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■1926年のアヘン戦争/中村屋のボーズ★
孫文の死の一年後、日本に亡命中のインドのビハリー・ボーズは、国粋派の
雑誌『月刊日本』3月号で、《日本よ!何処へ行かんとするか?》と、孫文の
一周忌を意識した発言をおこなった。
《……声を大にしてアジアの解放、有色人種の大同団結を説く……》日本人すら、
なお《……中国人を侮辱し、支邦を侵略すべしと叫び、甚だしきに至りては、有色
人種は性来、白人に劣る……》と認識する者までいて、《真に自らを知り、同時に
アジアを認識するのは暁の星の如く……》少なく寂しい、と……。
(*中島岳志『中村屋のボーズ』白水社 2005 頁175より重引)
戦前日本が「アジアの解放」を念じたのを、孫文もボーズも疑わなかったろう。
ただ、それと同じく、あまりに多くの日本人がアジアの同胞を一段低い民と見下し、
19世紀の列強をコピーした態度で接していることに怒りも感じていた。
20世紀のアヘン戦争はその象徴であり、その事実を当時の大部分の日本人は
知らぬまま、戦後も歴史検証しなかったため、無自覚な状態がつづいた。
戦前、日本は排日、侮日の屈辱に耐え忍んでいたなどと被害者意識に浸る前に、
「真に自らの歴史を知る」必要があるのではないか。