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週刊金曜日 2020年10/16号
■風速計「骨を抱く」 崔善愛
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わたしの母方の祖父も強制連行され、日本にきた。長崎、神戸と転々とした後に京都の東九条に住んだ。
母は結婚後、北九州へ。周りには筑豊や小倉炭鉱で働く在日コリアンの家族がいた。たとえば金鐘甲さん
（1920～96年）に「募集」の通知がきたのは21歳のときだ。父親が拒むと官憲から棍棒で殴られ、有無を
言わさず連行された。
彼の「日本国籍確認訴訟」の記録にこう記される。〈手足をつながれて、汽車で釜山へ。行先は「内地」と
だけ。3人1組で手足をくくられ船にのり、8時間で下関へ。そこから貨物列車で着いた先は、「千島」だった〉。
これを「強制連行」といわずに何というか。