ天駆ける傍ら
岸辺の石が 砂の上に並んで語り合う老人のようにも見える
舳先で一人が歌い出せば 艫で誰かが一緒に歌い出す
竹編みの屋根に当たる雨の音を その下に座って聞いている
時折 簾を押し上げ 外を眺めるけれど
そこがいったい何処なのか 見当も付かない
ただ 白いカモメの番い達が飛び去って行くのを見送るばかり

172:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/25 09:20:43.15 4pZLTLsZ.net
おはようございますよ
あ~、朝風呂が気ん持ちいぃ~季節になりましたですよ
休みの朝は飲茶の前にさっと湯浴み、飲茶の後でだら~っと入浴

あんまり気持ちがいいので、ついつい歌ってしまいましたよ
 ♪ふんぐるい~ むぐるうなふ くとぅるふ~
  るるいえ うが~~~なぐぅる ふたぐんんんん~

あ~すっきりですよ~
みなさんも如何ですか、ごいっしょに?

173:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/25 09:21:40.28 4pZLTLsZ.net
  『初夏即時』  by王安石

石梁(せきりょう) 茅屋(ぼうおく) 彎碕(わんき)有り
流水 濺々(せんせん)として 両陂(りょうひ)を度る
晴日 暖風 麦気(ばくき)を生じ
緑陰 幽草(ゆうそう) 花時に勝れり

174:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/25 09:24:19.62 4pZLTLsZ.net
や~く~


石橋の向こうには茅葺きの屋根 手前は緩やかに曲がる岸辺
流れる水は 勢いよく土手を洗いながら 大地を駆けて行く
青空の下 穏やかに風が吹けば 辺り一面 麦の香りが広がる
涼やかな新緑の木陰と 緑濃く 草が生い茂るこの季節は
花いっぱいの春よりも ずっとずっと素晴らしい


余談ですが、“麦気”を“麦酒”に替えてもなんとなくイイ感じだと思いませんかw

175:名無氏物語
11/06/26 23:10:43.44 7JbRM0YJ.net
朝飲茶とはうらやましいですねー
キンキンの梅酒も飲茶に合うと思うます

176:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/03 08:50:10.96 75gzS4tI.net
おはようございますよ

>>175
>キンキンの梅酒も飲茶に合うと思うます
ああ、良いですねえ
ただ、そうしてしまうと私の場合、飲茶ではなく飲酒に雪崩れ込んでしまうと思うのですよ
なので、梅酒の梅で作ったゼリーぐらいにしておきましょうよ

早くも7月ですよ、皆さん
私はこれから七夕飾りの笹と短冊等々を買いに行きますが、関東の知り合いは盆提灯を
買い換えに行くと言っていましたよ
もうそんな季節なのですねえ
ついでに花火も少し買ってきましょうか
打ち上げは怖いですが、線香花火くらいなら出来ますから

さあ、それでは今日の詩をどうぞ

177:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/03 08:51:33.12 75gzS4tI.net
  『西江月』  by辛棄疾

名月 別枝に驚く鵲(かささぎ)
清風 半夜に鳴く蝉(せみ)
稲花(とうか)香裏(こうり) 豊年を説き
聴取す 蛙の声 一片

七八箇の星は天外に
両三点の雨は山前に
旧時の茅店(ぼうてん)は社林の辺(ほとり)に
路(みち)転じて 渓橋(けいきょう)忽ち見(あら)わる

178:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/03 08:54:43.02 75gzS4tI.net
(こんな感じ?)


