【勝手に】感じで漢詩【解釈】3at KOBUN
【勝手に】感じで漢詩【解釈】3 - 暇つぶし2ch150:名無氏物語
11/05/02 21:22:49.28 Tb4VvQsL.net
>>149
俳句

151:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/08 06:08:08.94 jZnP3pxU.net
おはようございますよ
今年は桜以外の花が何となく遅れている感がありますねえ
ずれた花見と洒落込むのも一興かと思いますよ

今日の詩は陳師道の『春懐示隣里』をどうぞ

152:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/08 06:09:20.40 jZnP3pxU.net
  『春懐示隣里』  by陳師道

断牆(だんしょう) 雨に着(ぬ)れ 蝸(かたつむり) 字を成し
老屋 僧無く 燕 家と作(な)す
剰(すこぶ)る門を出でて 語笑(ごしょう)を追わんと欲するも
却って 帰鬢(きびん)に塵沙(じんさ)を逐(お)わんことを嫌う
風 手網(しゅもう)を翻して 三面を開き
雷 *蜂窩(ほうか)を動かして 両衙(りょうが)を趁(お)う
しばしば南隣の春事の約を失(たが)えしが
只今 容(ある)いは未だ開かざる花有らん

*蜂窩:窩の字が違っています、正しくは穴の下に果と書きます

153:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/08 06:10:09.70 jZnP3pxU.net
適当にこんなところでw


破れた土塀が雨に打たれ 蝸牛の這った跡が文字のように見える
このボロ家には 托鉢の僧すら訪れず ツバメが喜んで巣をかけている
表で皆と一緒に楽しくやりたい気持ちは十分あったのだが
その前に 埃まみれの髪を整えたりするのが煩わしく つい行きそびれてしまった
風に煽られ 網の三方を破られた蜘蛛共も
雷に巣を揺すられた蜂共も 朝夕出仕する役人のように 忙しなく働いている
何度もご近所から花見に誘われながら ちっとも顔を出せないでいるが
今ならば もしかしたら未だ咲いていない花があるかもしれないと思う

154:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/15 10:20:48.94 VxKH2pF9.net
おはようございますよ
ずいぶんと日も長くなり、私のように旅好きなものにはありがたい季節になりましたよ
花に若葉、きらきら光る水辺、程々の日差しと心地よい風……
思うだけで顔がホニャけそうですよw
しかし、昔の人にとって旅は決して楽しいだけのものではなく、時に辛く哀しいものでも
あったようですねえ
今日ご紹介する詩も、そんな詩のひとつです

では、どうぞ

155:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/15 10:21:07.92 VxKH2pF9.net
  『洪州客舎寄柳博士芳』  by薛業

去年 燕は巣くう 主人の屋
今年 花は発(ひら)く 路傍の枝
年々 客(かく)と為(な)りて 舎(いえ)に到らず
旧国の存亡 那(いか)んぞ知るを得ん
胡塵(こじん) 一(ひと)たび起こりて 天下を乱せしより
何処の春風か 別離無からん

156:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/15 10:21:45.81 VxKH2pF9.net
それなりに


去年の今頃は 宿の母屋にツバメが巣をかけていた
今年は 路傍の枝に咲き誇る花を見ている
来る年も 来る年も ずっと旅
家路は 遠く 遙かな向こう
故郷や みんながどうなったかは わからない
攻め寄せる夷狄に いつもの暮らしが奪われてしまった今
別れの悲しみを追い払う春風は 何処にも吹かない

157:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/21 21:28:54.39 MuvxEZW5.net
こんばんはですよ

あちらこちらで早くも夏の行事が始まっていますが、所によってはまだ春もたけなわ
国は小さいけれど、我らの日本国は季節が重なり合いながら移ろって行く、とても美しい国です
特に里の美しさは、世界の観光地にも引けを取りませんよ

今日はそんな里の遅い春の様子を謳った詩をお送りします
さあ、どうぞですよ

158:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/21 21:29:51.53 MuvxEZW5.net
  『水檻遣心』  by杜甫

郭(かく)を去って 軒楹(けんえい)敞(ひろ)く
村 無くして 眺望はるかなり
澄江(ちょうこう) 平らかにして岸少なく
幽樹(ゆうじゅ) 晩(おそ)くして 花多し
細雨 魚児(ぎょじ) 出で
微風 燕子(えんし) 斜めなり
城中 十万戸
此の地 両三家

159:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/21 21:31:58.72 MuvxEZW5.net
焼く~♪じゃなくて訳~♪


我が家は 城壁に囲まれた町から離れ 軒も柱もゆったりした造りで
おまけに 村中でもないから 遠くまで存分に景色を楽しむ事が出来る
澄んだ水の流れる川は 溢れんばかりに豊かで 川岸は猫の額ほど
うっそうと繁る木々には 季節遅れの花がたくさん咲いている
細かな雨がそぼ降る頃 水辺には稚魚の群れが姿を見せ
優しいそよ風が吹く頃には ツバメの子が空を斜めに横切って行く
町には 十万からの家がひしめき合っているが
こちらでは 両隣を合わせ ようやく僅かに三戸あるだけ

160:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/28 10:20:15.03 VqBBQzwx.net
おはようございますよ

いきなり梅雨入りしたと思ったら、もう台風が来てますよ
忙しないにも程がありますですよ、まったくもう
雨の時は、いつもよりゆったりと物思いとか愁いに浸り、“成りきり世界”を楽しむ
絶好のチャンスですのに……
今日はそんなことも言ってられねーので、小雨の間に非常食だけ買い出しに行くですよ

その前に、今日の詩を置いてゆくですよ
私が李白と並んで大好きな李清照のこの詩をどうぞ

161:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/28 10:20:43.28 VqBBQzwx.net
  『添字采桑子』  by李清照

窓前 誰が種(う)えし 芭蕉の樹
陰は満つ 中庭
陰は満つ 中庭
葉々 心々
舒(のば)し 巻きて 余情有り

傷心の枕上 三更の雨
点滴(てんてき) 霖霪(りんいん)
点滴 霖霪
愁損せる 北人は
慣れず 起き来たりて聴く

162:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/05/28 10:21:55.00 VqBBQzwx.net
これはねえ、もう素直にやるですよ
  ↓


窓の外
あの芭蕉は いったい誰が植えたのだろう
中庭一面の 影
中庭一面の 芭蕉の影
たくさんの葉と芽
あるものは広がり あるものは巻いて まだまだ成長するのだろう

悲しみにくれて横たわる 真夜中

しとしと しとしと 降り止まぬ
しとしと しとしと 芭蕉が雨を受けている
心を凍てつかせた北からの旅人は
眠れぬままに起き上がり 雨音を聴いている

163:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/05 09:51:25.22 obTDRozp.net
こんにちはですよ

身内のドタバタ遊びはTVで垂れ流されるだけで十分なのに、ついに政治業者の皆さんまで
やってくれちゃいましたよ
しかも表舞台で
昏宰相もそいつを世に残した輩も全てくたばれ!ですよ

でも、ただ怒っていても悲しんでいてもダメですよ
バカは放っといて
今日を生きて明日へ踏み出しますよ

164:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/05 09:51:42.95 obTDRozp.net
  『和蔡準郎中見邀遊西湖三首 其三』  by蘇東坡

田間の決水(けっすい) 鳴りて幽々たり
秧(なえ)を挿(さしはさ)みて 未だ遍(あまね)からず 麦 已(すで)に秋なり
相携えて筍を焼く 苦竹(くちく)の寺
却(かえ)り下りて藕(ぐう)を踏む 荷花(かか)の洲
船頭(せんとう)に鮮(せん)を斫(き)る 細かにして縷々(るる)たり
船尾に玉を炊(かし)ぐ 香(かん)ばしく浮々(ふふ)たり
風に臨んで 飽食し 甘寝(かんしん)するを得たり
肯(あえ)て 細故(さいこ)をして胸中に留めせしめんや
君 見ずや 壮士の憔悴せる時
飢えては食を謀(はか)り 渇きては飲を謀るを
功名は時有り 罷休(ひきゅう)すること無かれ

165:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/05 09:53:48.22 obTDRozp.net
(腹が減っては戦が出来ぬ、そのようなものかとw)


田圃のあいだを 用水路から引かれた水が 軽やかな音を立てながら流れて行く
田植えは未だ終わっていないけれど 麦はもう収穫を待つばかり
友達と誘い合い 真竹に囲まれた寺を訪れ 焼きタケノコを味わい
その帰りに レンコンを踏みながら 蓮の花咲く中洲に遊ぶ
船の舳先で作るなますは 糸のように細く細く
艫で炊いている上等の飯からは いい香りが辺り一面に漂う
風に吹かれながら 存分に飲み食いしたあとは ちょっとお昼寝
下らないことを胸に溜めて どうするんだい
君も知っているだろう どんな英雄豪傑であっても 落ち目の時は
飢えれば腹を満たすこと 渇けば喉を潤すこと そのすべを一生懸命考える
功名を得るには時期がある 諦めず 時を待ちたまえ

166:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/11 10:39:34.28 lkS6nLwO.net
こんにちはですよ
今週も台風が来るのかと思っていたら、中国・華南の方へ上陸しちゃいましたねえ
あんまり被害が出ないことを祈りますよ

今日は久し振りに詩経から引っ張って来ましたよ
軽~く脱力、ですよw

167:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/11 10:40:14.01 lkS6nLwO.net
  『東門之楊』  by詩経

東門の楊(やなぎ)
其の葉 *壮々たり
昏(くれ)以て期と為すも
明星 煌々たり

東門の楊(やなぎ)
其の葉 肺々たり
昏(くれ)以て期と為すも
明星 煌々たり

*壮々:本当の字は爿+羊です

168:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/11 10:44:27.40 lkS6nLwO.net
そのまんまですが
     ↓


東門の柳
その葉っぱが青々と繁る頃
日暮れに逢おうと約束したのに
もう明星が輝いている

東門の柳
その葉っぱは仲良く並んで生えている
日暮れに逢おうと約束したのに
もう明星が輝いている

169:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/19 09:28:15.26 yHSfSvnJ.net
おはようございますよ
16日の月食が雲の所為で見られなくて、ちょっとしょぼ~ん……な私ですよ
でも、今年の12月10日の深夜にまた起こるそうですから、その時を楽しみに待ちますよ
それまでには流星群も幾つかやって来ますしね

夜空も良いですが、景色もまた良いですよ
今の季節なら、晴れも良いですが小雨もまた風情がありますしね
鬱陶しくないと言えばウソですが、気持ちの持ちようで幾らかはマシだと思いますよ

それでは今日の詩、行ってみましょうか

170:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/19 09:32:10.52 yHSfSvnJ.net
  『夏五月武昌舟中觸目』  by*掲溪斯

両髯(りょうぜん) 背立して 双櫓を鳴らし
短蓑(たんさ) 開合(かいごう)す 滄江(そうこう)の雨
青山は竜の如く 雲に入って去り
白髪 何人ぞ 砂に並んで語る
船頭に放歌すれば 船尾に和し
篷上(ほうじょう)に 雨 鳴って 篷下に坐す
篷を推(お)すも 省(し)らず 是れ何(いず)れの郷(きょう)なるかを
但(た)だ見る 双々 白鴎の過(よ)ぎるを


*掲溪斯:当て字が2箇所あります
       掲の字のヒの部分が∟in人であることと、溪の字はサンズイでなく人偏です

171:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/19 09:33:39.32 yHSfSvnJ.net
見たまんまでw


ヒゲ男の船頭が二人 背中合わせに立って 櫓を漕いでいる
ぱらつく雨に 短い蓑を開けたり閉じたりしながらの 滄江の船下り
山々が竜のように 大地から雲へ天駆ける傍ら
岸辺の石が 砂の上に並んで語り合う老人のようにも見える
舳先で一人が歌い出せば 艫で誰かが一緒に歌い出す
竹編みの屋根に当たる雨の音を その下に座って聞いている
時折 簾を押し上げ 外を眺めるけれど
そこがいったい何処なのか 見当も付かない
ただ 白いカモメの番い達が飛び去って行くのを見送るばかり

172:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/25 09:20:43.15 4pZLTLsZ.net
おはようございますよ
あ~、朝風呂が気ん持ちいぃ~季節になりましたですよ
休みの朝は飲茶の前にさっと湯浴み、飲茶の後でだら~っと入浴

あんまり気持ちがいいので、ついつい歌ってしまいましたよ
 ♪ふんぐるい~ むぐるうなふ くとぅるふ~
  るるいえ うが~~~なぐぅる ふたぐんんんん~

あ~すっきりですよ~
みなさんも如何ですか、ごいっしょに?

173:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/25 09:21:40.28 4pZLTLsZ.net
  『初夏即時』  by王安石

石梁(せきりょう) 茅屋(ぼうおく) 彎碕(わんき)有り
流水 濺々(せんせん)として 両陂(りょうひ)を度る
晴日 暖風 麦気(ばくき)を生じ
緑陰 幽草(ゆうそう) 花時に勝れり

174:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/06/25 09:24:19.62 4pZLTLsZ.net
や~く~


石橋の向こうには茅葺きの屋根 手前は緩やかに曲がる岸辺
流れる水は 勢いよく土手を洗いながら 大地を駆けて行く
青空の下 穏やかに風が吹けば 辺り一面 麦の香りが広がる
涼やかな新緑の木陰と 緑濃く 草が生い茂るこの季節は
花いっぱいの春よりも ずっとずっと素晴らしい


余談ですが、“麦気”を“麦酒”に替えてもなんとなくイイ感じだと思いませんかw

175:名無氏物語
11/06/26 23:10:43.44 7JbRM0YJ.net
朝飲茶とはうらやましいですねー
キンキンの梅酒も飲茶に合うと思うます

176:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/03 08:50:10.96 75gzS4tI.net
おはようございますよ

>>175
>キンキンの梅酒も飲茶に合うと思うます
ああ、良いですねえ
ただ、そうしてしまうと私の場合、飲茶ではなく飲酒に雪崩れ込んでしまうと思うのですよ
なので、梅酒の梅で作ったゼリーぐらいにしておきましょうよ

早くも7月ですよ、皆さん
私はこれから七夕飾りの笹と短冊等々を買いに行きますが、関東の知り合いは盆提灯を
買い換えに行くと言っていましたよ
もうそんな季節なのですねえ
ついでに花火も少し買ってきましょうか
打ち上げは怖いですが、線香花火くらいなら出来ますから

さあ、それでは今日の詩をどうぞ

177:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/03 08:51:33.12 75gzS4tI.net
  『西江月』  by辛棄疾

名月 別枝に驚く鵲(かささぎ)
清風 半夜に鳴く蝉(せみ)
稲花(とうか)香裏(こうり) 豊年を説き
聴取す 蛙の声 一片

七八箇の星は天外に
両三点の雨は山前に
旧時の茅店(ぼうてん)は社林の辺(ほとり)に
路(みち)転じて 渓橋(けいきょう)忽ち見(あら)わる

178:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/03 08:54:43.02 75gzS4tI.net
(こんな感じ?)


