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【鹿児島】「みそ造りが上手だった」 西郷隆盛の親戚が語る人物像とは
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明治維新の立役者、西郷隆盛（１８２７～７７年）を直接知る親戚の女性が西郷について語った肉声の録音テープが、
鹿児島市の歴史資料施設「維新ふるさと館」に残されている。館内で聞くことができるが、あまり知られていない。
９月２４日は西郷の１３７回目の命日にあたる。この機会に素顔の“西郷さん”に触れてみては。
声の主は西郷の妻イトの弟と結婚した岩山トクさんだ。９６歳で亡くなる５カ月前の１９５２年６月、当時の勝目清市長の質問に答え、
愛妻家の一面やにぎやかな家庭など、西郷の日常について柔和な薩摩言葉で語った。
当時珍しかったオープンリール式のテープに３３分４０秒間録音されている。
例えば、西郷は妻の手料理を何でも褒めたといい「あんお方は、優しお人おじゃした（優しい人だった）」と思い返す。
キセルをまぶたの上に当てて熟考する癖についても描写した。また、西郷はみそ造りが上手だったらしく
「（料理に）関心がなさそうなのに意外だった」と述懐している。
トクさんが西郷と接した時期は、倒幕後、西郷が一時的に帰郷していた１８６９、７０年ごろとみられる。
ふるさと館の的場睦夫館長は「一番、気ままに暮らしていた期間では」と言う。西郷はその後、
新政府で廃藩置県などの改革に尽力したが朝鮮半島をめぐる政争に敗れ、再び帰郷した。
７７年２月、旧薩摩藩の士族出身者らとともに決起（西南戦争）し、同年９月２４日、鹿児島市の城山で亡くなった。
ふるさと館はトクさんの話を約１２分に編集して１９９４年の開館以来公開し、語りに合わせてテレビモニターに
標準語の字幕も流している。的場館長は「維新の英雄を語る肉声が残されていることは地元でもほとんど知られていない。
西郷さんの実生活、人柄を知る数少ない手がかり。維新と歴史を愛する多くの人たちに来てほしい」と話している。【津島史人】