月があんまり明るくて 朝だと思ったカササギが騒いでいる
夜風の爽やかさに セミも驚いて鳴き立てかける
稲穂がこんなにも香るなら 今年は絶対豊作なのだろう
そんなことを思いながら 蛙の歌に耳を傾けた

強く輝く星が七つ八つ 空の彼方で瞬いている
雲は見えないが ほんの少し 雨が山のこちら側でぱらつく
そう言えば 土地神様の森の側に 確か茶店があった筈
道なりに角を曲がると たちまち 谷川に架かった橋が見えた

179:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/10 09:59:07.52 XMuAxUBz.net
おはようございますよ
茘枝が美味しい季節になりましたよ
果物で飲茶というのもなかなか良いです
『嶺南(広東)では毎日茘枝が300個も食べられる』と書いたのは蘇軾ですが、そんなには
無理でも、気が付けば30個くらいは平気で食べてしまってますよ
ああ、幸せ♪

今日の詩は蘇軾つながりということで、これをどうぞ

180:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/10 10:03:29.09 XMuAxUBz.net
  『呉中田婦歎』  by蘇軾

今年 粳稲(こうとう)の熟すること 苦(はなは)だ遅し
霜風 見るを庶(ねが)えど 来たるは幾時ぞ
霜風来たる時 雨 瀉(そそ)ぐが如く
杷頭(はとう)は菌(きのこ)を出し 鎌は衣(こけ)を生ず
眼枯れ 涙尽きて 雨は尽きず
見るに忍びんや 黄穂の青泥に臥するを
茆苫(ぼうせん) 一月(いちげつ) 隴上(ろうじょう)に宿り
天晴れて 稲を穫(とりい)れ 車に随いて帰る

汗流れ 肩*赤く 載せて市に入れば
価(あたい)賤(やす)く 乞与(きよ)すること *糠砕(こうせい)の如し
牛を売って税を納(い)れ 屋を拆(さ)いて炊(かし)ぐ
慮(おもんぱか)り浅くして 明年(めいねん)の飢えに及ばず
官は今 銭を要(もと)めて 米を要(もと)めず
西北万里 羌兒(きょうじ)を招く
*キョウ黄 朝に満ちて 人 更に苦しむ
如かず 却って河伯の婦と作(な)らんには


*赤く:本当は赤+貞です
*糠砕:砕けるではなく、米+西で“割れ米・砕け米”の意味です
*キョウ黄:龍の下に共と書き、キョウ遂を指します
       黄は黄覇、両者とも善政を行なった漢代の官僚です

181:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/10 10:04:36.79 XMuAxUBz.net
(やく)


今年のうるちは育ちが悪い
日照りが止んで欲しいと願っても 一向にその気配はない
やっと涼風が立ち始めたかと思えば 土砂降りの それも長雨
鍬の柄にはキノコが生え 鎌には苔が付く有様
目が枯れるほど嘆いても 雨は止まない
青黒い泥に埋もれた黄色い穂を見るのが辛い
畦の上の仮小屋に籠って一ヶ月
ようやく晴れ間が出たので 稲を刈り 車に積んで持ち帰った

汗を垂らし 肩が腫れるほど米を担いで 市場へ行ってみたら
値崩れどころか 糠や屑米と変わらぬ捨て値
牛を売り なんとか税は納めたものの 後は家のあちこちを壊して薪にする始末
今年こんなに飢えることになるなんて 去年は全然考えもしなかった
お役人はお金が大事で 庶民の暮らしはどうでもいいらしい
たっぷり巻き上げたお金を使い 近くや遠くの異国の人に素晴らしくいい顔をして見せる
ああ 立派なお役人がいっぱいで 国民がますます貧困に喘ぐなんてね
いっそのこと 黄河の水神の人身御供になった方がよっぽどマシだ

182:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/16 06:12:08.03 3UaUvmRL.net
おはようございますよ
今年はセミが全然鳴いてねーですよ
おかしなことです
が、夏は夏なので、私これから海まで貝殻拾いに行って来ますよ
親には「変なモノが流れ着いてるかも知れない」と脅かされておりますが、
そんなもの気にしませんですよ
台風の波は気にしますけれど

さあ、お出掛け前にこの詩をおいて行きましょう
どうぞお楽しみ下さい

183:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/16 06:12:44.99 3UaUvmRL.net
  『送友人帰山歌二首(うち一首)』  by王維