月があんまり明るくて 朝だと思ったカササギが騒いでいる
夜風の爽やかさに セミも驚いて鳴き立てかける
稲穂がこんなにも香るなら 今年は絶対豊作なのだろう
そんなことを思いながら 蛙の歌に耳を傾けた

強く輝く星が七つ八つ 空の彼方で瞬いている
雲は見えないが ほんの少し 雨が山のこちら側でぱらつく
そう言えば 土地神様の森の側に 確か茶店があった筈
道なりに角を曲がると たちまち 谷川に架かった橋が見えた

179:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/10 09:59:07.52 XMuAxUBz.net
おはようございますよ
茘枝が美味しい季節になりましたよ
果物で飲茶というのもなかなか良いです
『嶺南(広東)では毎日茘枝が300個も食べられる』と書いたのは蘇軾ですが、そんなには
無理でも、気が付けば30個くらいは平気で食べてしまってますよ
ああ、幸せ♪

今日の詩は蘇軾つながりということで、これをどうぞ

180:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/10 10:03:29.09 XMuAxUBz.net
  『呉中田婦歎』  by蘇軾

今年 粳稲(こうとう)の熟すること 苦(はなは)だ遅し
霜風 見るを庶(ねが)えど 来たるは幾時ぞ
霜風来たる時 雨 瀉(そそ)ぐが如く
杷頭(はとう)は菌(きのこ)を出し 鎌は衣(こけ)を生ず
眼枯れ 涙尽きて 雨は尽きず
見るに忍びんや 黄穂の青泥に臥するを
茆苫(ぼうせん) 一月(いちげつ) 隴上(ろうじょう)に宿り
天晴れて 稲を穫(とりい)れ 車に随いて帰る

汗流れ 肩*赤く 載せて市に入れば
価(あたい)賤(やす)く 乞与(きよ)すること *糠砕(こうせい)の如し
牛を売って税を納(い)れ 屋を拆(さ)いて炊(かし)ぐ
慮(おもんぱか)り浅くして 明年(めいねん)の飢えに及ばず
官は今 銭を要(もと)めて 米を要(もと)めず
西北万里 羌兒(きょうじ)を招く
*キョウ黄 朝に満ちて 人 更に苦しむ
如かず 却って河伯の婦と作(な)らんには


*赤く:本当は赤+貞です
*糠砕:砕けるではなく、米+西で“割れ米・砕け米”の意味です
*キョウ黄:龍の下に共と書き、キョウ遂を指します
       黄は黄覇、両者とも善政を行なった漢代の官僚です

181:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/10 10:04:36.79 XMuAxUBz.net
(やく)


今年のうるちは育ちが悪い
日照りが止んで欲しいと願っても 一向にその気配はない
やっと涼風が立ち始めたかと思えば 土砂降りの それも長雨
鍬の柄にはキノコが生え 鎌には苔が付く有様
目が枯れるほど嘆いても 雨は止まない
青黒い泥に埋もれた黄色い穂を見るのが辛い
畦の上の仮小屋に籠って一ヶ月
ようやく晴れ間が出たので 稲を刈り 車に積んで持ち帰った

汗を垂らし 肩が腫れるほど米を担いで 市場へ行ってみたら
値崩れどころか 糠や屑米と変わらぬ捨て値
牛を売り なんとか税は納めたものの 後は家のあちこちを壊して薪にする始末
今年こんなに飢えることになるなんて 去年は全然考えもしなかった
お役人はお金が大事で 庶民の暮らしはどうでもいいらしい
たっぷり巻き上げたお金を使い 近くや遠くの異国の人に素晴らしくいい顔をして見せる
ああ 立派なお役人がいっぱいで 国民がますます貧困に喘ぐなんてね
いっそのこと 黄河の水神の人身御供になった方がよっぽどマシだ

182:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/16 06:12:08.03 3UaUvmRL.net
おはようございますよ
今年はセミが全然鳴いてねーですよ
おかしなことです
が、夏は夏なので、私これから海まで貝殻拾いに行って来ますよ
親には「変なモノが流れ着いてるかも知れない」と脅かされておりますが、
そんなもの気にしませんですよ
台風の波は気にしますけれど

さあ、お出掛け前にこの詩をおいて行きましょう
どうぞお楽しみ下さい

183:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/16 06:12:44.99 3UaUvmRL.net
  『送友人帰山歌二首(うち一首)』  by王維

山中の人 帰らんと欲す
雲は冥々(めいめい) 雨は霏々(ひひ)
水は波を驚かして 翆菅(すいかん)靡(なび)き
白鷺(はくろ) 忽(たちま)ち翻(ひるがえ)り飛ぶ
君 (ころも)をかかぐべからず

山 万重(ばんちょう)にして 一雲(いちうん)
天地を昆(こん)じて分かたず
樹は*暗曖(あんあい)として*氛温(ふんうん)
猿 見えずして空しく聞こゆ
忽ち 山西(さんせい)に夕陽(せきよう)あり
東皐(とうこう)の遠村を見れば
平蕪(へいぶ)は千里緑なり
眇(はるか)に惆悵(ちゅうちょう)して君を思う


*暗曖:本当は暗の字が日+奄と言う字です
氛温:温の字が气の中に囚+皿です

184:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/16 06:13:57.15 3UaUvmRL.net
(こんな感じで)


山に住む友が そろそろ帰ろうと御輿を上げると
空が厚い黒雲に覆われ どっと雨が降り出した
飛沫を上げて逆巻く川 雨粒に打たれ地に臥す草
白鷺はその前にさっと身を翻し 飛び去った
着物の裾を捲り上げる友よ こんな最中に帰らずともよいではないか

友が帰るその先には 折り重なる山々と一面の雲
何処までが大地で 何処からが天なのか 全く定かではない
鬱蒼と生い茂る樹木が 山の気配をなお濃くし
遠くから聞こえる猿の鳴き声だけが 空しく尾を引いている
折しも 山の端に夕陽が懸かった
東の田の向こうの村を眺めてみれば
見渡す限り 一面の緑の原
自ら臨んで険しい道を行く友を思い 心がとても痛む

185:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/24 09:44:17.50 eny3ZKC3.net
おはようございますよ

今日・明日は大阪三大祭のひとつ『天神祭』があって、けっこう賑わうのですよ
私は家で涼みながらお酒を飲みますが、スモモをつまみながらの淡麗・辛口・冷や、
これは夏ならではの味わいですねえ
まあ、私の場合、理由があってもなくてもお酒を飲んでるワケですがw

こんな詩を読めば、飲み友達がいるのもいいものかなと思いますよ

186:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/24 09:44:49.62 eny3ZKC3.net
  『酔後贈張九旭』  by高適

世上 漫(まん)に相識るも
此の翁 殊に然らず
興 来たらば 書は自(おの)ずから聖に
酔うて後は 語は尤も?(てん)なり
白髪 間事に老い
青雲 目前に在り
牀頭 一壺の酒
能く更に幾回(いくたび)か眠らん

187:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/24 09:46:38.61 eny3ZKC3.net
訳っぽく


世間の付き合いと言うのは 程々で薄っぺらなことが多いが
この爺さんは 全然そうじゃない
テンションが上がれば 神懸かり的なものを書くけれど
酔っ払った後じゃ 言ってることがさっぱりわからん そんな困った爺さんだが
雑事に追われ 白髪頭になってはいても
いつも 高い志を目の前に掲げて暮らしている
枕元には なみなみと酒の入った壷がひとつ
これだけあれば まだ何度かはぐっすり眠れるだろう

188:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/24 09:48:54.92 eny3ZKC3.net
ああ、四行目の「てん」が出ませんでしたか
眞+頁です
すみませんでした

189:名無氏物語
11/07/25 23:55:18.87 s53EN0k3.net
今週の詩を読んでから、BS-TBSの酒場放浪記見ると、なんかほっとするのです。
ささやかな人生でもいいから、楽しく過ごすのが大事だろうよ、って。

190:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/30 22:12:36.73 zHHtgaEc.net
こんばんはですよ

>>189
>ささやかな人生でもいいから、楽しく過ごすのが大事だろうよ、って。
まるっと同意ですよ
イヤなこと、つらいこと、苦しいこともいっぱいありますけど、そんなことに浸ってるなんて
つまんねーですから
心にチョビッとだけ余裕を、ね


さて、今日の詩は、笑いは笑いでも苦笑いの詩をお届けしますよ
どうぞ

191:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/30 22:14:06.42 zHHtgaEc.net
  『池上 二絶(其の二)』  by白居易

小娃(しょうあ) 小艇を*操り
偸(ひそか)に白蓮を採って廻(かえ)る
蹤跡(しょうせき)を蔵(かく)すを解せず
浮萍(ふひょう) 一道開く

*操り:本当は手偏に掌と書きます

192:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/30 22:14:50.10 zHHtgaEc.net
ほぼそのまんまでw


近在の小娘が 小さな船を静かに操り
こっそり 白い蓮華を採って帰った
が 慌てていたものだから 舟跡を隠すのを忘れてしまい
池の浮き草に しっかり一筋の道がついている

193:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/07/30 22:19:41.81 zHHtgaEc.net
其の一の方は確か前スレでやってた筈なので省きましたですよ

で、私事で申し訳ねーですが、来週は夏休み致しますので、詩が投下されて
なくてもどうかご心配頂きませんように
とりあえずお知らせまで

でわでわ

194:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/08/13 09:14:14.82 m3HwYyjh.net
おはようございますよ
今日からお盆ですねえ
あたふたと忙しい方、やっとのんびり出来る方、いつもと何も変わりない方
いろんな方がおいでだと思います

先週お休みを頂いて、私、東北を旅してきましたよ
最上川の川下りの売店で売ってる玉コンニャクは相変わらず美味しいし、それを
アテに呑む出羽桜の旨いこと!
その上各地で催されている祭の、そりゃ~もう素晴らしいこと!
いや~、感動でしたよ
特にねぶた祭と竿燈まつり!とても良かったです
近畿にも祇園祭や天神祭など大きなお祭がありますが、この2つはそれらにも
決してひけをとるものではありません
世界に向かって「どや!!」とやってもいいと思いますよ
機会が有ればまた何度でも行ってみたいですね


さてさて、今日は夏ということで、この季節になればぐ~んと広がる洞庭湖を詠んだ
この詩をどうぞ

195:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/08/13 09:14:55.06 m3HwYyjh.net
  『望洞庭湖贈張丞相』  by孟浩然

八月 湖水 平らかに
虚を涵(ひた)して 太清(たいせい)に混(こん)ず
気は蒸(む)す 雲夢(うんぼう)の沢(たく)
波は撼(ゆるが)す 岳陽城
済(わた)らんと欲するも 舟楫(しゅうしゅう)無く
端居(たんきょ)して 聖明に恥ず
坐して 釣りを垂(た)るる者を観(み)れば
徒(いたず)らに 魚を羨(うらや)むの情 有り

196:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/08/13 09:16:23.16 m3HwYyjh.net
こんな感じでDOでしょw


八月の洞庭湖は 鏡のようだ
広々と大地を覆い 遠いところで空とひとつに溶け合っている
湧き上がる靄は 雲夢の沢を思わせるほどに広がり
岸打つ波は 岳陽の城を揺るがすほどに押し寄せる
この水を渡ろうとしても 楫はおろか舟もない私は
恵まれた時代にありながら 為す術もなく日を送るばかり
座って釣り糸を垂れる人を眺めていると
太公望の針に掛かる魚がうらやましい と思うのだ

197:名無氏物語
11/08/15 00:14:54.41 Zfiz0NGZ.net
TVで東北のお祭り中継見てました。
竿燈は大きいもので50kgあるそうですね。
あれを支えてるなんて、すごいですね。
それを間近で見られたのですか。迫力ありそうです。

TVでお坊様がおっしゃるには、
「今年は初めて還ってくる仏様の多い年です。
しかし、帰る家が失われてしまい、初めて還ってくる仏様は
どこに還ればいいのか分からず、迷子になってしまいます。
そのため、家族が自分たちの居場所を新仏様に知らせる為にも、
今年のお祭りは大事なものです」とのことで。
なるほどなーと思いました。まさに漢詩の世界だなあと。

198:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/08/21 15:53:29.22 q1CNvgey.net
こんにちはですよ

>>197
ただ支えているだけではねーのですよ
上手な方になると竿を額や腰に乗せた上、開いた両手に笠や扇を持って舞われるのです
本当に「すっげぇえええ!!!」ですよ

それとね、内緒にしておこうと思いましたがバラシますよ
仙台の牛タンは超絶品です!!!
美味しいものは人の活力の素と私は信じておりますが、あんな「旨~!!!」なものが
いつでも食べられる仙台の人を羨ましいですよ
あああ、思い出しただけでヨダレものです
今日の晩ご飯が決まりましたよ
買い物に行く前に詩を投下しておきましょう

199:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/08/21 15:55:42.19 q1CNvgey.net
   『望海楼晩景五絶』より其の二、其の三  by蘇東坡

横風 雨を吹き 楼に斜めに入る
壮観 応(まさ)に須(すべか)らく 好句もて誇るべし
雨 過ぎ 潮(うしお)平らかにして 江海 碧(みどり)なり
電光 時に掣(せい)す 紫金の蛇

青山 断(た)ゆる処 塔 層々たり
岸を隔(へだ)つる人家 呼べば応(こた)えんと欲す
江上の秋風 晩来 急なり
為に鐘鼓(しょうこ)を伝えて 西興(せいこう)に至る

200:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/08/21 15:57:10.20 q1CNvgey.net
テキトーですw


強風に煽られ 雨は斜めに建物の中へ降り込む
この雄大な景色は 是非とも素晴らしい言葉にして喧伝せねばなるまい
雨が通り過ぎれば 海も荒れるのを止め 川共々青く穏やかに静まっているが
遠くの空で まだ稲妻が天空に 紫金の蛇体を踊らせている

連なる山並が途切れる辺りに 幾つもの塔が天を指している
岸を隔てた人家は 呼べば応えそうなところにある
川を渡って来た秋風は 日暮れになり いっそう強くなったから
きっと対岸の西興の町まで こちらの時の鐘の音が届くに違いない

201:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/08/28 10:42:23.27 rIE8vhQX.net
おはようございますよ

