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イコモス評価結果及び勧告の概要
・顕著な普遍的価値について
九州・山口地域を中心とする一連の産業遺産群は、西洋から非西洋国家に初めて産業化の伝播が
成功したことを示す。19 世紀半ばから 20 世紀初頭にかけて、日本は製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業を
基盤に急速な産業化を達成した。一連のサイトは 1853 年から 1910 年までのわずか 50 年余りという
短期間でこの急速な産業化が達成された3つの段階を反映している。
第一段階は、1850 年代から 1860 年代前半にかけての幕末期で、製鉄や造船の試行錯誤期であった。
国防、特に海外からの脅威に対する海防を強化する必要から、各藩が西洋の技術書や西洋の事例の
模倣により(直接ではなく)二次的に知識を得て伝統的な匠の技と組み合わせ、産業化を進めた。
第二段階は、明治時代に入ってからの 1870 年代前半で、西洋技術及びそれを実践するための専門
知識を導入した時期である。
最終段階である明治後期(1890~1910 年)の第三段階は、国内に専門知識が蓄積され、西洋技術を
積極的に改良して日本のニーズや社会の伝統に適合させることにより、本格的な産業化が達成された。
基準 ii)ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの
発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの
iv)人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例
の適用について
評価基準 ii), iv)の正当性は証明されている。