山中の人 帰らんと欲す
雲は冥々(めいめい) 雨は霏々(ひひ)
水は波を驚かして 翆菅(すいかん)靡(なび)き
白鷺(はくろ) 忽(たちま)ち翻(ひるがえ)り飛ぶ
君 (ころも)をかかぐべからず

山 万重(ばんちょう)にして 一雲(いちうん)
天地を昆(こん)じて分かたず
樹は*暗曖(あんあい)として*氛温(ふんうん)
猿 見えずして空しく聞こゆ
忽ち 山西(さんせい)に夕陽(せきよう)あり
東皐(とうこう)の遠村を見れば
平蕪(へいぶ)は千里緑なり
眇(はるか)に惆悵(ちゅうちょう)して君を思う


*暗曖:本当は暗の字が日+奄と言う字です
氛温:温の字が气の中に囚+皿です

184:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/16 06:13:57.15 3UaUvmRL.net
(こんな感じで)


山に住む友が そろそろ帰ろうと御輿を上げると
空が厚い黒雲に覆われ どっと雨が降り出した
飛沫を上げて逆巻く川 雨粒に打たれ地に臥す草
白鷺はその前にさっと身を翻し 飛び去った
着物の裾を捲り上げる友よ こんな最中に帰らずともよいではないか

友が帰るその先には 折り重なる山々と一面の雲
何処までが大地で 何処からが天なのか 全く定かではない
鬱蒼と生い茂る樹木が 山の気配をなお濃くし
遠くから聞こえる猿の鳴き声だけが 空しく尾を引いている
折しも 山の端に夕陽が懸かった
東の田の向こうの村を眺めてみれば
見渡す限り 一面の緑の原
自ら臨んで険しい道を行く友を思い 心がとても痛む

185:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/24 09:44:17.50 eny3ZKC3.net
おはようございますよ

今日・明日は大阪三大祭のひとつ『天神祭』があって、けっこう賑わうのですよ
私は家で涼みながらお酒を飲みますが、スモモをつまみながらの淡麗・辛口・冷や、
これは夏ならではの味わいですねえ
まあ、私の場合、理由があってもなくてもお酒を飲んでるワケですがw

こんな詩を読めば、飲み友達がいるのもいいものかなと思いますよ

186:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/24 09:44:49.62 eny3ZKC3.net
  『酔後贈張九旭』  by高適

世上 漫(まん)に相識るも
此の翁 殊に然らず
興 来たらば 書は自(おの)ずから聖に
酔うて後は 語は尤も?(てん)なり
白髪 間事に老い
青雲 目前に在り
牀頭 一壺の酒
能く更に幾回(いくたび)か眠らん

187:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/24 09:46:38.61 eny3ZKC3.net
訳っぽく


世間の付き合いと言うのは 程々で薄っぺらなことが多いが
この爺さんは 全然そうじゃない
テンションが上がれば 神懸かり的なものを書くけれど
酔っ払った後じゃ 言ってることがさっぱりわからん そんな困った爺さんだが
雑事に追われ 白髪頭になってはいても
いつも 高い志を目の前に掲げて暮らしている
枕元には なみなみと酒の入った壷がひとつ
これだけあれば まだ何度かはぐっすり眠れるだろう

188:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/24 09:48:54.92 eny3ZKC3.net
ああ、四行目の「てん」が出ませんでしたか
眞+頁です
すみませんでした

189:名無氏物語
11/07/25 23:55:18.87 s53EN0k3.net
今週の詩を読んでから、BS-TBSの酒場放浪記見ると、なんかほっとするのです。
ささやかな人生でもいいから、楽しく過ごすのが大事だろうよ、って。

190:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/30 22:12:36.73 zHHtgaEc.net
こんばんはですよ

>>189
>ささやかな人生でもいいから、楽しく過ごすのが大事だろうよ、って。
まるっと同意ですよ
イヤなこと、つらいこと、苦しいこともいっぱいありますけど、そんなことに浸ってるなんて
つまんねーですから
心にチョビッとだけ余裕を、ね