朝がめっきり涼しくなりました
今日から飲茶に担々麺を加えたので、ついついお代わりしそうになりましたよ
やべぇ~ですよ
今から食欲アップなんぞさせた日にゃ、冬が来る頃に「ウェスト入らね~!!」って
大騒ぎすることになりますから
ここはひとつ、アッサリめを心掛けるとしましょうよ

はい、それでは詩の方もあっさりめでw

202:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/08/28 10:43:16.88 rIE8vhQX.net
  『華子岡(かしこう)』  by王維

飛鳥 去って窮(きわ)まらず
連山 復(ま)た秋色
華子岡を上下すれば
惆悵(ちゅうちょう)して 情 何ぞ極(きわ)まらん

203:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/08/28 10:44:10.62 rIE8vhQX.net
訳もついでにあっさりめw


自由な空をどこまでも飛びゆく鳥
見渡す限りの山々はすっかり秋
華子岡を訪ねれば
止め処なく溢れ出す悲しみ

204:名無氏物語
11/08/28 23:42:37.59 eblRHpin.net
ホントあっさりめだw

205:名無氏物語
11/08/30 12:25:07.33 M1S3MJfZ.net

                 ちゅうちょう 
一春惆悵残三日  一春の  惆 悵  三日を残し

酔問周郎憶得無  酔いて周郎に問う 憶え得るやなきやと
            りゅうじょ 
柳絮送人鶯勧酒  柳 絮 人を送り 鶯は酒を勧む

去年今日到東都  去年の今日 東都に到る




この読み下しには間違いがあるようです。どこか教えてください。



206:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/09/04 11:51:25.39 E9XtS57t.net
こんにちはですよ
台風はどうやら日本海側に抜けたようですが、超スローモーちゃんなので皆様まだまだ
警戒した方がよいですよ
この時間帯だと中部・北陸地方が大雨になっていると思われますが、この台風、今までは
大丈夫だったというのが全然通用しないと思った方が良いですよ
最悪を考えておいて、何ともなかったら後で笑えばよいのですから
誰方様もどうぞお気を付け下さい

>>205
わかりません、申し訳ねーですが
このスレで質問なさるより、質問スレで聞かれた方が正しい答えが得られると思いますよ
ここはテンプレにもある通り、何もかもデタラメで他人様の訳に立つものはありませんので


ところで、先週は全てあっさりでしたので今週はちょっと真面目にやりますよ
私の好きな李清照からひとつ

207:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/09/04 11:52:22.88 E9XtS57t.net
  『暁夢』  by李清照

暁夢(ぎょうむ) 疎鐘(そしょう)に随う
飄然(ひょうぜん)として雲霞(うんか)を*踏む
安期生(あんきせい)に因縁し
邂逅(かいこう)す 萼緑華(がくりょくか)
秋風 正に無頼
吹き尽くす 玉井花(ぎょくせいか)
共に看るは 船の如き藕(ハス)
同(ともに)食すは 瓜の如き棗(ナツメ)
翩翩(へんぺん)たり 坐上の客
意は妙にして 語も亦た佳(よ)し
嘲辞(ちょうじ) 詭弁(きべん)を闘わせ
火を活(い)こし 新茶を分かつ
帝功を助けざると雖(いえど)も
其の楽しみ 可涯(かぎ)り莫(な)し
人生 能(よ)く此くの如くならば
何ぞ 必らずしも故家(こか)に帰らん
起き来たり 衣を斂(おさ)め 坐すれば
厭わしき喧嘩に 耳を掩(おお)う
心に知る 見るべからずと
念々 猶(なお) 咨嗟(しさ)す


*踏む:本当は足偏+耳を3つ“轟”のように重ねたものです

208:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/09/04 11:54:10.90 E9XtS57t.net
超うそっぴ~~~な訳ですよw


暁の夢は ゆっくりした鐘の音と共に
宙を彷徨い 雲を踏み
千年も生きたという あの安期生と知り合い
美少女として名高い あの萼緑華と巡り会った
そんな時 秋風が荒々しく吹いて来て
玉井の花々を揺り動かした
私たちが見たのは 船のように大きな蓮華
そこで一緒に ウリのように大きなナツメを食べた
辺りに腰掛けている人々は どことなく風流で
心豊かだと見え 交わす言葉もまた美しい
彼らは囀るように話し 巧みに論を戦わせながら
火を起こし 新茶の善し悪しを判じていた
身を立て名を上げる為には ちっとも役立たないけれど
それでもこの楽しみは終わるところを知らない
世間にあっても このように飄々としていられたなら
故郷へ戻って来なくても良かったかもしれない
目覚めて起き上がり 乱れた夜着を直し 座って考える
世の中は 耳を塞ぎたくなるようなおぞましい喧噪ばかり
わかっている 目を瞑ってやり過ごせばよいと
いつもそう思いながら やはり溜め息を吐いてしまうのだ

209:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/09/11 11:20:35.07 h5Djsvpp.net
こんにちはですよ
「竹島対馬沖縄尖閣千島樺太沖ノ鳥島は日本領です」

大臣になったらトイレ以外は公人だ、という自覚すら無いとは哀しいことですよ
それを与党にしてしまった方にも責任はありますが

明日は仲秋の名月ですが、こんなバカばっかりが雁首揃えてるとなれば、夜空が
曇ってしまうのではないかとハラハラしますよ

今回は残念ながら美しい月の詩ではなく、これにしましたよ
申し訳ねーです

210:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/09/11 11:21:51.42 h5Djsvpp.net
  『戦城南』  by詠み人知らず

城南に戦い 郭北(かくほく)に死す
野死(やし)して葬られず カラス食らうべし
我が為にカラスに謂(い)え
  且(しばら)く客の為に豪(な)け
  野死して諒(まこと)に葬られず
  腐肉安(いずく)んぞ能(よ)く子(し)を去(す)てて逃(のが)れんや

水 深くして激々(げきげき)たり
蒲葦(ほい) 冥々(めいめい)たり
梟騎(きょうき) 戦闘して死し
駑馬(どば) 徘徊して鳴く

211:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/09/11 11:23:04.60 h5Djsvpp.net
(訳と言うより解釈ですねえ)


私は 城郭の南へ撃って出 北へ走って防ぎ そして死んだ
荒れ野に晒されたままの私の身体を やがてカラスがやって来て啄むだろう
誰か 私の為にカラスに言ってくれ
「せめてしばらくは 見知らぬ所で果てた哀れな死者を悼み 大声で泣いてやれ
 弔いもされず 葬られることもない者の気持ちを思いやれ
 少しぐらい間を置いたとて 遺骸がおまえの前から逃げ出したりはしないのだから」

水は深く 轟々と音を立てながら激しく流れている
岸辺の蒲(ガマ)や葦(アシ)の原は 何処までも深く うっそうと生い茂っている
勇敢に敵陣へ切り込んだ騎兵は 戦って死に
主を失った馬だけが なすすべもなく 辺りをうろつき鳴いている

212:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/09/11 11:23:33.49 h5Djsvpp.net
*梁(リアン)
室(しつ)を築くに
何を以て南し
梁(リアン)
何を以て北するや
禾黍(かしょ) 穫(と)らずんば 君 何をか食らわん
忠臣たらんと願うも 安(いずく)んぞ得可(うべ)けん
子(きみ)の良臣を思え
良臣 誠(まこと)に思う可(べ)し
朝(あした)に行きて出で攻め
暮れて夜には帰らず

*梁(リアン):囃し言葉

213:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/09/11 11:29:30.51 h5Djsvpp.net
>>212の部分ですが、ここは古来から難解とされていて、様々な解釈があると聞いています
私の場合↓は解釈以前の問題です、ハイ


(さて)
国を豊かにする為に
どうして 南の国と争い
(さて)
どうして 北の国と戦わなければならないのか
百姓が実りを収穫出来なければ 王よ 貴方もまた生きてはいけないとわかっているのか
国を愛する者の一人でありたいのに これではとうてい無理である
王よ あなたの国民のことを考えて欲しい
あなたの国民が心の底から願っていること それが何なのか考えて欲しい
朝 城門を出て 他国へ攻め寄せた兵士達が
日が暮れて夜になっても ずっと戻らないことも

214:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/09/18 21:00:02.34 CfIMsi6q.net
こんばんはですよ

昨日、詩を投下してからお出掛けしたつもりだったのですが、実はな~んにもしてなかった
という……
あははは、夢を見ていたのでしょうねヽ(^ ^;)
宇宙キターッ!ってこういう気分なのでしょうか

え~、今日の詩は結構有名なので、もしかしたら昔やっちゃってるかもしれません
まあ、その時は笑ってやって下さい
ヨロシクですよw

215:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/09/18 21:00:36.36 CfIMsi6q.net
  『滕王閣』  王勃

滕王(とうおう)の高閣 江渚(こうしょ)に臨む
佩玉(はいぎょく) 鳴鸞(めいらん) 歌舞 罷(や)みぬ
画棟(がとう) 朝(あした)に飛ぶ 南浦(なんぽ)の雲
珠簾(しゅれん) 暮に捲(ま)く 西山の雨
閑雲(かんうん) 潭影(たんえい) 日に悠々
物 換(かわ)り 星 移りて 幾度の秋ぞ
閣中の帝子 今 何(いずこ)にか在る
檻外の長江 空しく 自ずから流る

216:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/09/18 21:02:09.58 CfIMsi6q.net
はいはい、秋らしく物思いに耽ってみましょうねw


滕王の建てた立派な楼閣からは 長江の流れがよく見える
帯玉や車の鈴を鳴らしながら 人々が集い 歌舞を楽しんだのは遠い日のこと
鮮やかに彩られた屋根の向こうには 朝毎に南浦の雲が飛んでいただろうし
日暮れ時 美しい玉簾を巻き上げれば 雨に煙る西山が眺められたことだろう
ふんわり空に浮かぶ雲 静かな水面に映る景色 繰り返される穏やかな日々
そして 全ては移り変わり 時は流れて もはや何度目の秋だろう
ここに遊んだ帝や御子は 今はどうしておいでなのだろう
手摺の向こうを流れる長江は 何も語らず ただ流れ行くのみ

217:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/09/18 21:03:45.43 CfIMsi6q.net
ちょこっとメモしときましょうか

2009年12月、王勃が詠んだ「秋日登洪府滕王閣餞別序」(滕王閣序)の「日本版」と
「中国版」が相違していることが明らかになりました
中国版の「滕王閣序」は、「南昌故郡、洪都新府…」で始まりますが、日本版は初めの
部分が「豫章故郡」となっているなど、違いは凡そ4分の1ほど
(*「豫章」「洪州」はともに昔の呼び方)
日本版は王勃がこの詩を詠んだ26年後に伝わったもので、「滕王閣序」の現存する
最古の写本であると言われていますが、両者の差異が生じた訳はまだ調査・研究中だ
ということです

218:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/09/24 14:40:31.87 CEL2E4M8.net
こんにちはですよ
彼岸の中日は昨日でしたが、今日も良いお参り日和になりましたよ
露天の食べ物というのはどうして微妙に美味いのでしょうか
焼きそば・たこ焼き・おでん・洋食焼き・玉コンニャク・etc……
量も普通よりちょびっとばかり少ないので、ついつい次々買い食いしてしまうのですよ
もしかして、これはご先祖様も一緒に買い食いしてるからなのでしょうか?
もう腹いっぱいで、夕飯までなーんにも食えねーですよ
困ったもんです

太った分のダイエットに夜の散歩がいいかも知れませんよ
少しぐらい歩いても汗ばまなくなりましたしね
どうせなら風情ある所を歩いてみてーと思いますよ、この詩のような所をね

219:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/09/24 14:40:52.94 CEL2E4M8.net
  『新晴山月』  by文同

高松 疏月(そげつ)を漏らし
影を落として 地に画(えが)くが如し
徘徊 其の下(もと)を愛し
久しきに及んで寐(い)ぬる能(あた)わず
風に怯えて 池荷(ちか)は捲(ま)き
雨に病んで 山果(さんか)墜(お)つ
誰か 余が苦吟に伴える
満林 絡緯(らくい)啼く

220:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/09/24 14:41:41.26 CEL2E4M8.net
こんな感じでしょうかw


高い松の梢を透かし 月が明るく輝いている
黒々とした松の影は まるで地面に絵を描いたようだ
なんとなく歩いていたが 其処が妙に気に入って
ずっと佇んでいたら すっかり眼が冴えてしまった
冷たい風を恐れてか 池のハスは葉を縮め
雨に打たれた所為だろう 山の木の実がぽとりと落ちる
歌のひとつも詠んでみようと うんうん唸る私の側で
林中の虫どもが 澄んだ声で啼いている

221:名無氏物語
11/09/29 11:02:10.38 lI8KVNTk.net
柏木如亭の「木工集」51首「如亭山人稿初集」100首

知っている方がいらしたら教えて頂けませんでしょうか。山人遺稿は持っているのですが。
どうぞ宜しくお願いします。

222:名無氏物語
11/09/29 23:17:48.44 nV5kmbB4.net
>>221
スレ違いです。というかマルチポストは規制対象になります。慎んでください。

223:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/10/02 11:18:42.55 /pvfsGGc.net
おはようございますよ
「竹島対馬沖縄尖閣千島樺太沖ノ鳥島は日本領です」

ま~、一気に寒さが来ちゃいましたよ
お上のおツムがどれもこれも寒い所為なのでしょうが、秋冬ものを急いで出さないといけませんよ
やれやれ……

と言う訳で、今日は短くシュッと行きますよ

224:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/10/02 11:20:12.93 /pvfsGGc.net
  『秋風引』  by劉禹錫

何れの処よりか 秋風 至り
蕭々として 雁群を送る
朝来 庭樹に入り
孤客(こかく) 最も先に聞く


訳も一緒に書いちゃいますよ
     ↓
何処からか 秋風が吹いて来ると
寂しさに乗せ 雁の群を南へ送る
その秋風が 今朝方 庭木の間をすり抜けて行ったのを
独りぼっちで旅している私が 誰よりも先に知った


225:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/10/10 09:04:29.67 21HPoDOq.net
おはようございますよ

昨日はとても良い運動会日和でございましたよ
いつもの倍の時間をかけ、たっぷり顔面お絵描きしたつもりでしたが、日除けのテントもなかった所為で
しっかり日焼けしてしまいましたよ
ああ、来年からはペルソナ被って行くことにしますよ

それにしても、園児だと人間未満のあやふやな動きですが、小学生になるとだんだんヒトらしい動きに
なるのが観察出来てとても面白いですよ
或る意味感動モノですよ

で、今日の詩は上記のこととは全然関係ねーですよ
あはははは

226:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/10/10 09:05:15.52 21HPoDOq.net
  『塞下曲』  by王昌齡

馬に飲(みづかい)せんと 秋水を渡れば
水 寒くして 風 刀に似る
平沙(へいさ) 日 未だ沒せず
黯々(あんあん)として *臨兆(りんちょう)を見(のぞ)む
昔日 長城の戦
咸(み)な言う 意気高しと
黄塵 今古に足(み)ち
白骨 蓬蒿(ほうこう)に乱る

*臨兆:本当は兆の字にサンズイが必要です


227:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/10/10 09:06:42.57 21HPoDOq.net
こんな感じですか


馬に水を飲ませようと 秋の川を渡った
水は凍えるほどに冷たく 風は身を切り裂く刃のようだ
果てしなき原野に 陽はまだ沈まぬものの
哀しき臨兆には 既に闇が忍び寄っている
その昔 万里の長城の起点だったあそこで 戦が始まった時
国中の誰もが言った “絶対勝つさ!”と
今も昔も ここには黄砂が吹き付ける
そして 雑草の中に数知れぬ白骨が散らばっている

228:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/10/16 09:51:25.54 mIzBd4J5.net
おはようございますよ
朝の飲茶がめっきり旨くなって参りましたよ
今日のエビ餃子は我ながら良く出来てましたし、いやもうご機嫌ですよ
来週当りはキノコ焼売にチャレンジしてみましょうよ
朝、ベランダで飲茶しながら本を読むのは、やっぱり秋が最高ですよ

それでは今日の詩をどうぞ

229:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/10/16 09:56:11.01 mIzBd4J5.net
  『過零丁洋』  by文天祥

辛苦 遭逢(そうほう) 一経(いっけい)より起(た)ち
干戈 落々 四周星
山河 破砕し 風 絮(じょ)を飄(ひるがえ)し
身世 浮沈 雨 萍(へい)を打つ
惶恐灘頭(こうきょうたんとう) 惶恐を説き
零丁洋裏(れいていようり) 零丁を嘆ず
人生 古(いにしえ)より 誰か 死 無からん
丹心を留取して 汗青を照らさん

230:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/10/16 09:57:59.69 mIzBd4J5.net
(すんなりこんな風に)

苦労は 科挙に合格してから始まった
幾多の戦いに赴くこと 既に4年
故郷の山河は荒れ果て 風は綿毛を吹き払い
我が身もこの世の浮き沈みも まるで雨に打たれる浮き草のようだ
惶恐灘で 人は何を惶(おそ)れ恐(かしこ)むのかと 説かれ
零丁洋では その名の通り 独りぼっちになってしまった
昔から 死なない人間など居はしない
ただ 偽りのない真心をこの世に残し 史書に輝く存在となりたい

231:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/10/22 10:06:56.48 x54krp2K.net
おはようございますよ
冷え込んだり生暖かくなったり、DoSayッちゅーねん!日が続きましたが、皆さん体調は如何ですか?
雨上がりの朝は、春雨スープに生姜を入れたのが美味しゅうございますよ
そろそろ紹興酒も晩酌の仲間入りする季節がやって来たですよ
嬉しいですねえ

生活が貧乏で、大した贅沢は出来なくても、嬉しいことや楽しいことを自分で見付けられる
そんな心のゆとりだけは無くさねーでいてーですよ

今日の詩はそんなこととは全然関係ねーですがw

232:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/10/22 10:07:52.66 x54krp2K.net
  『眼中』  by元好問

眼中の時事 益々紛然たり
被を擁して 寒窓 夜眠らず
骨肉 他郷 各々県を異にし
衣冠 今日 是れ何の年ぞ
枯槐(こかい)の聚蟻(しゅうぎ) 多地無し
秋水の鳴蛙(めいわ) 自ら一天
何処の青山か 塵土を隔つる
一庵 吾れは華顛(かてん)を送らんと欲す

233:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/10/22 10:08:56.83 x54krp2K.net
(いつも通り適当に)


目に映る世相はますます乱れ 人々の心と暮らしは荒んで行くばかり
布団を引っ被るしか出来ない貧乏人でさえ 明日を思って眠れない
人々は身を守る為 住み慣れた地を離れ あちこちへ一族バラバラに身を寄せる
りっぱな衣冠を身に付けたお偉いさんは 今日のこの有様を何と考えているのだろう
アリどもが誇っていた大王国は 実はエンジュの古木の根本のちっぽけな場所
野分の後の水溜まりで鳴くカエルどもは 其処が世界の全てだと思っている
何処か こんな嘆かわしい世界を離れた 落ち着いた場所に
庵を結んで 心穏やかな晩年を過ごしたいと願う


234:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/10/30 08:43:45.24 iZZVUVPD.net
おはようございますよ

あっちこっちでハロウィンの催し物をやっているようですよ
トリック オア トリート!
お菓子くれなきゃ悪戯するぞ!と言われても、悪戯するならお菓子はやんねーですよ
そんなものより、私はお酒持って錦秋に酔いしれてーですよ
年々同じようでいて少し違う、鮮やかな美しさ
想うだけで溜め息が出てしまいますよ

あの人もそんな気持ちだったのでしょうか

235:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/10/30 08:45:04.43 iZZVUVPD.net
  『陪侍郎叔 遊洞庭酔後』  by李白

君山(くんざん)を?卻(さんきゃく)するが好し
湘水(しょうすい)を平鋪(へいほ)して流れしめん
巴陵(はりょう) 無限の酒
酔殺(すいさつ)す 洞庭の秋

236:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/10/30 08:47:48.79 iZZVUVPD.net
李白みたいに、楽しい酔っ払いはいいですねえ


あのポチョンとした君山を すぱっと削ってしまえばいい
そうしたら 湘水は真っ平らになって流れがさっぱりする
巴陵の酒はいくらでもある
秋色の洞庭湖の景色と酒に浸り 心ゆくまで酔いつぶれよう

237: 【中吉】
11/11/01 23:50:32.37 2wc1KPO5.net
李白キター
トリック オア トリートでドンチャン騒ぎするのは世界でも米国だけらしいのでパス
今冬は燗酒流行の兆し
お酒は李白のように楽しくのんびり呑みたいものですね

238:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/11/06 11:28:21.01 sFOmrSLt.net
おはようございますよ
ホタテ入りキノコ焼売がウマー!ですよ

>>237
喜んで頂けて嬉しーですよ
>今冬は燗酒流行の兆し
そうなのですか
でも私はやっぱり冷酒の方が好みですよ
それぞれに楽しくやりましょう


ところでですねえ、先日、友人と陸游の詩について話していたら、話が全然食い違うものが
出て来たのですよ
友人はそれを「ヌコ暖房」の詩だと言い、私は「憂国」の詩だと主張したのですよ
で、お互いに???となってモノを付き合わせてみたら、あら不思議
タイトルも作者も同じなのに中身がAKaBa48なのですよ
前振り長くて申し訳ねーですが、今日はそれを両方投下するですよ
でわでわー

239:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/11/06 11:29:56.04 sFOmrSLt.net
ではまず「ヌコ暖房」の方から参りましょう

  『十一月四日風雨大作』  by陸游

風 江湖を巻き 雨 村を暗(かく)す
四山 声を作(な)し 海濤 翻(ひるがえ)る
渓柴の火 軟(やわらか)く 蛮氈(ばんせん) 暖かし
我 狸奴(りど)と与(とも)に 門を出でず


風が湖水を巻き上げるように吹き付け 
強い雨の所為で村はすっかり闇の中
周囲の山々からは 木々の悲鳴にも似た音が聞こえ
海では大波が力の限り暴れている
幸い 部屋の中は 囲炉裏で柴が程良く燃え
異国の敷物もあって暖かだ
私は猫を抱いたまま 家から出ずにじっとしている

240:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/11/06 11:31:53.34 sFOmrSLt.net
では、もうひとつの方を


  『十一月四日風雨大作』  by陸游

孤村に僵(たお)れ臥すとも 自らを哀れまず
尚お思う 国の為に輪台(りんだい)を戍(まも)らんと
夜 闌(たけなわ)に臥して聴く 風の雨を吹くを
鉄馬 冰河(ひょうが) 夢に入り来たる


今 我が身は寒村で病に伏せているが 
だからといって 絶望したり自分を憐れんだりはしない
国の為に辺境の前線で働きたいと 今もなお思い続けている
夜更けに 戸外の雨風の音を聞きながら 横になっていたら
いつの間にか眠ってしまったと見えて
武装した軍馬や 凍てついた山河の景色を夢に見た

241:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/11/06 11:38:00.38 sFOmrSLt.net
余談ですが、どうしてネコのことを「狸奴」と呼ぶかといえば、昔の中国ではネコは狐狸
(特にタヌキ)の手下だと考えられていたからだそうです
なので、タヌキが踊りに誘うとネコは必ず行かないといけないとか
ネコが踊るというのは日本でも聞いたことがありますが、タヌキが誘いに来るとは聞いた
ことがないので、面白いものですねえ

242:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/11/13 10:15:18.84 NCrXPKuo.net
おはようございますよ

今朝は早うから着飾った親子連れがウロチョロしてますですよ
七五三ですから当然でしょうね
可愛いのと見苦しいのといろいろ居ますし、祖母と母の火花もちょっこし有って結構面白いです
何はともあれ、今日はいいお天気であって欲しいですよ
せっかくの日ですから

それでは今日の詩をどぞー

243:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/11/13 10:16:05.53 NCrXPKuo.net
  『馬嵬 二首』  by李商隠

    其一

冀馬(きば) 燕犀(えんさい) 地を動(どよも)して来たり
自ら紅粉を埋め 自ら灰と成す
君王 若し能く国を傾くと道(し)れば
玉輦(ぎょくれん) 何に由(よ)りてか馬嵬を過(よ)ぎらん

244:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/11/13 10:17:41.68 NCrXPKuo.net
(其一の厄)

冀洲からは騎馬兵団が 燕州からは犀革の甲冑を纏った軍団が 
足音も高く 都へ攻め寄せると
皇帝は 愛する者を自ら殺し 埋め その身体を土に返した
君主として 美女に傾けば国を傾けるのだと 念頭に置いておられたなら
御輿が馬嵬を通って行くことなど おそらくあり得なかった筈なのに


245:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/11/13 10:18:26.33 NCrXPKuo.net
    其二

海外 徒らに聞く 更に九州ありと
他生 未だ卜(ぼく)せずして 此の生(しょう)休(や)む
空しく聞く 虎旅(こりょ)の宵柝(しょうたく)を鳴らすを
復た 鶏人(けいじん)の暁籌(ぎょうちゅう)を報ずる無し
此の日 六軍(りくぐん) 同(とも)に馬を駐(とど)む
当時 七夕(しちせき) 牽牛(けんぎゅう)を笑う
如何ぞ四紀(しき) 天子と為りて
廬家(ろか)に莫愁(ばくしゅう)有るに及ばざる

四紀:歳星(木星)の周期で1紀=12年です


246:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/11/13 10:21:29.24 NCrXPKuo.net
(其二の厄)

海の向こうには 聞いたところによれば 同じような世界が9つもあるのだとか
来世がどうなるのか 占う間もなく 美姫の命は絶たれてしまった
当たり前のように聞いていた 夜回りの近衛兵の打ち鳴らす拍子木の音や
夜明けを告げる役人の声も 今は無い
この日 禁軍の兵士たちは一斉に馬を止め 一歩たりとも動こうとはしなかった
幸せだった頃 二人で七夕の日に 年に一度しか逢瀬が叶わぬ牽牛を笑ったけれど
皇帝として四紀も君臨していたのに
その愛しい者は 廬家に嫁いだ莫愁のような幸せさえ掴めなかったのか

247:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/11/20 07:19:38.81 aq4n45nj.net
おはようございますよ

昨日はひでー雨でしたねえ
目の前でトラックに横転されて、人生オワタか!?と一瞬思いましたデスよヽ(^^;)
大きなものって、小さいものみたいにすぐポテッと転けないで、ゆーーーっくり転けるんで
最初は自分の目か頭が悪くなったのかと思ったですよ
あー、生きてて良かった

さあ、それでは今日の詩、行ってみましょうか

248:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/11/20 07:20:27.04 aq4n45nj.net
  『少年遊』  by周邦彦

并刀(へいとう)は水の如く
呉塩は雪に勝る
繊手もて新橙(しんとう)を破る
錦幄(きんあく) 初めて温まり
獣煙 絶えず
相対して坐し 笙を調(しら)ぶ
低声に問う 
誰が行(いえ)に向かって宿るや
城上(じょうじょう) 已(すで)に三更
馬 滑り 霜 濃し
去(ゆ)く休(な)きに如(し)かず
直(た)だ 是れ 人の行くこと少(まれ)なり

249:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/11/20 07:21:31.00 aq4n45nj.net
訳落としw


并州の小刀は水のように美しく
呉の塩は雪にも勝るほど白いと云うが
そんな優美な手で 出回ったばかりのミカンを剥いてくれた
絹の帳の中はようやく暖まり
獣頭の香炉では 絶えることなく煙がくゆっている
差し向かいに座り 笙を奏でながら
その人は私にそっと尋ねた
これから どちらへ行ってお泊まりになるのですか?
さっき お城の上で三更を報じました
ただでさえ 馬も足を滑らせ易い頃ですし 霜もますますひどくなります
行かないで このままここにいらっしゃれば?
表を通る人も もうほとんどありませんよ

*三更:午前0時ごろ

250:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/11/26 11:53:21.96 sBXpXWRN.net
こんにちはですよ

ここ数日で一気に寒さがやってきた感じですよ
飲茶しててもお茶が冷めるのが早いこと、ビックリですよ
仕方ねーから紹興酒の燗茶瓶を利用してますが、なかなか良いですよ
寒いところで暖かいものを楽しむのも、暖かいところで冷たいものを楽しむのも、
私はどちらも同じくらい好きですよ
というか、何かを楽しめるということをありがてーと思いますよ

では、今日の詩をどぞーw

251:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/11/26 11:54:07.26 sBXpXWRN.net
  『失題』  by趙延寿

黄沙(こうさ) 風 巻いて半空に抛(なげう)ち
雲は陰山(いんざん)に重なり 雪は郊(こう)に満つ
水を探す人 回(かえ)れば 帳(ちょう)を移して就(つ)き
雕(わし)を射し箭(や)落つれば 弓を着けて抄(すくいと)る
鳥は霜果(そうか)に逢えば 飢えて還た啄(ついみば)み
馬は冰河を渡って 渇して自らける
高原の肥草(ひそう)の地を占め得て
夜 深くして 火を生ぜんとて 林梢(りんしょう)を折る

252:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/11/26 11:56:09.53 sBXpXWRN.net
この詩は契丹族の遊牧生活に触れた詩だそうですよ


風は黄砂を巻き上げ 天地の半ばに撒き散らす
雲は陰山の山並と連なって 雪は野原を埋めてゆく
新しい水場が見付かれば さっさと幕屋ごと引っ越す
ワシを射て 矢ごと落ちて来たところを 弓でさっと掬い上げる
鳥は霜で凍った果実でも 飢えているから啄むし
馬でさえ 渇きのあまり 蹄で冰河を蹴り割り 氷を口にする
なんとか高原の草のたんとある場所を確保出来たら
夜更けの焚き火用に 林の木の小枝を折り集める
そんな暮らし

253:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/12/04 06:52:14.82 i1t31pfh.net
おはようございますよ

今日はカニ食べに行って来ますよ
貧乏ですが、その時期に1度くらいは本物を味わいたいと思うのですよ
贅沢ですが、心も贅沢になれる気がするので

さて、今日の詩はそんなこととは全然無関係なこれをどうぞ

254:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/12/04 06:52:58.63 i1t31pfh.net
  『廉泉』  by蘇東坡

水の性 故(もと) 自(おのずか)ら清し
清からざるは 或いは之(これ)を撓(みだ)せばなり
君 看よ 此の廉泉(れんせん)
五色 摩尼(まに) 爛(らん)たり
廉とは 「我 廉なり」 と謂(い)う
我は 此の名を以て為さん
廉(れん)有れば 則ち貪(たん)有り
慧(けい)有れば 則ち痴(ち)有り
誰か 柳宗元(りゅうそうげん)為(た)る
孰(たれ)か 是れ 呉隠之(ごいんし)なる
漁父(ぎょほ) 足 豈(あに)潔(きよ)からんや
許由(ぎょゆう) 耳 何ぞ*黒きや
紛然として 名字(めいじ)を立つ
此の水 了(つい)に知らず
毀誉(きよ)は 時有って尽くとも
知らざるは尽くる時無し
*曷来(けつらい)す 廉泉の上(ほとり)
須(ひげ)を埒(らっ)して 鬢眉(ひんび)を看る
好在(こうざい)せよ 水中の人
到る処 相(あい)娯嬉(ごき)せん


*黒:本当はさんずい+(上に巛、下に田)という字です。
*曷:本当は曷字の向かって左側に去と言う文字が入ります。

255:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/12/04 06:54:54.37 i1t31pfh.net
(こんなん出ましたー)


水の性質というのは 本来は清く 澄んでいるもの
そうでない時は 故意に乱されたり汚されたりするからだ
ほら この“廉泉”という名の泉をごらんなさい
五色の光を映した水は 摩尼宝珠のように輝いているでしょう
廉という言葉は 私(わたくし)が清らかという意味
だから 自分はこの言葉を座右の銘にしよう
無欲な人もいれば 強欲な人もいるし
思慮深い人もいれば 浅はかな人もいる
誰が 谷川の名を変え詩を詠んだ あの柳宗元の真似をしようか
誰が 盗人になる泉の水を飲んでみた あの呉隠之の後に続こうか
水が濁ったら足を洗うと漁父は言ったが 漁師の足が泥で汚れていて何がおかしいのか
尭から天下を譲ると言われ許由は耳を洗ったが いったい何処に汚れがあったというのか
誰も彼も あれこれ御高説を宣い ケンケンガクガクやりあっているが
泉にとっては 全然関わりのないことだ
誰かを誹って 誰かを褒めて そんな議論はいずれ尽きるだろうけれど
私心の無い泉の水は いつまでも尽きることがない
泉の側に行き あごひげを引っ張りながら
水面に映った自分の姿 殊に鬢とまゆをじっくり見てみた
達者で暮らせよ 水中の人
どこまでも一緒に 人生楽しくやろうじゃないか

256:名無氏物語
11/12/04 10:38:32.69 U54flsb6.net
駅の清掃員。いつも、のぞき見。用が足し終わって出ていく人間を、
必ず見る。そのために、わざわざ、ずーっと待つオバハンもいる。
掃除をせずに、やるふりして、だんだん、そういう人間になっていく。
必ずそうなる。

257:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/12/11 10:59:18.07 zsW+tJ5c.net
おはようございますよ

私、昨夜の皆既月食を頑張って見ておりましたよ
超寒かったのですが、両掌にミニタイプ、後ろ首筋と腰・両膝に各1枚、靴の中にも各1枚、
都合8枚の使い捨てカイロを張った上、ポットに入れたホットジンをちびちびやって、
なんとかそれで乗り切ったですよ
でも、月食なのに新月より明るいのですよ、あれれのれ?


筋を通して生きて行くのは立派ですが、世渡りの為には誰しも程度の差こそあれ
「長いものには巻かれる」ことがあると思いますよ
でもね、自分がされて嫌なことを他人にするとか、最低だと思える相手と同じ振る舞いをして、
自分を貶めるかどうかは本人次第ですよ
こころざしって「士プラス心』ですから

258:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/12/11 11:00:16.37 zsW+tJ5c.net
  『乾元中寓居同谷県作歌 其一』  by杜甫

客(かく)有り 客有り その名は子美
白頭 乱髪 垂れて耳を過ぐ
歳(としどし) 橡栗(しょうりつ)を拾いて狙公(そこう)に随う
天寒く 日暮るる 山谷の裏(うち)
中原 書無くして帰り得ず
手脚 凍皴(とうしゅん) 皮肉は死す
嗚呼 一歌(いっか)す 歌 已(すで)に哀し
悲風 我が為に天より来たる


橡栗:どんぐり
狙公:猿まわし

259:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/12/11 11:01:37.65 zsW+tJ5c.net
この辺でどうでしょう


旅人が一人 ぽつんと一人 その名は子美
白髪頭はぼさぼさで 耳の下まで伸びている
来る年も来る年も 小物の下で食うや食わずの生活
凍えながら日暮れを迎える山の中
辞令が来なければ 都へ帰ることは出来ない
手足はひび割れアカギレだらけ 肌は乾き切ってカサカサ
ああ 一番目の歌 この歌さえすでに哀しい
冷たい風は 私を憐れむ天の溜め息

260:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/12/18 11:44:53.47 9F6Avpb2.net
こんにちはですよ
クリスマスが近づいて来ると、本物か偽物かわかりませんがキリスト教徒みたいな人が
戸別訪問されることが多くなりますよ
さっきも家へ来られた人がおられまして、
「キリストが本当にお生まれになったと思いますか?」と聞かれたのですが、
んなこと知りませんよ
二千年以上昔の外人のオッサンが実在したかどうかなんて
私、そんなに長生きしてませんし、会ったこともない人のことですから
「そういうことはググるとよいです」とお返事しておきましたよ
しかし、何で皆さん判で押したようにお子ちゃま連れなのでせうか?
この寒空に、それは或る意味児童虐待では?と思うのですよ


さてさて、それでは今日の詩行ってみましょうか

261:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/12/18 11:45:36.39 9F6Avpb2.net
  『早発交崖山還太室作』  by崔曙

東林 気 微(かす)かに白く
寒鳥 忽(たちまち)高翔す
吾も亦(また) 茲(ここ)より去り
*北山 草堂に帰らん
杪冬(びょうとう) 正(まさ)に三五(さんご)
日月(じつげつ) 遥かに相い望む
粛粛(しゅくしゅく)として潁上(えいじょう)を過(よぎ)れば
朧朧(ろうろう)として夕陽(せきよう)を弁ず
川冰(せんぴょう)は積雪より生じ
野火(やか)は枯桑(こそう)より出(い)ず
独往(どくおう) 路(みち) 尽き難く
窮陰(きゅういん) 人 傷み易し
傷むらくは 此の無衣の客(かく)
如何(いかん)ぞ 雪霜(せつそう)を蒙らん

*北山:嵩山36峰のひとつ、太室のある所

262:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/12/18 11:47:04.66 9F6Avpb2.net
やってみました~


夜明け前 東の林がうっすらと白いベールを被る中
冬の鳥が 目覚めるや否や 天高く飛び立った
自分もまた この宿りを発って
北山のあの粗末な庵に帰ろう
時は冬 歳も終わりに近づいた15日
東には夜明けの日 西には有明の月 遠く離れて相対する
ひたすら足を速めたが 潁河を渡る頃には
夕陽が残照を投げかけながら 地平線へ沈もうとしていた
川面の氷は 降り積んだ雪から生まれ
野原に出ずる火は 枯れた桑の木から生まれる
終わりの見えない 独り旅
何もかも寂しげな年の瀬は 人をさらに感傷的にする
ああ 最も愁うべきことは 冬支度を持たぬこの旅人
雪や霜に出会ったなら どうして凌げばよいのだろう

263:& ◆/1MvrdTblsWP
11/12/23 10:55:21.80 lEmdBOKz.net
余观日本文化,只取了中华文化阴阳平衡的特殊一点(阴阳对等),与止观系统中的[止]。未达到阴阳动态平衡,和止观止观的境界。

264:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/12/25 10:58:01.20 BQSdCv/u.net
おはようございますよ
昨日は少しマシでしたが、今日はまた素敵な寒冷日和ですよ
保冷剤無しに冷凍食品が持ち帰れそうな気がしますけれど、買い物に出るのが億劫ですよ
しかし、ケーキとチキンを買いに行かなきゃならねーですよ
やでやで……

>>263
申し訳ねーですが、読めねーのでわからねーですよ

出掛ける前に今日の詩を置いて行きますよ
でわでわ、メリー・クリスマス!

265:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/12/25 10:58:33.98 BQSdCv/u.net
  『送遠』  by杜甫

帯甲(たいこう) 天地に満つるに  
胡為(なんす)れぞ 君 遠行(えんこう)する
親朋(しんぽう) 一哭(いっこく)を尽くし
鞍馬 孤城を去る
草木 歳月晩(く)れ
関河 霜雪清し
別離 已に昨日
因(よ)りて見る 古人の情

266:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/12/25 10:59:39.44 BQSdCv/u.net
適当に、まあ


戦仕度をした人々でどこもかも溢れかえる この危うい最中に
友よ どうして君は旅立とうとするのか
家族や親類 友人達が別れを惜しみ 大泣きしながら見送る中
友は馬上の人となり 孤立したこの町から出て行った
草木も枯れ果てた年の暮れ
国境の河の辺りでは 霜が降り 雪が舞っていることだろう
その別れも もう昨日のことになってしまった
だから私は
 (“君を送りしは昨日の如し”と詠んだ)
昔の人の気持ちが痛いほどわかるのだ


267:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/12/29 17:54:42.05 AXzkBlA8.net
こんばんはですよ

皆様、今年一年どうもありがとうございました
おかげさまでどうにかこうにか1年無事に過ごすことが出来ましたよ
少々早いですが、皆様どうぞ良いお年をお迎え下さい

それでは本年最後の詩をどうぞ

268:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/12/29 17:55:25.81 AXzkBlA8.net
  『子夜歌』  by詠み人知らず

年少 当(まさ)に時に及ぶべし
*磋だとして 日々に老(おい)に就(つ)く
若(も)し 儂(わ)が語を信ぜざれば
但(た)だ看(み)よ 霜下の草を

*磋だ:だ は足偏+它です

269:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
11/12/29 17:56:04.56 AXzkBlA8.net
もうそのまんまw


若い頃こそ 時間を大切にするべきだ
もたもたしているあいだに 日一日と老いに近づいているのだから
もし 私の言うことが実感出来ないと言うのなら
ごらん あの霜の下の枯れ草を

270:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/01/07 12:07:07.53 AfzCL2bA.net
明けましておめでとうございますよ
みなさま、本年もどうぞよろしくお願い致しますよ

えー、今日は七草粥の日ですよ
でもあれはどう見ても道端の草っぽいので、私は好きではねーのですよ
でも縁起物なので一応やっとこうかと思いまして、七草=七種の具材でやってみたですよ
【一夜干しのフグ、高菜の漬物、トリのササミ、レンコンのきんぴら、ロースハム、煮染めの人参、炒り卵】
一緒に入れて作るとおそらくかなりカオ~ス!な事に、っていうより雑炊になりそうですから
白粥にちびちび乗っけて頂きましたですよ
あー、満腹満腹ですよ

季節は寒に入ったところですが、お正月が来るとなんとなく春と言う文字がちらほらしますよ
なので今日の詩もちょっと季節先取りしてみたですよ
楽しんで頂けると嬉しいですよ

271:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/01/07 12:07:43.75 AfzCL2bA.net
  『和晋陵陸丞早春遊望』  by杜審言

独り宦遊(かんゆう)の人有り
偏えに驚く 物候(ぶっこう)の新たなるに
雲霞(うんか) 海を出でて曙(あ)け
梅柳 江を渡って春なり
淑気(しゅくき) 黄鳥を催(うなが)し
晴光 緑蘋(りょくひん)を転ず
忽(たちま)ち古調を歌うを聞きて
帰思 巾(きん)を沾(うるお)さんと欲す

272:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/01/07 12:09:39.70 AfzCL2bA.net
ほのぼのちっくでどうぞ、ですよ


故郷を遠く離れた所で 役所勤めに明け暮れる独りの男 それが私
何かに付け とりわけ季節の移り変わりに心が動かされる
雲や霞が海から立ち上り 新しい夜明けが始まって
紅の梅 緑の柳も長江を越え 春が広がって行く
穏やかな温もりが ウグイスの歌を誘い
暖かな日の光が 水中の藻まで色柔らかに萌えさせる
そんな中 あなたの古風で雅な詩を拝見した私は
たちまち望郷の念に駆られ ハンカチが涙で湿っている

273:名無氏物語
12/01/09 23:06:29.92 ndsTANBZ.net
明けましておめでとうございます。今年もこのスレ楽しみにしております。

道端の草ですかw確かに普段あまり食べない菜ものが多いですよね。
ちなみに我が家は雑穀入りの七草粥でしたので、道端の草入りのトリのエサ粥でした。
ともあれ、野菜に限らず七種であれば良いそう(中国では七つの具入りの汁ものらしい)なので、おいしそうなお粥をなさいましたね。

274:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/01/15 22:51:32.95 hFzOiL/i.net
こんばんはですよ

>>273
お誉めに与り恐縮ですよ
>道端の草入りのトリのエサ粥でした。
ああ、申し訳ないことですよ
ついウッカリ他人様のことを失念して、ロクでもない表現をしてしまいました
どうか許して下さい