さて、今日の詩は、笑いは笑いでも苦笑いの詩をお届けしますよ
どうぞ

191:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/30 22:14:06.42 zHHtgaEc.net
  『池上 二絶(其の二)』  by白居易

小娃(しょうあ) 小艇を*操り
偸(ひそか)に白蓮を採って廻(かえ)る
蹤跡(しょうせき)を蔵(かく)すを解せず
浮萍(ふひょう) 一道開く

*操り:本当は手偏に掌と書きます

192:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/30 22:14:50.10 zHHtgaEc.net
ほぼそのまんまでw


近在の小娘が 小さな船を静かに操り
こっそり 白い蓮華を採って帰った
が 慌てていたものだから 舟跡を隠すのを忘れてしまい
池の浮き草に しっかり一筋の道がついている

193:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/30 22:19:41.81 zHHtgaEc.net
其の一の方は確か前スレでやってた筈なので省きましたですよ

で、私事で申し訳ねーですが、来週は夏休み致しますので、詩が投下されて
なくてもどうかご心配頂きませんように
とりあえずお知らせまで

でわでわ

194:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/08/13 09:14:14.82 m3HwYyjh.net
おはようございますよ
今日からお盆ですねえ
あたふたと忙しい方、やっとのんびり出来る方、いつもと何も変わりない方
いろんな方がおいでだと思います

先週お休みを頂いて、私、東北を旅してきましたよ
最上川の川下りの売店で売ってる玉コンニャクは相変わらず美味しいし、それを
アテに呑む出羽桜の旨いこと!
その上各地で催されている祭の、そりゃ~もう素晴らしいこと!
いや~、感動でしたよ
特にねぶた祭と竿燈まつり!とても良かったです
近畿にも祇園祭や天神祭など大きなお祭がありますが、この2つはそれらにも
決してひけをとるものではありません
世界に向かって「どや!!」とやってもいいと思いますよ
機会が有ればまた何度でも行ってみたいですね


さてさて、今日は夏ということで、この季節になればぐ~んと広がる洞庭湖を詠んだ
この詩をどうぞ

195:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/08/13 09:14:55.06 m3HwYyjh.net
  『望洞庭湖贈張丞相』  by孟浩然

八月 湖水 平らかに
虚を涵(ひた)して 太清(たいせい)に混(こん)ず
気は蒸(む)す 雲夢(うんぼう)の沢(たく)
波は撼(ゆるが)す 岳陽城
済(わた)らんと欲するも 舟楫(しゅうしゅう)無く
端居(たんきょ)して 聖明に恥ず
坐して 釣りを垂(た)るる者を観(み)れば
徒(いたず)らに 魚を羨(うらや)むの情 有り

196:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/08/13 09:16:23.16 m3HwYyjh.net
こんな感じでDOでしょw


八月の洞庭湖は 鏡のようだ
広々と大地を覆い 遠いところで空とひとつに溶け合っている
湧き上がる靄は 雲夢の沢を思わせるほどに広がり
岸打つ波は 岳陽の城を揺るがすほどに押し寄せる
この水を渡ろうとしても 楫はおろか舟もない私は
恵まれた時代にありながら 為す術もなく日を送るばかり
座って釣り糸を垂れる人を眺めていると
太公望の針に掛かる魚がうらやましい と思うのだ

197:名無氏物語
11/08/15 00:14:54.41 Zfiz0NGZ.net
TVで東北のお祭り中継見てました。
竿燈は大きいもので50kgあるそうですね。
あれを支えてるなんて、すごいですね。
それを間近で見られたのですか。迫力ありそうです。

TVでお坊様がおっしゃるには、
「今年は初めて還ってくる仏様の多い年です。
しかし、帰る家が失われてしまい、初めて還ってくる仏様は
どこに還ればいいのか分からず、迷子になってしまいます。
そのため、家族が自分たちの居場所を新仏様に知らせる為にも、
今年のお祭りは大事なものです」とのことで。
なるほどなーと思いました。まさに漢詩の世界だなあと。

198:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/08/21 15:53:29.22 q1CNvgey.net
こんにちはですよ

>>197
ただ支えているだけではねーのですよ
上手な方になると竿を額や腰に乗せた上、開いた両手に笠や扇を持って舞われるのです
本当に「すっげぇえええ!!!」ですよ

それとね、内緒にしておこうと思いましたがバラシますよ
仙台の牛タンは超絶品です!!!
美味しいものは人の活力の素と私は信じておりますが、あんな「旨~!!!」なものが
いつでも食べられる仙台の人を羨ましいですよ
あああ、思い出しただけでヨダレものです
今日の晩ご飯が決まりましたよ
買い物に行く前に詩を投下しておきましょう

199:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/08/21 15:55:42.19 q1CNvgey.net
   『望海楼晩景五絶』より其の二、其の三  by蘇東坡

横風 雨を吹き 楼に斜めに入る
壮観 応(まさ)に須(すべか)らく 好句もて誇るべし
雨 過ぎ 潮(うしお)平らかにして 江海 碧(みどり)なり
電光 時に掣(せい)す 紫金の蛇

青山 断(た)ゆる処 塔 層々たり
岸を隔(へだ)つる人家 呼べば応(こた)えんと欲す
江上の秋風 晩来 急なり
為に鐘鼓(しょうこ)を伝えて 西興(せいこう)に至る

200:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/08/21 15:57:10.20 q1CNvgey.net
テキトーですw


強風に煽られ 雨は斜めに建物の中へ降り込む
この雄大な景色は 是非とも素晴らしい言葉にして喧伝せねばなるまい
雨が通り過ぎれば 海も荒れるのを止め 川共々青く穏やかに静まっているが
遠くの空で まだ稲妻が天空に 紫金の蛇体を踊らせている

連なる山並が途切れる辺りに 幾つもの塔が天を指している
岸を隔てた人家は 呼べば応えそうなところにある
川を渡って来た秋風は 日暮れになり いっそう強くなったから
きっと対岸の西興の町まで こちらの時の鐘の音が届くに違いない

201:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/08/28 10:42:23.27 rIE8vhQX.net
おはようございますよ

朝がめっきり涼しくなりました
今日から飲茶に担々麺を加えたので、ついついお代わりしそうになりましたよ
やべぇ~ですよ
今から食欲アップなんぞさせた日にゃ、冬が来る頃に「ウェスト入らね~!!」って
大騒ぎすることになりますから
ここはひとつ、アッサリめを心掛けるとしましょうよ

はい、それでは詩の方もあっさりめでw

202:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/08/28 10:43:16.88 rIE8vhQX.net
  『華子岡(かしこう)』  by王維

飛鳥 去って窮(きわ)まらず
連山 復(ま)た秋色
華子岡を上下すれば
惆悵(ちゅうちょう)して 情 何ぞ極(きわ)まらん

203:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/08/28 10:44:10.62 rIE8vhQX.net
訳もついでにあっさりめw


自由な空をどこまでも飛びゆく鳥
見渡す限りの山々はすっかり秋
華子岡を訪ねれば
止め処なく溢れ出す悲しみ

204:名無氏物語
11/08/28 23:42:37.59 eblRHpin.net
ホントあっさりめだw

205:名無氏物語
11/08/30 12:25:07.33 M1S3MJfZ.net

                 ちゅうちょう 
一春惆悵残三日  一春の  惆 悵  三日を残し

酔問周郎憶得無  酔いて周郎に問う 憶え得るやなきやと
            りゅうじょ 
柳絮送人鶯勧酒  柳 絮 人を送り 鶯は酒を勧む

去年今日到東都  去年の今日 東都に到る




この読み下しには間違いがあるようです。どこか教えてください。




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