そうそう、ウッカリと言えば昨日、某工事の方が誤って我が家のネットの線をプッツンして
しまわれたので、私は2ちゃんどころかお買い物すら出来なくなってしまったのですよ
うぉい!てめーら、なーにやっちゃってくれてるザマスか!
と文句を垂れ、今日直してもらったのですけれども、出来て当たり前のことが出来ねーと
地味に苛つくのですよ
ああ、人間が小せぇなあ私は……
もっと大きな人間になりてーですよ

275:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/01/15 22:54:25.10 hFzOiL/i.net
  『遊仙詩』  by郭璞

京華(けいか)は遊侠(ゆうきょう)の窟(くつ)
山林は隠遁(いんとん)の棲(せい)
朱門 何ぞ栄とするに足らん
未だ蓬莱に託するに若(し)かず
源に臨んで清波を*抒(く)み
崗(おか)に陵(のぼ)って*丹ていを*採る
霊谿(れいけい) 潜盤す可(べ)し
安(いずく)んぞ 雲梯(うんてい)に登るを事とせん

*抒み:本当の字は手偏+邑です
*丹てい:ていの字は草冠+夷と書きます
*採る:本当の字は手偏+(又×4)


276:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/01/15 22:55:44.34 hFzOiL/i.net
ここまでの訳を


華やかな都は遊び好きな連中の溜まり場
山林は世俗に背を向けた人々が隠れ住むところ
立身出世を鼻に掛けてなんとしよう
そんなもの あの伝説の蓬莱に身を寄せることに比べたら 本当に下らないことさ
迸る流れの元に赴いて 青く清き水を掬い
小高い山に登って霊芝を採る
神秘の谷の大岩の元で暮らすのがいい
どうして 出世の梯に取り付くのが幸せだなどと思えるのだろう


277:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/01/15 22:56:18.07 hFzOiL/i.net
後半を


漆園(しつえん)に傲吏(ごうり)有り
莢氏(らいし)に逸妻(いつさい)有り
進めば則ち竜見(りゅうけん)を保てども
退いては藩(かき)に触るる羝(ひつじ)と為る
風塵のそとに高蹈(こうとう)し
長揖(ちょうゆう)して夷斉(いせい)に謝せん


278:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/01/15 22:57:04.42 hFzOiL/i.net
後半の訳を


その昔 漆園にいた荘子のように 誇り高く
莢氏を諫めた妻のように 毅然とありたい
役人となり その時は意見を重んじてもらえたとしても
ちょっと風向きが変われば 角が柵に引っ掛かった牡羊のように身動きが取れなくなる
煩わしい世間を離れ 遠く旅立とう
伯夷・叔斉に「これからよろしく」と挨拶などして

279:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/01/22 21:03:54.28 bQkp/P0y.net
こんばんはですよ
昨夜からずっと書き込めませんでしたよ
もしかして、某所に正○の悪口を書き込んだ所為かも……(汗)とドキドキしていたですよ

明日は春節祭ですよ
日本は正月七日に若菜を摘んでお粥に入れますが、中国でもやはり若菜を摘んで新たな命を
頂いたようですねえ
国が変わっても人の思いは変わらないようですよ
当たり前ですけれど

明日が暖かでありますように
皆が幸せでありますように
天に、地、善き力に、請い願い奉りますよ

280:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/01/22 21:04:32.60 bQkp/P0y.net
  『杜介送魚』  by蘇東坡

新年 已(すで)に賜(たも)う 黄封(こうほう)の酒
旧老(きゅうろう) 仍(な)お分つ *貞尾(ていび)の魚
陋巷(ろうこう) 門を関(とざ)して 朝日(ちょうじつ)を負い
小園 雪を除(はら)って春蔬(しゅんそ)を得たり
病妻 起って斫(き)る 銀糸の鱠(かい)
稚子 讙(よろこ)びて尋(たず)ぬ 尺素(せきそ)の書
酔眼 朦朧(もうろう)として 帰路を覓(もと)むれば
松江の煙雨 晩に疎々(そそ)たり

*貞尾:本当のていは赤+貞です

281:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/01/22 21:06:15.95 bQkp/P0y.net
訳っぽいものですよ


年が明け 帝より黄封の酒も頂戴した
そこへさらに 物知りの友人が縁起物の赤い魚を持って来てくれた
裏路地へ続く門を閉め 朝陽を背に受けながら
小庭の雪を払って 春の若菜を摘んだ
病気で伏せっていた妻も起き出し 銀糸のようななますを作っていると
幼い子供が喜んで 「手紙は入ってなかったの?」などと聞く
酒に酔い 眼同様 ぼんやりした頭でふと思う
望郷の念に駆られた蘇武が立ち戻ったのは
こんなふうに 宵闇にそぼ降る雨に煙る松江だったのだろうか 

282:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/01/31 21:32:18.55 bi4ZgeXA.net
書けますかねー?

283:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/01/31 21:47:25.91 bi4ZgeXA.net
おお、良かった!

では、改めてこんばんはですよ
気温が下がると回線の途中で情報が凍るのでしょうか
ネットには繋がるけれど画面は変わらず、カキコも出来ず、ちょっと幽霊な気分でしたよ
春節祭は済んだというのに、真冬の寒さが続いていて、特に節分前後が一番!?だとか
思わず特売の使い捨てカイロを買い込んでしまいましたよ
こんな夜には熱い目の紹興酒とか、レモンをたっぷり搾ったホットジンが良いですよ
程良く酔って誰かになりきると、心も熱くなるかも知れませんよw

それでは、今夜は李商隠の詩をどうぞ

284:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/01/31 21:47:56.32 bi4ZgeXA.net
  『武侯廟古栢』  by李商隠

蜀相(しょくしょう) 階前の柏
龍蛇 *秘宮を捧ず
陰は成る 外江の畔
老いて向かう 恵陵の東
大樹 馮異(ふうい)を思い
甘棠(かんどう) 召公を憶う
葉は彫(しぼ)む 湘燕(しょうえん)の雨
枝は折らる 海鵬(かいほう)の風
玉塁(ぎょくるい) 経綸(けいりん)遠く
金刀(きんとう) 歴数終(つ)く
誰か出師(すいし)の表を将(も)って
一たび為に昭融(しょうゆう)に問わん

*秘宮:秘ではなく、門構えに必が正しい字です

285:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/01/31 21:49:26.06 bi4ZgeXA.net
こんな感じで如何でしょう


蜀の丞相(孔明)の廟 その階前の柏の古木は
まるで聖地を護る大蛇のようだ
城外を流れる川に黒々と影を落とし
主君(劉備)の眠る恵陵へ 東へと 未だに枝を伸ばし続けている
決して手柄を誇らなかった将軍 馮異 がそっと退いていたのは大樹の下だった
善政を行なった召公を慕い 人々が大切にしていたのは甘棠だった
そんな木々の葉も 今ではすっかり萎んでしまっている
石燕を舞わせる湘江の雨より もっと激しい雨に撃たれて
枝もまた 痛ましいほど折れている
北海の鵬(おおとり)が南海へ翔る時のような 恐ろしい大風のせいで
玉塁山の如く 揺るぎないものだと思えたものが いつの間にか道を外れていて
劉氏の王朝は 誰一人気付かぬうちに 命数が尽きていた
ああ 誰か 心から国を憂える者よ ここに出師の表を示し
今一度 天の心を確かめてみてはくれないだろうか

286:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/02/05 14:23:28.13 qS0K5dNK.net
こんにちはですよ
こちらは少し前まで飛びっ切り冷え冷えでしたよ
雪国の人にとっては何でもない温度でも、雪さえあまり降らない所では超絶寒冷温度!!に
思えてしまうのですよ
私、バイク通勤してるのですが、フルフェイスのメットの中で鼻水がパリパリに凍ってしまい、
それが3日ばかり続いたもので、鼻の下が霜焼け気味になってしまいましたよ
あぁ、カッコ悪ぃ……
せっかく今年はMYバケツとMY雑巾持参で毎朝“足湯”して、サヨナラ霜焼けしましたのに
何のこっちゃーないですよ

さて、それでは今日の詩行ってみるですよ

287:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/02/05 14:24:00.12 qS0K5dNK.net
  『野望』  by杜甫

西山の白雪 三城の戍(じゅ)
南浦の清江 万里の橋
海内(かいだい) 風塵 諸弟隔たり
天涯 涕涙(ているい) 一身遙かなり
惟(た)だ遅暮(ちぼ)を将(も)って多病に供し 
未だ涓埃(けんあい)の聖朝に答うる有らず
馬に跨がり 郊に出で 時に目を極むれば
堪えず 人事の日に蕭条(しょうじょう)たるに

288:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/02/05 14:27:06.28 qS0K5dNK.net
お訳そくのw


西の方 遠く白雪を抱いた山々の中に 三つの城塞がある
ここは南浦 万里へ続く橋がかかる 清江のほとり
国の内では戦火が絶えず 弟達とも離れ離れ
たった一人 私は天の果てで涙している
為すこともすべもなく 長い間いたずらに病に時を費やし
天子さまのご恩に 何にもお応えしていない
馬に跨がり 郊外へ出 四方をとっくり見渡せば
世間が日に日に寂れて行く その有様に心が痛む

289:名無氏物語
12/02/08 22:08:01.37 ynRhLMBP.net
漢詩譯成日本語后,很奇怪

290:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/02/12 14:01:34.10 ZLvE8Ss+.net
こんにちはですよ
デパ地下は今日も結構戦場ですよ
私は偵察だけで転戦致しましたがw
人というのは何かしら季節毎に折り目、節目を付け、そうして時を過ごしているのだなあと
最近しみじみ思いますよ
待てるということは強いことだとも思いますしね

では、今日の詩はこれをどうぞ

291:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/02/12 14:02:50.53 ZLvE8Ss+.net
  華陰寄子由  by蘇東坡

三年 日として帰るを思わざる無く
夢裏(むり)に 家に還るも 旋(たちま)ち覚(さ)むれば非なり
臘酒(ろうしゅ) 寒を送り 去国を催す
東風 雪を吹いて 征衣(せいい)に満つ
三峰 已(すで)に過ぎ 天 翠を浮かぶ
四扇 行くゆく看(み)ん 日の扉(ひ)を照らすを
*里侯(りこう) 消磨して 尽くるに禁(た)えず
速やかに家餉(かしょう)を携え *参非(さんぴ)を労(ねぎら)え


*里侯:候は土偏+侯が正しいです
*参非:参、非とも馬偏が要ります

292:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/02/12 14:03:44.22 ZLvE8Ss+.net
いつもながら適当ですw


三年の間 帰りたいと思わなかった日は1日とて無い
夢で家に戻っても 目覚めれば たちまち孤独
寒絞りの酒を飲みながら 冬を過ごし ひたすら帰国を願っていた
やがて 東風が雪を吹き払い 旅衣を膨らませる
華山の三峰を通り過ぎれば 春霞む空に緑の山々が浮かぶように姿を現し
太陽に照らされた関所の4枚の扉も そのうちだんだん見えて来るだろう
ずっと目印にしてきた一里塚も まもなく姿を消す
さあ早く 弁当を私に届け 飛ぶように駆けた馬どもを労ってやってくれ

293:名無氏物語
12/02/13 14:29:12.56 L3yUs7gw.net
漢詩超初心者です。
いろんな方の日本語現代語訳を読んで楽しんでいます。

>>30の『夜食炒栗有感』by陸游なんですが、
私みたいな初心者だと、
ちょw じいさん乙ww としか思えないんですがw

原文を読むと、絶妙な言い回しだったり、さすがと思えるものなんでしょうか?
いや、何かあまりにも生活感が漂いすぎてたので・・

294:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/02/19 11:40:47.31 oU0IOat6.net
こんにちはですよ
今日は優雅に飲茶してると、お茶がすぐ冷えてせわしねーのですよ

>>293
ようこそいらっしゃいませ、スレ主のスーパー素人ルビー・Dと申しますよ
>原文を読むと、絶妙な言い回しだったり、さすがと思えるものなんでしょうか?
私はなーんにも考えてねーので、ハッキリ言ってよくわかんねーですよ
ただ、訳してて、向こうの方から勝手にスルンと言葉がほどけて来るような、そんな詩に
出会った時は嬉しくなりますよ
だって、それというのは直接心へに思いを届けて頂いたようなものですから


あ、ところで
世間は冷え冷えですが、恋人同士には暑い寒いもあんまり関係ねーのですよ
なにもかもどうでもよくて、ただ恋人だけが側に居てくれれば良いという、超シンプル世界!
ずーっと昔からそうだったみてーですよ
今日の詩みてーにw

295:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/02/19 11:41:13.91 oU0IOat6.net
  『北風』  by詩経

北風 其れ涼(さむ)し 雪 雨(ふ)ること 其れ*ホウたり
恵にして 我を好まば 手を携えて同(とも)に行かん
其れ虚 其れ邪 既にして亟(すみや)かなり

北風 其れ*ハヤし 雪 雨(ふ)ること 其れ霏(ひ)たり
恵にして 我を好まば 手を携えて同(とも)に帰(ゆ)かん
其れ虚 其れ邪 既にして亟(すみや)かなり

赤きは狐に匪(あら)ざる莫(な)し 黒きは烏に匪(あら)ざる莫(な)し
恵にして 我を好まば 手を携えて車を同(とも)にせん
其れ虚 其れ邪 既にして亟(すみや)かなり


*ホウ:雨冠に方と書きます
*ハヤ:口偏に皆と書きます

296:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/02/19 11:44:02.92 oU0IOat6.net
訳要らねーでしょうが、まあお約束ですので……(^ ^;)ゞ


北風がぴゅうぴゅう吹いている 雪もたくさん降っている
でも あなたが私を愛してくれるなら 手に手を取って出て行きましょう
ひっそりと こっそりと 気付かれぬよう大急ぎ

北風はますます強く吹いてくる 雪も激しく降りしきる
でも あなたが私を愛してくれるなら 手に手を取って帰りましょう
ひっそりと こっそりと さあさあ急いで

赤いのはキツネ 黒いのはカラス 人は人 自分は自分
あなたが私を愛してくれるなら 手を繋ぎ 同じ車に乗りましょう
ひっそりと こっそりと 誰も知らない今の内

297:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/02/25 10:59:14.01 EW06BEox.net
おはようございますよ
今年は梅の開花が遅くてヤキモキしてたのですが、いきなり咲き出してすごい勢いで
満開になりましたよ
よく見れば、まだ枯れ枝みたいな桜の枝も所々ほんのちびっとですがふくらんでますし、
桃にいたってはかなりハッキリふくらんでますよ
こんなどうでもいいことが嬉しくて、今朝のお茶は梅湯と桃茶と桜湯にしましたよ
ウグイスの声までもう一息、そんなところですかよ

そんな訳で今日は梅繋がり
蘇東坡の『梅花 其一、其二』を続けてどうぞ

298:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/02/25 11:00:02.27 EW06BEox.net
  『梅花 其一』  by蘇東坡

春来 幽谷 水 潺々(せんせん)たり
的?(てきれき)たる梅花 草棘(そうきょく)の間
一夜 東風 石を吹いて裂く
半ば飛雪に随い 関山を渡る


  『梅花 其二』
何人か 酒を把(と)って 深幽(しんゆう)を慰む
開きて自ら無聊(ぶりょう) 落つれば更に愁う
幸い 青渓(せいけい)三百曲有り 
辞せず 相送りて 黄州に到るを

299:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/02/25 11:01:15.34 EW06BEox.net

そのまま、こんな感じでどうでしょう


春が来た
奥深い谷から 水がさらさら流れて来る
未だ目覚めぬ木々の間で 梅の花が色鮮やかに咲いている
一晩中 岩をも裂きそうな勢いで風が吹き荒れると
梅の花は雪と一緒に舞い上がり 山の関所を越えて行った


こんな山奥へ 酒を持って訪ねてくれる そんな誰かはいるのだろうか
咲いたところで寂しかろう 散ってしまえば侘びしかろう
幸い この谷川はいくつもいくつも折れ曲がっている
流れに乗って 私と一緒に黄州までついておいで

300:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/02/25 11:05:28.51 EW06BEox.net
あ、「れき」の文字出てませんねえ
申し訳ねーですよ
そこは礫という文字の、石偏の部分が「白」になった文字ですよ

301:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/03/04 09:01:12.73 doLafa/c.net
おはようございますよ
春は名のみの風の寒さよ、と歌にありますが、げにげに風の冷たきことですよ
日溜まりはそこそこ暖かいですのにねえ

春と言えば恋なのですよ、安直ですが
いつも会える人のことを思うのも良いですが、詩や小説などではやはり離れ離れの恋というのが
なかなか良い題材だったりしますよ
今日の詩はそんなのを選びましたよ

ではどうぞ

302:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/03/04 09:01:55.72 doLafa/c.net
  『春雨』  by李商隠

新春に悵臥(ちょうが)す 白袷衣(はくこうい)
白門 寥洛(りょうらく)として 意 多く違(たが)う
紅楼 雨を隔てて 相い望めば冷やかなり
珠箔(しゅはく) 燈(ともしび)に飄(ひるがえ)り 独自(ひと)り帰る
遠路 応(まさ)に春の*宛晩(えんばん)たるを悲しむべし
残宵(ざんしょう) 猶(な)お夢の依稀(いき)たるを得たり
*玉當(ぎょくとう) 緘札(かんさつ)  何に由(よ)りてか達せん
万里の雲羅(うんら) 一雁(いちがん)飛ぶ


*宛晩:宛の字は本当は日偏が要ります
*玉當:當の字には王偏が要ります

303:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/03/04 09:02:48.60 doLafa/c.net
こいつは超適当なので信じちゃいけねーですよw


春だと言うのに 何もしたくなくて 白い袷(あわせ)を着たまま 身を投げ出した
恋人達で賑わう白門の辺りも 今日はひっそり 熱情だけが空回り
冷たく降りしきる雨の向こうには あの人と夢を結んだあの館
灯りに煌めく真珠の簾をかいくぐり 独り虚しくそこを立ち去る
今は遠い空の下 あの人も過ぎ行く春を惜しんでいるのだろうか
とある明け方 夢うつつに幻を見たような気がする
手紙に耳飾りを添えて送りたいけれど どうすれば届けられるだろう
薄霞む果てしない空を横切り 一羽の雁が飛んで行く

304:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/03/04 09:04:24.77 doLafa/c.net
ところで、先週ゼイタク茶をやらかした所為で蓮のお茶を切らしてしまいましたよ
仕方ねーので来週はちょっくら買い出しに行きますよ

ではでは

305:ミヤビ
12/03/04 15:23:14.62 +4bmECep.net
不自見故明、不自是故彰、不自伐故有功、不自矜故長

306:ミヤビ
12/03/04 15:24:22.23 +4bmECep.net
在天願作比翼鳥、在地願為連理枝~

307:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/03/18 10:49:02.46 b6MTumCS.net
おはようございますよ
昨日からお彼岸ですねえ
という訳で、けさは牡丹餅ならぬカスタード・タルトで飲茶しておりますよ
たまには良いものですね、朝から甘いものというのも

先週はちょっくらベトナムの古都フエとホイアンを巡ってきましたですよ
あちら、史跡には意外と漢字が多くありまして、碑文など読んでると結構楽しかったですよ
ただ、漢字が普通に読めるベトナム人と言うのは、今はほんの僅かなお年寄りだけで、
若い方は全く読めなくなってしまっていると聞きましたよ
勿体ないことだと思いますよ

旅立つ前はワクワクですが、帰る時になると何だか寂しくなるのですよ
もう少しここにいたい、そんな気がして
休みとお金が有限ですから無理なのですけれど

さあ、では今日の詩をどうぞ

308:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/03/18 10:49:44.72 b6MTumCS.net
  『金陵酒肆留別』  by李白

白門の柳花  満店 香(かんば)し
呉姫 酒を圧し  客を喚(よ)びて嘗(な)めしむ
金陵の子弟  来たりて相い送る
行かんと欲して行かず  各(おのおの)の觴(さかずき)を尽くす
請う 君  問い取れ  東流の水に
別意と之(これ)と  誰(いずれ)か短長なると

309:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/03/18 10:50:51.23 b6MTumCS.net
適当てんこ盛りでw


雅な白門に 柳絮が花のように舞い散る頃 店中が好い香りで満たされる
呉の若い娘達が新しい酒を絞り 道行く客を呼んで味見をさせるから
そんな最中に 金陵の若者達が私を見送ろうと集まってくれた
程々にするつもりが ついつい心のままに語り合い 互いの盃を重ねるばかり
君よ 東流する長江に尋ねてみてはくれまいか
別れのこころと 水の流れと どちらの方が遙か遠くへ届くのだろうか と

310:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/03/25 10:20:28.43 i2AEfrbk.net
おはようございますよ
お彼岸も済んだのに寒いですよ?
その上昨日から強風が吹き荒れまくり、時々びたびた雨wも降ってきますよ?
それでもあちこちで桜が咲いてるそうですから、春は春なのでしょうけれど
綿入れ羽織って飲茶しましたよ
この“ナンダカナァ……”な気持ちは何処へ持っていけば良いでしょうね

とりあえず、今日の詩は李商隠再びです
どぞー

311:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/03/25 10:24:27.65 i2AEfrbk.net
  『無題四首 其三』  by李商隠

情を含みて 春 *宛晩(えんばん)たり
暫く見れば 夜 闌干(らんかん)たり
楼 響きて 将(まさ)に登らんとして怯(お)じ
簾 *コウして 過(よぎ)らんと欲するも難(かた)し
多(た)だ羞(は)ず 釵上(さじょう)の燕
真(まこと)に愧(は)ず 鏡中の鸞(らん)
帰り去れば 横塘(おうとう) 暁(あ)け
華星(かせい) 宝鞍(ほうあん)を送る


*宛晩:宛の字が正しくは日偏+宛です
*コウして:コウは火偏に共と書きます

312:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/03/25 10:25:24.80 i2AEfrbk.net
ここで盛大にデタラメをw


不透明な気持ちのまま 春は静かに暮れかかる
すべもなく時が過ぎ 夜が刻々深まって行く
静まりかえった館に響く 足音に怯えて踏み出せず
簾越しの灯りに照らされるのが恐く 廊下を渡ることさえ出来ない
釵上の燕のように 心から睦み合えたなら どれほど良かっただろう
鏡中の鸞のように 心から燃えることが出来たなら どんなに素晴らしかっただろう
横塘で夜明けを迎えた帰り道
強く輝く明星だけが 華やかな装いの私を冷たく見送る

313:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/04/01 09:10:42.43 5demCAVi.net
おはようございますよ
いよいよ4月ですねえ
えらいもので、大阪でも桜の花がちらちら綻び始めましたですよ
桜が咲くと嬉しいですねえ
お花見したくなりますよ
お花見といえばやっぱり宴会でしょう
昔も同じだったようですよ
こんな具合に

314:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/04/01 09:11:05.50 5demCAVi.net
  『従岐王夜*宴衛家山池 応教』  by王維

座客(ざかく) 香貂(こうちょう)満つ
宮娃(きゅうあい) 綺幔(きまん)張る
澗花(かんか)は 粉飾を軽ろんず
山月は燈光を少(ないがしろ)にす
積翠(せきすい) 紗窓(さそう)暗し
飛泉 繍戸(しゅうこ)涼し
還(ま)た歌舞を将(ひき)いて出(い)ず
帰路 長きを愁うる莫(な)かれ

*宴:本当は言偏+燕です

315:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/04/01 09:11:45.91 5demCAVi.net
こんな感じでしょうか


お揃いの面々は 誰方も良い香りと貂の帽子を身に付けた高官ばかり
御殿の自慢の美女達が 鮮やかな綾絹の幔幕を張り巡らせる
谷川を彩る花々は 妍を競う彼女らに嫉妬してか つれない素振り
山上に昇った月は 庭の篝火に張り合い これでもかと明るく輝く
緑濃き樹々に囲まれ 絹が張られた窓は薄暗く
滾り落ちる滝の飛沫に 美しい刺繍の扉もひんやりしている
お帰りの時も 賑やかに歌舞を引き連れて出て行かれるから
お館まで多少道程があろうとも 全然気にすることはない

316:名無氏物語
12/04/03 06:18:00.38 s/4/xx+2.net
と、発達障害者(チビ、ブサ、知的障害)が申しております

317:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/04/08 09:08:06.25 VXa1r0QH.net
おはようございますよ
今日は全国的に好いお日和ですよ
私も今日の一煎目はいつものお茶ではなく、桜湯にしましたよ
(いえ、別にお結納ではありません)
肌寒いですが、流石に清明に入ると気分が晴れ立ちますよ
小さなことですが、とても幸せですよ

今日はこんな詩を選んでみました
楽しんで頂けると良いのですが

318:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/04/08 09:09:41.22 VXa1r0QH.net
  「東坡八首 其四」  by蘇東坡

稲を種(う)う 清明の前
楽事(らくじ) 我 能(よ)く数(かぞ)えん
空に毛(もう)して 春沢(しゅんたく) 暗く
水に鍼(しん)して 好語(こうご)を聞く
秧(おう)を分(わか)ちて 初夏に及び
漸く風葉(ふうよう)の挙(あが)るを喜ぶ
月 明らかにして 露の上(のぼ)るを看る
一々 珠 縷(る)を垂る

319:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/04/08 09:10:13.10 VXa1r0QH.net
秋来 霜穂(そうすい)重く
顛倒(てんとう)して 相(あい)*トウシュす
但だ聞く 畦隴(けいろう)の間
*サクモウ 風雨の如きを
新舂(しんしょう) 便(すなわ)ち甑(ソウ)に入る
玉粒 筐呂(きゅうきょ)を照らす
我久しく官倉を食む
紅腐して泥土に等し
行くゆく 当に此の味を知るべし
口腹 吾 已(すで)に許せり

*トウシュ:トウは手偏+掌または掌の部分が牙になったもの
       シュは手偏+主

*サクモウ:サクは虫偏+乍、モウは虫偏+孟

320:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/04/08 09:11:21.46 VXa1r0QH.net
お約束通り“適当”です


清明節の前に 稲の種を播く
これから起こる 楽しいことを指折り数える
細かな雨が苗代を薄暗く煙らせる頃 
銀の針のような苗が水面から天を指したと 喜びの声が聞かれる
田植えが終わり 初夏が訪れると
ようやく 渡る風に稲の葉先が翻るようになる
月が美しく輝くようになれば 露が結び
まるで無数の真珠を連ねたように見える

321:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/04/08 09:11:47.24 VXa1r0QH.net
秋 霜をくぐった稲穂はずっしりと重くなり
頭を垂れながら 互いに支え合う有様
聞こえるのは 田畑の間を
飛び交うバッタどもの ざわざわという羽音
早速に刈り取られ 搗かれた米は蒸し器に入れられる
四角や丸の竹籠の中 米粒が玉のように光っている
私は長らく お上から下される扶持米を食べてきたが
それは赤みを帯びた傷んだ古米で 泥のように不味かった
いずれきっと 取れたての新米を味わえる日が来る
そのことを もう自分の口と腹に約束しておこう

322:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/04/15 14:47:36.13 gkzEz5C0.net
こんにちはですよ
陽気に誘われのほほんとお散歩してきましたら、世間様はすっかり花盛りですよ
ここら辺りの平地の桜は半ば散ってしまいましたが、山へ行けばまだまだ見頃はこれからだとか
花の下で傾ける盃は本当にいっそう旨いものですよ
お花見弁当に悩むなら、その時は駅弁が良いですよ
駅弁は旅を楽しみながら地元の味も楽しめるように、かつ傷み難いようしっかり味付けされて
いますから、お茶にもお酒にも合うことが多いのですよ
ものによっては、日本酒やワインがセットになってますしね

さあて、私も今夜のお花見の為に仕入れに行って来ますよ
その前に今日の詩をどうぞ

323:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/04/15 14:48:01.19 gkzEz5C0.net
  『読曲歌』より二首  by無名氏

歓(かん)を思うも来たるを得ず
被(ふとん)を抱(いだ)いて空中に語る
月も没し 星も亮(あか)るからず
底(なに)を持ってか 儂(わ)が緒(おもい)を明かさん

歓を憐(いとおし)んで 敢えて名を喚(よ)ばんや
歓を思って字(あざな)を呼ばず
連(しき)りに喚ぶ 歓 復(ま)た歓
両(たがい)に誓う 相棄(す)てじと

324:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/04/15 14:49:14.28 gkzEz5C0.net
乙女チックに行っちゃいましょうw


逢いたいと こんなにも思っているのに ひとりぽっち
布団を抱き締めながら呟いた
お月様は隠れてしまい 星の光も届かない
この気持ち どうやって伝えたらいいのでしょう

あの人の本名を呼び捨てなんて 勿体なくて出来ないし
みんなと同じように字(あざな)で呼ぶのも嫌
だから私だけの愛称で呼ぶの 何度も何度も
そして二人で 一生心変わりしないって永遠の愛を誓うの

325:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/04/22 21:15:28.36 8dFaE1F2.net
こんばんはですよ
今年は花も雨もズレてますよ
季節感が微妙に外れて違和感がありますよ
それでも春は春で、人は春の物思いに到るのでしょうね
そこで見付けた道はあなただけのもので、他人の道とは似ていても違うものだと知ってて下さい
腹魂を据え、迷いのない人こそが強い人なのだと友が申しておりましたよ
私は未だにフラフラしておりますがw

今日はこんな詩を見付けて来ましたよ
気に入って頂けると良いのですが

326:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/04/22 21:18:50.61 8dFaE1F2.net
  『遊化感寺』  by王維

翡翠 香烟(こうえん)合(がっ)し
瑠璃 宝地(ほうち)平らかなり
竜宮 棟宇(とうう)を連(つら)ね
虎穴 簷楹(えんえい)に傍(そ)う
谷 静かにして 惟(た)だ松響(しょうきょう)あり
山 深(ふこ)うして 鳥 声無し
瓊峰(けいほう) 戸に当たりて拆(さ)け
金澗(きんかん) 林を透して鳴る
郢路(えいろ) 雲端に迥(はる)かに
秦川(しんせん) 雨外に晴(は)る
雁王(がんのう) 果を銜(ふく)みて献じ
鹿女(ろくじょ) 花を踏みて行く
*トウソウして貧里(ひんり)を辞し
帰依(きえ)して化城(けじょう)に宿す
籬(り)を繞(めぐ)りて 野蕨(やけつ)を生じ
空舘(くうかん) 山桜(さんおう)発(ひら)く
香飯(こうはん) 青菰(せいこ)の米
嘉蔬(かそ) 緑芋(りょくう)の羮(こう)
誓いて清梵(せいぼん)の末に陪(ばい)し
端坐(たんざ) 無生(むしょう)を学ばん


*トウソウ:トウは手偏に斗、ソウは手偏に數と書きます

327:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/04/22 21:20:19.00 8dFaE1F2.net
いつもよりうんとデタラメです、心して下さいよw


立ち上る翡翠色の香の煙はひとつになり
浄土に価するここは 瑠璃色の海原のように平らかに広がる
龍宮ほどに豪壮な屋根が 幾つも幾つも連なり
昔 虎を立ち退かせた僧坊は その軒端に寄り添うように建てられている
静かな谷に響くのは 松の梢を渡る風のざわめき
鳥の声さえ吸い込まれてしまう 深い山
戸口に向かい合う美しい峰は 引き裂かれたように鋭く聳え
豊かな渓流のせせらぎが 林の木々の向こうから聞こえる
郢へ向かう街道は 雲の生まれる遙か遠くへ続き
秦川に広がる平原は 雨雲の向こうでからりと晴れている
雁の王は果物をくわえ来たりて 僧侶に献上し
鹿から生まれた美女が 蓮の花を踏みながら参詣する
私も日常のしがらみを振り払い 俗世間を離れて
仏法僧に身心を委ね 幻の城で休みながらも先を目指そう
生け垣の周りは 萌え出ずるワラビがいっぱい
人気のない館の側で 山桜が咲いている
お供養の香りのよいご飯は マコモの米
美味しい精進料理に 青イモのスープ
私は誓う この清らかな悟りの修行の末座に連なり
姿勢を正して 無生の道を学ぶことを

328:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/04/28 10:45:14.44 F009gMw3.net
おはようございますよ
何だか今年は春特有の“ほわん”とした感じが少なかったと言いましょうか、短かったと言いましょうか、
ふと振り向けば、鼻息荒く「夏」が季節のバトンを奪いに迫って来る、そんな感じがしますよ
ものごとが荒らかなのは何事によらずわわしく、心まで荒む思いですよ
心を痛めてしまった時のお薬はやはり、美しいものや優しいものに触れることでしょう
もうお休みに入られた方も、まだお休みでない方も、これからしばらくは気候の良い時期ですから
十分リフレッシュされることを願いますよ

それでは今日の詩をどうぞ

329:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/04/28 10:45:47.77 F009gMw3.net
  『過百家渡 其三』  by楊万里

柳子祠前(りゅうししぜん) 春 已(すで)に残(つ)き
新晴(しんせい) 特地(ことさら)に春寒(しゅんかん)を却(しりぞ)く 
疎籬(そり)は花の与(ため)に護りと為らず
只だ蛛糸(しゅし)の為に網竿(もうかん)と作(な)る

330:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/04/28 10:48:12.56 F009gMw3.net
や~く?


柳(宗元)先生の御廟の前では 春はもう名残だけ
からりと晴れた空が 春の肌寒さをここから追い払ってくれる
疎らな垣根は 花の為に風を防ぐ役目がもう済んで
今度は蜘蛛の為に 網を張る竿になってやっている

331:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/05/06 21:30:17.47 u6h8EFuW.net
こんばんはですよ
GWも終わりですねえ
何処かへお出掛けしていた人も、接客する側にいた人も、なーんにもしなかった人も、
とにかくお疲れさまでございましたよ
今夜は気持ちをふにゃーっと緩めてゆっくり休んで下さいよ
ええ、私ももちろんふにゃーっとしますよ
だから今夜はこの詩をお届けしますよ
受け取りやが…いえいえ、どうぞですよ

332:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/05/06 21:30:46.53 u6h8EFuW.net
  『過百家渡 其四』  by楊万里

一晴一雨 路(みち)乾湿(かんしつ)
半ば淡く 半ば濃く 山 畳重(じょうちょう)す
遠草(えんそう) 平らかなる中に 牛背を見る
新秧(しんおう)の疎らなる処に 人踪(じんそう)有り

333:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/05/06 21:31:19.26 u6h8EFuW.net
のほほんと、ね?


晴れ ぱらりと雨 そんな天気で 道も渇いていたりぬかるんでいたり
淡く濃く グラデーションで彩られた山が幾重にも重なっている
遠く広がる草原の中に ぽつんぽつんと牛の背中が見えていて
新しく植わった苗がちょっと疎らになった所に 人の足跡がある

334:名無氏物語
12/05/06 23:59:38.02 xp42N1D2.net
>>331
もし、"断った"と聞いて、ルビーさんが倒れたりしたら、スレが混乱しますので、作詩者先生とスレ住民各位のためにもらっといてやる。
-----芥○賞

今日の詩は、GWの締めにぴったりだと思います。明日から仕事だなーって感じがします。

335:名無氏物語
12/05/11 06:42:48.46 T3nrn7Br.net

春来也 襠銭蝮萵 甼固待

仔之弭 匙乃鼻 差廼尾 此乃尾


336: ◆LUZ9IGA2pU
12/05/12 18:39:35.09 90eUAeRF.net
ぬな

337:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/05/13 12:16:14.46 Lu6xZyJW.net
こんにちはですよ

>>334
ありがとうございますよ
構って頂けてとても嬉しいですよ♪

今日は何故だか寒いのですよ
この間せっかく仕舞った冬物を少し引っ張り出しましたよ
なので今日の飲茶は生姜をたっぷり利かせた鶏肉の餃子と中華粥にしましたよ
ツバメの巣のスープとは行きませんが、春雨のスープも付けましたよ
楽しいことを考えたり、やってみたりしてると、案外寒さを忘れるものですよ
では、全然関係ねーですが、今日の詩はこれをどうぞ

338:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/05/13 12:16:33.00 Lu6xZyJW.net
  『金陵驛』  by文天祥

草は離宮を合(かこ)み 夕暉(せきき)転ず
孤雲 飄泊(ひょうはく)して 復(ま)た何にか依らん
山河 風景 元異なること無きに
城郭 人民 半ばは已(すで)に非なり
満地の芦花(ろか)は 我と和(とも)に老い
旧家の燕子(えんし)は 誰に傍(そ)ってか飛ばん
今より別却(べっきゃく)す 江南の路(みち)
化して啼鵑(ていけん)と作(な)り 血を帯びて帰らん

339:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/05/13 12:18:07.13 Lu6xZyJW.net
適当ですよ


雑草の蔓延る離宮に 沈む陽が残照を投げかける
漂うはぐれ雲は いったい何処へ行こうというのだろう
山も河も 辺りの様子は昔と変わらないのに
町と住民は 随分変わってしまった
一面のアシの花は 私と共に年月を重ねたが
巣掛けする家を失ったツバメは 今度はどの軒先から飛び立てば良いのか
今から江南の地に別れを告げることになるけれど
啼いて血を吐くホトトギスになってでも 必ず再びここへ戻る

340:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/05/20 11:46:29.07 P3DPaN52.net
こんにちはですよ
いよいよ明日は金環日食ですよ
お空が大好きな友人が、餌を待ってるライオンみたいにウロウロしてて、かなり邪魔ですよ
なんでも明朝は曇り空なんだそうですよ
 ルビー「薄曇りなら、日食メガネとかややこしいモノ無しで直接見られるのでは?」
 友人「アホか」
おっとりさんですねえ、今頃気付いたのですかよ
まあ、他人が楽しみにしてることに茶々を入れるのはよくねーので、照る照る坊主の頭に
金色折り紙のカブト被せて吊しときましたよ
今日も明日も好い日であれ、ですよ


さて、今日の詩はこんなのを選んでみましたよ

341:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/05/20 11:48:37.36 P3DPaN52.net
  『蓬莱三殿侍宴奉勅詠終南山』  by杜審言

北斗 城辺に挂(かか)り
南山 殿前に倚(よ)る
雲標(うんぴょう) 金闕(きんけつ) 迥(はる)かにして
樹杪(じゅびょう) 玉堂 懸(かか)れり
半嶺に佳気通じ
中峰に瑞烟(ずいえん)繞(めぐ)る
小臣 持して寿を献ず
長(とこし)えに 此に堯天(ぎょうてん)を載(いただ)かん

342:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/05/20 11:50:10.06 P3DPaN52.net
共に栄えあれ、ですねえ


城の上には 冠のように北斗が懸かり
城の前には 楯のように終南山が聳えている
雲の上 いと高き所にそそり立つ 黄金作りの宮殿
その屋根は 山の木々の梢に届かんばかり
山腹には吉祥の気が漂い
主峰を瑞兆の霞が取り巻いている
家来達は 杯や言祝ぎの詩を捧げて聖寿無窮を祝い
長く久しく 仁徳溢れる治世が続くことを祈る

343:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/05/26 11:53:57.08 T25KbUHO.net
こんにちはですよ

金環食、なんとか見ることが出来ましたよ
曇りだ曇りだと言われてたので半分諦めてたのですが、運良く薄曇りになってくれたので
裸眼でしっかり見ることが出来ましたよ
惜しむらくはカメラを持ってなかったので、デジカメで撮影したのですが、肉眼で見て
ちょうど良い時は輝きが強過ぎて只の光体にしか映らず、薄雲の向こうにあってやっと
上手く撮れたらなんだかずいぶん小さくてアレレ?でしたよ
まあ、記念だから良いことにしましたよ
この後は4日の月食、6日の金星食と食続きですが、地面に影響がないことを祈りますよ


さて、5月最後の土曜日はこんな詩でどうでしょう?

344:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/05/26 11:54:31.56 T25KbUHO.net
  『至端州駅見杜五審言沈三?期閻五朝隠王二無競題壁慨然成詠』  by宋之問

逐臣(ちくしん) 北地にて厳譴(げんけん)を承(う)け
謂(おも)えらく 南中に到らば 毎(つね)に相見んと  
豈(あに)意(おも)わんや 南中には岐路多く
千山万水 郷県を分かつ
雲揺らぎ 雨散じて 各々飜飛(ほんぴ)し 
海濶(ひろ)く 天長く 音信(いんしん)稀(まれ)なり
処々の山川 同じく瘴癘(しょうれい)
自ら憐む 能(よ)く幾人か帰るを得ん

345:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/05/26 11:55:34.76 T25KbUHO.net
タイトル長ぇーですよw


官位を追われた臣下は 北の都で厳しい叱責を受けたものの
南方へ行ってしまえば また以前のように会えるとたかをくくっていたろう
きっと考えもしなかったに違いない
南方にはこんなに多くの分かれ道があって
たくさんの山や川が 町や村を隔てていると
雲が湧き 降り出した雨が それぞれ違う所へ散らばるように
(互いを隔てる)海は広く 空は遠く 便りなどほとんど通わない
各自の行く手の山も川も みんな毒と病に満ちた場所
そして気の毒な彼ら同様 私も流人
我々のうち 何人が運良く無事に都へ戻れるだろう

346:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/06/03 14:07:37.53 7sn+GbbY.net
こんにちはですよ
いよいよ6月に入りましたねえ
私の住む大阪では、今月末にもう“愛染祭”という大阪三大祭のひとつが始まるのですよ
愛染堂の御本尊・愛染明王様もとっても立派ですが、その裏の御堂にいらっしゃる大日如来様は
腕が6本という珍しいお姿ですから、興味のある方はどうぞ出掛けてみて下さいよ
お祭の時はやっぱり夜店が楽しいですよ
大好きな金魚すくいにヨーヨー吊り、焼きそば、イカ焼き、トウモコロシ、etc.

ああ、そう言えば小さい頃、オモチャの刀を売りつけられたことがありますよ
プラスチックのじゃなくて、5月人形の鎧のオッサンが持ってそうなやつw
私、ちゃんと女の子の格好してたんですよ?
ついでに寄越された殿様チョンマゲは、流石に親が断わったようですが
まったく、世の中何が起きるかわかんねーですよ


今日の詩は刀を思い出したので、これをどうぞ

347:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/06/03 14:08:17.34 7sn+GbbY.net
  『日本刀歌』  by欧陽修

昆夷(こんい)は道遠くして 復た通ぜず
世々に切玉(せつぎょく)を伝うるも 誰か能く窮(きわ)めん
宝刀 近ごろ日本国に出で
越賈(えつこ) 之を滄海の東に得たり
魚皮もて装貼(そうてん)す 香木の鞘
黄白 閑雑す 鍮(ちゅう)と銅と
百金もて伝え入る 好事(こうず)の手
佩服せば 以って妖凶を禳(はら)う可し

348:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
12/06/03 14:09:44.21 7sn+GbbY.net
長いので、区切りごとに訳入れますね


昆吾(こんご)の国は遙か彼方で 今や行き来もない
昔から その国には玉を泥のように切り裂く名剣があると言い伝えられて来たが
今ではそれを確かめる術がない
しかし最近 宝刀が日本の国で作られ
越の商人が これを青き大海原の東の果てで求めてきた
香木の鞘には鮫皮を貼って美しく仕上げ
飾りは 金と銀の間に 真鍮と銅を上手くあしらっている
好事家が大枚をはたいて手に入れたが
この剣を帯びていると 災厄を祓うことが出来るという


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